北朝鮮でプレゼンを行ったブロックチェーンの専門家が逮捕されてしまう

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by Worldspectrum
仮想通貨プラットフォーム「イーサリアム」の普及・促進を目的とするイーサリアム財団に所属する開発者のバージル・グリフィス氏が、2019年11月28日にロサンゼルス空港で逮捕されました。シンガポール在住のアメリカ人であるグリフィス氏は、2019年4月に北朝鮮で行われたカンファレンスでブロックチェーン技術についての講演を行っており、「北朝鮮に悪用可能な技術を流出させた」とアメリカ合衆国司法省は主張しています。
Manhattan U.S. Attorney Announces Arrest Of United States Citizen For Assisting North Korea In Evading Sanctions | USAO-SDNY | Department of Justice
https://www.justice.gov/usao-sdny/pr/manhattan-us-attorney-announces-arrest-united-states-citizen-assisting-north-korea
Cryptocurrency expert arrested for giving talk to North Korea about avoiding sanctions | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/cryptocurrency-expert-arrested-for-giving-talk-to-north-korea-about-avoiding-sanctions/
Developer faces prison time for giving blockchain talk in North Korea | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2019/12/us-ethereum-developer-arrested-for-violating-north-korea-sanctions/?utm_brand=arstechnica

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グリフィス氏は2007年、Wikipediaにおける非ログインユーザーの編集が、どの企業や団体に属するものなのかを検索するサービス「WikiScanner」を開発したことで注目を浴びた人物。近年はイーサリアム財団に所属し、イーサリアムの開発などに携わっていました。
アメリカ合衆国司法省は2019年11月28日、グリフィス氏を「アメリカの北朝鮮に対する制裁に違反した」として逮捕しました。グリフィス氏は2019年4月、北朝鮮の平壌で行われたブロックチェーン・仮想通貨関連のカンファレンスに出席し、仮想通貨やブロックチェーン技術を用いて国際的な制裁を回避する方法についてプレゼンテーションを行ったとのこと。
国際緊急経済権限法や複数の大統領令により、アメリカは北朝鮮に対する制裁を課しています。これにより、アメリカ人や組織、民間企業が北朝鮮政府に援助を行うことが禁止されていますが、グリフィス氏の講演はこの制裁に違反するものだと当局は主張しています。

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by (stephan)
アメリカ合衆国司法省の(PDFファイル)刑事告訴文書によると、グリフィス氏が「北朝鮮を訪問したい」と申請した際にアメリカ合衆国司法省はこれを却下しており、グリフィス氏は自身の行動がアメリカの制裁に違反すると理解していたと当局はみています。グリフィス氏はアメリカの承認を得ないまま、中国を経由して北朝鮮入りしてカンファレンスに出席したとのこと。
FBIのエージェントによると、グリフィス氏は「北朝鮮がマネーロンダリングを行ったり制裁を回避したりするために、ブロックチェーン技術や仮想通貨をどのように利用できるのか、そしてグローバルな金融システムから独立する上でこれらの技術をどのように利用できるのか」について講演したそうです。アメリカ合衆国司法省のジョン・デマーズ司法次官補は、「この訴状に基づき、私たちは正義を求める手続きを開始します」と述べています。
また、グリフィス氏は自身の旅行計画を隠す気が全くなかったそうで、旅行後には自発的にFBIと話し、自身の携帯電話を検査することも許可しました。アメリカ合衆国司法省によると、携帯電話の履歴からも、グリフィス氏が今回の件が制裁に違反すると理解していたことを示す証拠が出ているそうです。たとえばグリフィス氏は友人に「なぜ北朝鮮が仮想通貨に興味を持っているのか?」と尋ねられた際、「おそらく制裁を避けるためだろう」と答えていました。さらに、韓国と北朝鮮間における暗号通貨の送信を支援する計画について友人に伝えた際も、「それはアメリカの制裁に違反しているのではないか?」と聞かれており、グリフィス氏は「している」と答えたそうです。

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ニューヨーク州南地区地方検事のジェフリー・バーマン氏は、「伝えられているように、グリフィス氏はブロックチェーン技術や仮想通貨の知識が北朝鮮のマネーロンダリングおよび制裁回避に役立つことを知りながら、北朝鮮に高度な技術的知識を提供しました」と述べています。有罪になった場合、グリフィス氏は最大で20年の懲役が科される可能性があるとのこと。
一方で、グリフィス氏に近しい人物はグリフィス氏を擁護しており、逮捕は過剰反応だと主張しています。イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、グリフィス氏の講演が北朝鮮の現実的な助けになったとは思わないと指摘。「彼はオープンソースソフトウェアについての公開情報に基づいてプレゼンテーションを行いました」とツイートしています。
3. I don't think what Virgil did gave DRPK any kind of real help in doing anything bad. He *delivered a presentation based on publicly available info about open-source software*. There was no weird hackery "advanced tutoring".— vitalik.eth (@VitalikButerin) 2019年12月1日

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