周波数6.2GHzを達成したIntel Core i9-14900KSが登場、性能も価格も高いので金に糸目をつけない愛好家向けとの評価

周波数6.2GHzを達成したIntel Core i9-14900KSが登場、性能も価格も高いので金に糸目をつけない愛好家向けとの評価 - 画像


Intel Core i9-14900KSが2024年3月15日(金)に登場し、店頭に並びました。最大周波数が6GHzの大台に乗ったCore i9-14900Kからさらに200MHz強化された「スペシャル・エディション」のベンチマーク結果や発熱を技術系ニュースサイトのTom's Hardwareがレビューしています。
Intel Core i9-14900KS Review: The Last Core i9 Hits Record 6.2 GHz at Stock Settings | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/intel-core-i9-14900ks-cpu-review
・目次
◆1:ゲームパフォーマンス
◆2:生産性パフォーマンス
◆3:発熱
◆4:総評
◆1:ゲームパフォーマンス
2023年にリリースされたCore i9-14900Kと、今回登場したCore i9-14900KSはコア数やスレッド数が同じですが、最大周波数が200MHz向上したのに伴って、基本消費電力も125Wから150Wへと増加しています。

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Tom's Hardwareはまず、Borderlands 3やCyberpunk 2077などのゲームでCore i9-14900KSを含むCPUをテストし、その際の平均フレームレートをまとめてゲームパフォーマンスを測定しました。また、Core i9-14900KSのテストの際には、DDR5-5600とDDR5-6800の2種類のRAMを使いました。
その結果が以下。1080pの解像度では、Ryzen 7800X3Dが首位となり、Core i9-14900KSとDDR5-6800 RAMを組み合わせた構成は3番目のパフォーマンスでした。また、DDR5-5600 RAMと組み合わせた場合のCore i9-14900KSは5位で、Core i9-14900Kは6位でした。

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解像度が1440pでも順位は同様でした。

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ゲームでのベンチマーク結果について、Tom's Hardwareは「Ryzen 7800X3Dは地球上で最速のゲームチップです。標準構成ではCore i9-14900Kよりも約14%高速で、クロック周波数の高いメモリを使ったCore i9-14900KSに対しても6%のリードを維持しています。一方、生産性のパフォーマンスではCore i9-14900KSには及びませんでした」とコメントしました。
◆2:生産性パフォーマンス
続いて、CPUベンチマークソフトのCinebenchなどを用いて計測した生産性ベンチマークの結果が以下。シングルスレッドのパフォーマンスではCore i9-14900KSが首位となり、その後にCore i9-14900Kが続きました。

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マルチスレッドのパフォーマンスでは、Ryzen 7950Xが首位となり、Core i9-14900KSとCore i9-14900Kはそれぞれ2位と3位でした。

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「Core i9-14900KSはCore i9-14900Kに対してシングルスレッドでは3.8%、マルチスレッドでは1.5%しかリードしておらず、Core i9-14900Kの価格が550ドル(約8万円)なのに対してCore i9-14900KSが689ドル(約10万円)と25%高いことを考えると、お買い得とは言いがたいでしょう」とTom's Hardwareは評しています。
◆3:発熱
以下は、負荷テストを行っている最中のCore i9-14900KSの最大周波数を水色、最低周波数を黒色、消費電力を緑色、温度を赤色で示したものです。温度を表す赤色のグラフをみると、テスト中はほぼ100度になっていることがわかります。

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Core i9-14900KSの温度が100度で推移したのは、搭載されているアダプティブブーストテクノロジー(ABT)によって調整されているためです。ABTはチップが100度に達するまではより多くの電力を消費し、熱ヘッドルーム、つまり最高動作温度に達するまでの余力の範囲内で最大限のパフォーマンスを発揮します。
冷却にはCORSAIRのiCUE LINK H150i RGB AIO水冷式CPUクーラーが使われましたが、それでもテスト中はほぼ100度に達していることから、Tom's Hardwareは「Core i9-14900KSの驚異的な発熱は言うに及ばずで、CPUクーラーがパフォーマンスを決めることはほぼ確実と言えるため、360mmサイズのオールインワン型水冷式クーラーかそれ以上のものを用意する必要があります」と述べました。
◆4:総評
以上の結果から、Tom's Hardwareは「Core i9-14900Kの驚異的な6.2GHzのクロック数は、デスクトップPCとしては最速のマイルストーンを打ち立てており、ブランド名に『i』が付くCore i9シリーズの幕引きとしてふさわしい性能です。しかし、その追加のクロック速度は価格に見合うだけの実質的パフォーマンスをもたらしておらず、特に前世代のKSモデルとは違ってライバルのAMDプロセッサーからゲーミング性能で王座を奪われている点が、その価格を正当化しづらくしています。従って、14900KSは数パーセントの性能のために喜んでプレミアム価格を支払う裕福な愛好家や過激なオーバークロッカー向けの製品として設計されたものだと言えます」と評価しました。
なお、Tom's HardwareはCore i9-14900KSをマイナス231度まで冷やすことで9.1GHzまでクロック数を上げて、オーバークロックに関する複数の世界記録を破ることに成功しています。

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