Epic GamesがUnreal Engineの新料金プランを発表、ゲーム開発者は引き続き無料で使用可


Epic Gamesが、Unreal Engineの新しい料金プランを発表しました。2024年4月下旬のUnreal Engine 5.4のリリースと同時に適用されるこの新しい料金プランにより、映画業界などゲーム開発者以外のユーザーのうち、年間収益が100万ドル(約1億5000万円)を上回るユーザーは、1シート(ユーザー1人)当たり年額1850ドル(約27万円)のサブスクリプション料金を支払うことになります。
4 月下旬の Unreal Engine、Twinmotion、および RealityCapture 価格変更のお知らせ
https://www.unrealengine.com/ja/blog/we-are-updating-unreal-engine-twinmotion-and-realitycapture-pricing-in-late-april
Epic Gamesは2023年に開催したイベント「Unreal Fest」で、Unreal Engineにシートベースの料金プランを導入する予定だと発表していました。
Unityに続いてUnreal Engineが価格改訂を計画中 - GIGAZINE


by Sergiy Galyonkin
そして、Epic Gamesは今回の発表で、新しい料金プランの金額と適用条件を明らかにしました。課金の対象となるのは、次の基準をすべて満たす場合にのみです。
・年間総収益が100万ドルを超える企業である
・ゲームを制作していない
・サードパーティのエンドユーザーにライセンス供与し、ランタイム時にUnreal Engineコードに依存するアプリケーションを作成していない
サブスクリプションに加入すると、次のような作品の制作にUnreal Engineを使用することができます。
・リニアコンテンツ(映画やテレビ番組、建築のビジュアライゼーション、放送やライブイベント向けのグラフィックなど)
・ランタイム時にUnreal Engineコードを組み込み、サードパーティにライセンス供与されていない製品(内部または外部で使用される製品コンフィギュレーターなど)
・個人ユーザーに直接販売されない没入型エクスペリエンス(テーマパークの乗り物や建築物のインタラクティブなウォークスルーなど)
このサブスクリプションには、Unreal Engineに加えて、主に建築の分野で使用されるビジュアライゼーションツールのTwinmotionと、写真から3Dモデルを作成することができるフォトグラメトリーツールのRealityCaptureが付属しています。
ノンゲームのプロジェクトの場合、会社の年間収益が100万米ドル未満であれば、Unreal EngineはTwinmotion、RealityCaptureとともに無料でお使いいただけます。この基準を超えると、年間サブスクリプションシートを1,850米ドルで購入していただく必要があります。(4/9)— アンリアルエンジン (@UnrealEngineJP) March 12, 2024
Epic GamesがUnreal EngineにTwinmotionとRealityCaptureをバンドルさせているのは、Unreal Editorにこれらの製品を統合する将来的な計画があるからだと、Epic Gamesは説明してます。
なお、今回の価格変更はUnreal Engine 5.4以降のユーザーにのみ適用されるため、Unreal Engine 5.3やそれ以前のバージョンを使用している場合は、更新するまで価格変更が適用されないとのこと。
前述の通り、Epic Gamesは今回の発表に先駆けて、2023年10月に新しいサブスクリプションプランの導入予定を発表していましたが、ちょうどそのころには、同じくゲームエンジンのUnityが価格体系を大きく変更させて物議を醸していました。
Unityが「ゲームがインストールされるたびに手数料発生」の価格体系を導入してゲーム開発者が激怒、年額約5万円の「Unity Plus」も新規受付停止に - GIGAZINE


また、Epic Gamesは2023年に全従業員の16%に当たる830人を対象とする大規模なレイオフを実施しており、その理由についてティム・スウィーニーCEOは「財務上の問題に直面していることに気づき、問題を解決するために迅速に行動する必要がありました」とコメントしていました。

ジャンルで探す