Appleが中国の百度(Baidu)と「生成AI技術の使用」について協議を重ねている


AppleがiOSの次期バージョンであるiOS 18から生成AI機能を強化するため、GoogleやOpenAIと協議を重ねているとウワサされています。アメリカの経済紙であるThe Wall Street Journalが、Appleが中国最大のIT企業である百度(Baidu)とも協議を重ねていると新たに報じました。
Apple Held Talks With China’s Baidu Over AI for Its Devices - WSJ
https://www.wsj.com/tech/apple-held-talks-with-chinas-baidu-over-ai-for-its-devices-76879b7f


Apple in talks with China's Baidu for iOS 18 generative AI partnership - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/03/22/apple-baidu-china-ios-18-generative-ai-partnership/


Appleは大規模言語モデルをiPhone上でローカルに動作させることを目指しており、iOSの次期バージョンとなるiOS 18では生成AIを利用した機能強化が図られているとウワサされています。さらに、Appleはこの生成AIに、GoogleのマルチモーダルAIであるGeminiを採用するべく、Googleと協議に入っていると報じられています。
AppleがiPhone向けのAI機能を強化するべくGoogleのGeminiを採用するとの報道 - GIGAZINE


しかし、中国では、AIモデルを使用するには規制当局による事前承認が必要となります。GoogleのGeminiは規制当局からの承認を得ておらず、そもそも中国政府によるネット検閲システムである「グレートファイアウォール」で中国国内からGoogle検索へのアクセスがブロックされているため、Google関連サービスは中国では利用不可能。OpenAIのChatGPTをはじめとするモデルも中国では承認を得ていないため、利用できません。
一方、BaiduはチャットボットAI「ERNIE Bot」を含む40以上のモデルで、すでに規制当局から承認を得ているとのこと。The Wall Street Journalによれば、Appleは中国の顧客向けにAIを提供するためにBaiduの協力をあおいでいるそうです。
Baiduと協力しているのはAppleだけではありません。生成AI機能を搭載するGalaxy S24/S24 UltraなどをリリースしているSamsungも、中国以外の国ではGoogleのGeminiを採用しているのに対して、中国国内向けの製品ではBaiduのERNIE Botを採用しているとのこと。


Apple関連のニュースサイトである9to5Macは、「記事作成時点では、Appleは生成AIのプロバイダーと契約を締結するまでには至っていないと考えられます。交渉は進行中で、おそらく2024年6月に開催されるWWDCに先だって合意されるでしょう」と推測しています。
なお、例年と同じペースであれば、iOS 18は2024年6月のWWDCで発表され、2024年夏にかけて開発者向けベータ版が、9月頃にすべてのユーザーに正式版がリリースされ、同時期に発売されるであろうiPhone 16にプリインストールされると予想されます。

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