AR・VR市場は2023年第4四半期に大きく成長、背景にMeta Quest 3のヒットあり

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市場調査企業のIDCが、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)ヘッドセットの世界市場が2023年第4四半期(10月~12月)に前年比で130.4%の成長をみせたと報告しています。
Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=IDC_P35095

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IDCのモビリティおよび消費者デバイストラッカーのリサーチマネージャーであるジテシュ・ウブラニ氏は「Metaのシェアはハードウェアの継続的な補助金とMeta Quest 3のリリースによって、ソニーやPicoにシェアを奪われたあとも着実に増加しています。Appleや他のベンダーから新しいデバイスが登場して間違いなくプレッシャーを受けていますが、低コスト・高ボリューム戦略がMetaの大きな特徴であり、2024年はほぼMetaがAR/VR市場を牽引していくこととなるでしょう」と述べています。
以下は、2022年第4四半期から2023年第4四半期までの5期分における、AR・VRデバイス市場シェアの推移を示したグラフです。Meta(紺色)がシェアを着実に伸ばしており、2023年第4四半期には60%を超えています。また、2023年第1四半期(1月~3月)には、PlayStation VR2を発売したソニーが市場シェアの第2位に輝いています。

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IDCによれば、2023年通年ではAR/VRヘッドセットの出荷量は2022年から23.5%減少したとのこと。これは2022年に新型コロナウイルス流行による巣ごもり需要が伸びたこともあり、むしろ需要が落ち着いた結果ともいえますが、IDCは「ほとんどの企業がリリースから1年以上経った製品に依存していた」ことも出荷量減少の理由として挙げています。
MetaがQuest 3をリリースしたのは2023年10月でした。前世代のQuest 2から3年ぶりの新製品であり、チップセット・カメラ・ディスプレイなどの性能が大きく向上したQuest 3は市場に好意的に受け止められ、Metaのシェアを大きく伸ばすほどのヒットにつながったと考えられます。
実際、Metaは2023年第4四半期の決算発表で、AR/VR研究部門であるReality Labsが史上最高の収益10億ドル(約1500億円)を超えたと発表しています。
MetaのVR部門・Reality Labsが史上最高の収益10億ドル超えを達成、Meta Quest 3ヒットの影響で - GIGAZINE

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IDCのARおよびVRプログラムのリサーチディレクターであるラモン・ラマス氏は「2023年のAR/VR市場は2022年から顕著な減退を見せました。他の市場でも同様の状況が起こっており、AR/VRもその減退から免れることはありませんでした。しかし、この減退によって、企業が混合現実(MR)や人工知能、および表示技術の経験をさらに磨き、よりよい2024年に備えることができました」とコメントしています。

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