Firefoxの開発元Mozillaが個人情報保護サービス「Onerep」との提携を突如終了

Firefoxの開発元Mozillaが個人情報保護サービス「Onerep」との提携を突如終了 - 画像


Firefoxの開発元であるMozillaが、検索結果から個人情報を削除するサービスを提供しているデータプライバシー企業・Onerepとの提携終了を発表しました。
Mozilla Drops Onerep After CEO Admits to Running People-Search Networks – Krebs on Security
https://krebsonsecurity.com/2024/03/mozilla-drops-onerep-after-ceo-admits-to-running-people-search-networks/


Mozilla just ditched its privacy partner because its CEO is tied to data brokers - The Verge
https://www.theverge.com/2024/3/22/24109116/mozilla-ends-onerep-data-removal-partnership
MozillaはFirefox向けの有料サブスクリプションサービスとして、情報漏えいした個人情報を自動で削除したり個人情報の漏えいを継続的に監視したりする「Mozilla Monitor Plus」を2024年2月に発表。このMozilla Monitor Plusにおいて、MozillaはOnerepと提携していました。
個人情報販売サイトから自分のデータを削除させる「Mozilla Monitor Plus」をMozillaが発表 - GIGAZINE


しかし、検索エンジン上から個人情報を削除するというプライバシー関連サービスを提供しているOnerepの創業者兼CEOであるディミトリ・シェレスト氏が、Onerepにおける個人情報削除対象サービスとなっている「Nuwber」の創業者であることが判明。つまり、シェレスト氏は個人情報保護サービスを提供しながら、個人情報を売却するデータブローカーでもあったというわけです。なお、シェレスト氏は記事作成時点でもNuwberのオーナーであることを認めていますが、「OnerepとNuwberの間でのクロスオーバーや情報共有はゼロ」と主張し、他の自身の名前と関連付けられている古いドメインはすでに保有していないと語りました。
ネット上から個人情報を削除するサービスを提供する企業がネット上の人事情報を検索するサービスも運営しているとの指摘 - GIGAZINE


シェレスト氏はOnerepとNuwberという正反対のサービスを運営している理由について、「Nuwberと私が提携していることは、外から見ると奇妙に見えるかもしれません。実のところ、私が人事検索サイトの仕組みを深く掘り下げるという最初の道を進んでいなかったら、Onerepはこの分野で最高の技術とチームを擁していなかったでしょう。それでも、これまでこの事実をより明確にしなかったことに反省していますし、将来はより改善することを目指しています」という声明を出しています。
しかし、Mozillaはシェレスト氏に関する報道を受けOnerepとの提携を終了すると発表。Mozillaのコミュニケーション担当ヴァイスプレジデントであるブランドン・ボーマン氏は、提携終了について「Onerepとの提携により顧客データが危険にさらされることは一度もありませんでしたが、OnerepのCEOの外部の経済的利益や活動は当社の価値観と一致しません」「私たちは現在、顧客にシームレスなエクスペリエンスを提供し、引き続き顧客の利益を最優先する移行計画を固めるために取り組んでいます」と海外メディアのThe Vergeに説明しています。
なお、MozillaはOnerepに代わる別のパートナー企業を探すことになるのか、それともMozilla Monitor Plusというサービス自体を終了することになるのかについては明らかにしていません。

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