Docker Desktopが無料プランを個人・小規模法人向けに限定、大企業向け新プランを設定

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どこでも同じ環境を再現してアプリを動かせるようにする仮想化ツールの「Docker」を、WindowsやMacで使えるようにしたツールが「Docker Desktop」です。このDocker Desktopの製品プランが大幅に変更され、従業員数250人以上・年間収益1000万ドル(約11億円)以上のいずれかを満たす企業は無料プランが利用できなくなりました。
Docker is Updating and Extending Our Product Subscriptions - Docker Blog
https://www.docker.com/blog/updating-product-subscriptions/
Docker Desktop no longer free for large companies: New 'Business' subscription is here • The Register
https://www.theregister.com/2021/08/31/docker_desktop_no_longer_free/
今回大きな変更が加えられたのは、Docker Desktopの無料プランとして提供されてきた「Free」です。「Free」プランの名称は「Personal」に変更され、これと同時に利用できる条件が「個人開発者、教育、オープンソースコミュニティの従事者、中小企業」に限定されることとなります。Dockerによる中小企業の定義は「従業員数250人未満、年間収益1000万ドル未満」なので、いずれかに該当する企業は無料でDocker Desktopを利用することができなくなります。

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月額5ドル(約550円)の「Pro」プランと月額7ドル(約770ドル)の「Team」プランの2つはこれまでと変わらず継続して利用可能ですが、新しく大企業向けの月額21ドル(約2300円)の「Business」プランが登場しました。「Business」プランは50人以上での利用が推奨されており、Teamプランで使える全機能に加えて、一元管理機能やSSO規格のひとつであるSMALを利用可能となる予定です。
なお、Dockerにはいくつかのコンポーネントが存在しており、Docker Desktopはそのうちの一部に過ぎません。Docker Desktop以外の多くはApache License, Version 2.0のもとオープンソースで提供されています。有料プランが用意されているDocker Desktopは、それらのコンポーネントおよび機能を管理するためのGUIツールというわけ。

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今回の価格改定について、Dockerのスコット・ジョンソンCEOは「開発者市場の成長は続いています。最新の統計によると、2030年までに世界の開発者人口は現在の1800万人から4500万人にまで膨れ上がります。これは持続可能でスケーラブルなビジネスが必要であるという兆候です」と、海外メディアのThe Registerに語っています。
ジョンソンCEOはDockerの利用者の多くが無料でDocker Desktopを利用してきたと語っており、今回の価格改定により有料プランユーザーが増加することを期待しています。ジョンソンCEOは「今回の価格改定により、サブスクリプションプランを利用する必要があるユーザーの数は2倍になると推定されます。それでも、これはDockerユーザー全体のわずか10%未満です」と語り、有料プランの利用者が増えることを期待しつつ、それでも9割のユーザーは無料のままサービスを利用できるとアピールしました。
さらに、有料プランの押し付けがDocker Desktop離れを引き起こすのではないかというThe Registerの指摘に、「常にリスクはゼロではありません。しかし、すでにDocker Desktopに多くの価値を見出している企業が、控えめな価格帯と感じるように5ドルの有料プランを設定しています」とジョンソンCEOは回答。無料プランを利用できない企業は月額5ドルのプランに加入するだけで引き続きDocker Desktopを利用できるようにしているとアピールしました。
また、新しく追加された「Business」プランについて、ジョンソンCEOは「月額21ドルの『Business』プランにははるかに多くの機能を追加しています。その筆頭がセキュア・ソフトウェア・サプライチェーンと呼ばれる機能です。ユーザーは、コントロールプレーンで開発者にアクセスを許可する内容を設定可能になり、それをDocker Desktopに配信することで、開発環境にそのポリシーを適用することが可能となります。また、CPU使用率、メモリ、ポート、ファイアウォールへのアクセスなどの設定を制御するために、SaaSベースの一元管理機能も提供しています。SSOは『Business』プランでのみ提供予定のセキュリティ機能のもうひとつの例と言えます」と語っています。

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The Registerが「Docker DesktopはLinuxをサポートしていない点が問題」とジョンソンCEOに指摘したところ、同氏は「我々の見積もりによると、Linuxは開発環境の20~25%を占めています。我々はすべての開発環境で一貫した管理コントロールプレーンを実現したいと考えているので、ご期待下さい」と、Docker DesktopのLinux対応を示唆しています。
さらに、もう一つの問題点としてGitHub Codespacesなどのリモート開発環境でのDockerの利用をThe Registerが挙げたところ、ジョンソンCEOは「Linux版のDocker Desktopをリリースした際に一部の問題に対処する予定」とコメントしました。ただし、「ユーザの大多数がWindowsやMac、Linuxをローカル環境で利用している」とも語っています。

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