Googleが「忘れられる権利」に基づいてサイトや記事を検索結果から削除したことを運営者に通知する措置を停止

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EUでは、過去の個人に関する情報がウェブ上に残っている時に、検索結果に表示させなかったりウェブ上から削除させたりする「忘れられる権利」が個人に認められています。Googleがこの忘れられる権利に基づいて該当する情報を検索結果から削除したことを、サイト運営者に告知するのをやめたと、イギリスの日刊紙・The Guardianが報じています。
Google stops notifying publishers of ‘right to be forgotten’ removals from search results | Google | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2024/feb/15/google-stops-notifying-publishers-of-right-to-be-forgotten-removals-from-search-results

Googleが「忘れられる権利」に基づいてサイトや記事を検索結果から削除したことを運営者に通知する措置を停止 - 画像


2016年4月に制定されたEUの一般データ保護規則(GDPR)では、第17条に「データ主体は、管理者から、不当に遅滞することなく、自己に関する個人データの消去を得る権利をもち、また、管理者は、不当に遅滞することなく、個人データを消去すべき義務を負う」として「忘れられる権利」が明文化されました。
この制定は2014年に欧州司法裁判所が忘れられる権利を認める判決を下したことに端を発するのですが、Googleはこの判決を受けて「個人データの削除リクエストフォーム」を公開しています。
Googleに「忘れられる権利」を申請し個人情報を削除するフォームの使い方 - GIGAZINE

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The Guardianによると、これまで検索エンジンでは忘れられる権利に基づいた削除要請が100万件以上あり、そのうち半分以上は拒否されているものの、すでに150万件のURLが検索結果から削除されているとのこと。
Googleはこれまで、「個人データの削除リクエスト フォーム」での申請に基づいて検索結果から情報を削除した場合、そのことをサイトの運営者に報告していました。

Googleが「忘れられる権利」に基づいてサイトや記事を検索結果から削除したことを運営者に通知する措置を停止 - 画像


しかし、スウェーデンの行政最高裁判所が2023年12月に、検索エンジンがコンテンツへのリンクを削除したことをサイトの運営者に通知すること自体が、忘れられる権利を主張する人のプライバシーを侵害するとみなされるという判決を下しました。
Googleの広報担当者はThe Guardianに対して「スウェーデンのデータ保護当局による決定を受けて、通知に関する新たなアプローチを導入しました。この決定はスウェーデンの行政最高裁判所が判決を下した2023年12月に発効しました。私たちは当時この決定に同意しませんでしたが、この判決には拘束力があり、EU全体の規制方針を裏付けるものです。したがって、当社はこれを順守しようと誠実に努めてきました」とコメントしています。

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