極超音速偵察機SR-72をロッキード・マーティンがすでに空軍に納入済みだといううわさ

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米ソ冷戦期に活躍した超音速偵察機SR-71ブラックバードを開発したロッキード・マーティンのスカンクワークス部門が、後継新鋭機をすでにアメリカ空軍に引き渡したといううわさが出ています。情報源は軍事情報サイト・Defense&Aerospace Reportのヴァゴ・ムラディアン編集長による発言のみですが、軍事ニュースサイトのSandboxxは「ムラディアン氏が言うのであれば信用するという人は多い」と記しており、確度の高い情報として受け取られています。
Defense & Aerospace Air Power Podcast [Nov 02, 23] Ep40: Ask Dr. Science - Defense & Aerospace Report
https://defaeroreport.com/2023/11/02/defense-aerospace-air-power-podcast-ep40-ask-dr-science/
SR-72? Hints of a new Skunk Works spy plane reignite rumors of a Blackbird successor | Sandboxx
https://www.sandboxx.us/news/sr-72-hints-of-a-new-skunk-works-spy-plane-reignite-rumors-of-a-blackbird-successor/

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Did Skunk Works Deliver Its New Spy Plane to the Air Force?
https://www.popularmechanics.com/military/aviation/a45793480/did-skunk-works-deliver-secret-spy-plane/

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アメリカ空軍は1960年代から1980年代の米ソ冷戦期に「ブラックバード」の愛称で知られる偵察機・SR-71を運用していました。SR-71は「高度8万5000フィート(約2万5000m)を最大速度マッハ3で巡航可能」という性能を備えており、被撃墜ゼロという記録を残しました。しかし、運用にあまりにもお金がかかることなどを問題視され、1998年に退役しています。
SR-71退役後に残った偵察機としては、1950年代から運用されているU-2や、無人偵察機のRQ-4グローバルホークがありましたが、高度な防空網を突破して情報を得るには性能不足で、アメリカ空軍には必要となりました。
そこでノースロップグラマンが開発したのがステルス無人偵察機のRQ-180です。ただ、2015年には導入され、飛行中の機影や運用実績は確認されているものの、公式には機体の情報は公開されていません。
ムラディアン氏はポッドキャストでこのRQ-180の話題を出し、RQ-180と平行してスカンクワークスによる偵察機計画があって「すでに空軍に提供された品もある」と言及した上で、「計画は非常に野心的な内容で、航空機の次のブロックに到達するために一部変更が加えられたと私は理解しています」と付け加えました。
「すでに空軍に提供された品」が指すのがSR-72だと考えられているのは、すでに空軍がSR-72の提供を受けたことを指し示すような状況証拠が複数存在するためだそうです。
SR-72はスカンクワークスが「2030年までの初飛行を目指して開発している」機体として、計画自体は開示されています。
マッハ5超で飛ぶ超音速機の2030年までの実用化を目指してしのぎを削っているのはアメリカと中国 - GIGAZINE

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なお、ニュースサイトのPopular Mechanicsは、映画「トップガン マーヴェリック」にトム・クルーズ演じるマーヴェリックが「ダークスター」と呼ばれるテスト機でマッハ10に挑むシーンがあったことに触れ、映画に協力したロッキード・マーティンが本当に極超音速で飛行可能なSR-72を開発していたことがわかったことで映画への貢献度合いを再認識したと述べています。
ちなみに、マッハ5超で飛ぶSR-72は、SR-71が持つ「有人ジェット機の最高速度」記録のマッハ3を上回ることになりますが、有人機ではなく無人機になる見込みだとPopular Mechanicsは指摘しています。

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