イーロン・マスクがChatGPTに対抗する生成AI「Grok」を間もなくオープンソース化すると発表

イーロン・マスクがChatGPTに対抗する生成AI「Grok」を間もなくオープンソース化すると発表 - 画像


イーロン・マスク氏が設立したAI企業・xAIが開発したチャットAIの「Grok」は、かつてマスク氏も設立に携わったOpenAIのChatGPTに対抗するAIとして注目を集めています。新たに現地時間の2024年3月11日、マスク氏がX(旧Twitter)へのポストで「今週、xAIはGrokをオープンソース化します」と発表しました。
This week, @xAI will open source Grok— Elon Musk (@elonmusk) March 11, 2024
Elon Musk says xAI will open source Grok this week | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/03/11/elon-musk-says-xai-will-open-source-grok-this-week/
xAIのチャットAIであるGrokはマスク氏の肝いりで開発され、「SF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』にインスピレーションを受けた、ちょっとしたウィットと生意気な一面を持つAI」と紹介されています。GrokはXの有料サブスクリプションプラン「Xプレミアムプラス」の会員向けに提供されており、高い精度を誇る一方でマスク氏の保守派支持層からは「回答がリベラルすぎる」という不満も寄せられていました。
イーロン・マスク主導でChatGPTに対抗して作られたチャットAI「Grok」が予想以上にリベラルな回答をして保守派支持層の怒りを買っている - GIGAZINE

イーロン・マスクがChatGPTに対抗する生成AI「Grok」を間もなくオープンソース化すると発表 - 画像


2024年3月11日、マスク氏がGrokを今週中にオープンソース化するとXで発表しました。Grokがオープンソース化されることで、MetaのLlama2などと同様に一般の研究者や開発者が自由にGrokのコードをテストできるようになり、研究開発が加速すると期待されています。
マスク氏は以前からオープンソースの支持者であり、自身がCEOを務める電気自動車メーカーのテスラは2014年に「誠意を持って技術を使いたい人に対して特許訴訟を起こすことはない」と宣言したほか、いくつかの車種に搭載されているシステムをオープンソースで公開しています。また、Xのアルゴリズムに関するソースコードも、マスク氏が買収した後にオープンソース化されました。
今回のGrokをオープンソース化するという発表は、マスク氏がOpenAIを「当初は非営利組織であったにもかかわらず営利企業に移行し、Microsoftの事実上の子会社になっている」として提訴した直後に行われたものです。
イーロン・マスクがChatGPTの開発元OpenAIを訴える、「Microsoftの事実上の子会社」と主張 - GIGAZINE

イーロン・マスクがChatGPTに対抗する生成AI「Grok」を間もなくオープンソース化すると発表 - 画像


OpenAIは2015年に「AIをオープンソースで研究する非営利団体」としてマスク氏らの寄付で設立されましたが、マスク氏は2018年にOpenAIを買収する試みが失敗に終わった後に取締役を辞任。その後、営利企業に移行したOpenAIはChatGPTをリリースし、Microsoftから数十億ドル(数千億円)規模の投資を受けました。
マスク氏はこうしたOpenAIの変化に以前から不満を表明しており、2024年2月29日にサンフランシスコの上級裁判所にOpenAIを提訴しました。これに対してOpenAIは、「マスク氏はOpenAIとテスラの合併や、過半数の株式取得などを臨んでいた」と反論し、マスク氏のすべての主張を取り下げさせる方向で動いています。
Grokのオープンソース化発表に対する「OpenAIもそうするべきでしょう。彼らが『オープン』であるならの話ですが」というリプライに、マスク氏は「OpenAIはうそだ」とコメントしました。
OpenAI is a lie— Elon Musk (@elonmusk) March 11, 2024

ジャンルで探す