Apple Watchも目指す血糖値測定機能について規制当局のFDAが「スマートウォッチの非侵襲的な血糖値測定機能を使用しないで」と警告

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AppleはApple Watchの新機能として血糖値測定機能を計画していると長らくウワサされています。しかし、スマートウォッチなどで非侵襲的な方法で血糖値を測定する機能について、アメリカの規制当局であるアメリカ食品医薬品局(FDA)が反対の姿勢を表明しました。
Do Not Use Smartwatches or Smart Rings to Measure Blood Glucose Levels: FDA Safety Communication | FDA
https://www.fda.gov/medical-devices/safety-communications/do-not-use-smartwatches-or-smart-rings-measure-blood-glucose-levels-fda-safety-communication

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US FDA warns against using smartwatches to measure blood glucose | Reuters
https://www.reuters.com/business/healthcare-pharmaceuticals/fda-warns-consumers-over-use-smartwatches-measure-blood-glucose-levels-2024-02-21/
FDA stands against using smartwatches to monitor blood glucose
https://9to5mac.com/2024/02/21/fda-smartwatches-blood-glucose/
2024年2月21日、FDAは「血糖値の測定にスマートウォッチやスマートリングを使用しないでください」という警告を発表しました。血糖値を独自に測定あるいは推定するスマートウォッチあるいはスマートリングは承認・認可していないと説明しています。なお、これには「持続血糖値監視デバイス(CGM)などの皮膚に穴をあけて使用するFDA認可の血糖値測定端末からデータを表示するスマートウォッチ向けアプリケーション」は含まれません。
糖尿病患者の場合、不正確な血糖値測定はインスリン・スルホニルウレア剤・血糖を急激に下げるためのその他の薬剤の誤った摂取につながるとFDAは主張しています。これらの薬を過剰に摂取すると、患者はすぐに危険な低血糖状態に陥り、誤って数時間以内に精神的混乱、昏睡、または死に至る可能性があります。
そのため、FDAは消費者・患者・介護者に向けて以下の3点を推奨しています。
・血糖値を測定すると主張するスマートウォッチやスマートリングを購入または使用しないでください。これらのデバイスは、オンラインマーケットプレイスあるいは販売者から直接販売される場合があります。
・これらの機器の安全性と有効性はFDAによって審査されていないため、これらの機器を使用すると血糖値が不正確に測定される可能性があることに注意してください。
・医療ケアが正確な血糖値測定に依存している場合、ニーズに合った適切なFDA認可の機器について医療提供者に相談してください。

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さらに、FDAは医療提供者に向けても以下の3点を推奨しました。
・FDAが発表している消費者、患者、介護者向けの推奨事項に従ってください。
・未承認の血糖測定装置を使用するリスクについて患者と話し合ってください。
・必要に応じて患者が適切なFDA認可の血糖測定装置を選択できるように支援してください。
FDAは問題のあるスマートウォッチやスマートリングについて、「問題のあるデバイスは、指を刺したり皮膚に穴を開けたりすることなく血糖値を測定できると主張しています。これらのデバイスは血糖値を直接測定するものではありません。この種のデバイスは数十の企業によって製造され、複数のブランド名で販売されています。安全に関するコミュニケーションはメーカーやブランドに関係なく、皮膚に穴を開けずに血糖値を測定すると主張するスマートウォッチやスマートリングに適用されます」と説明しています。
FDAは医療機器市場を定期的に監視しており、無許可の製品が消費者に販売されていることを認識しているとのこと。FDAはメーカー、流通業者、販売業者が血糖値を測定すると称する未承認のスマートウォッチやスマートリングを違法に販売しないように取り組んでいます。さらに、FDAは消費者にこの問題について警告し、スマートウォッチやスマートリングを血糖値の測定に使用すべきではないことを一般向けに周知しているとのことです。
なお、FDAが血糖値測定に使用することを認めているCGMには「Dexcom G7」などが挙げられています。

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Appleは非侵襲的な応報で血糖値を測定するテクノロジーを開発中であると長らくウワサされています。Appleが開発中の血糖値測定機能について、9to5Macは「シリコンフォトニクスと呼ばれる技術を用い、グルコースに吸収される物質を含む腸液が存在する皮膚の下の領域にレーザーを照射し、光の波長で血糖値を測定する『光吸収分光法』と呼ばれるプロセスを実験している」と指摘。
なお、9to5Macは「AppleがFDAの承認なしに血糖値測定機能を提供する可能性は低い」とも述べています。

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