「スマホの生体認証を解除するように法執行機関が容疑者へ強制することはできない」と裁判官が判断

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by Oliur Rahman
捜査機関によるスマートフォンのアンロックは個人のプライバシーとの兼ね合いで取り沙汰されることが多く、Appleは捜査機関によるiPhoneアンロックを難しくする「USB制限モード」を開発しているともいわれています。そんな中、2019年1月10日にアメリカの裁判官が「法執行機関が容疑者から押収したスマートフォンなどの生体認証をアンロックするように強制することはできない」という判断を下したと報じられました。
Gov Uscourts Cand 336910 1 0
https://www.documentcloud.org/documents/5684307-Gov-Uscourts-Cand-336910-1-0.html
Judge rules law enforcement can't force suspects to unlock their iPhone with Face ID or Touch ID - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2019/01/14/face-id-touch-id-court-ruling/
Feds forcing mass fingerprint unlocks is an “abuse of power,” judge rules | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2019/01/feds-forcing-mass-fingerprint-unlocks-is-an-abuse-of-power-judge-rules/
2018年10月、アメリカの警察が事件の容疑者に対して「Face IDを利用してiPhone Xのロックを解除すること」を要求していると、Forbesをはじめとするメディアが報じました。これまで、スマートフォンなどのパスコードを法執行機関が容疑者から無理矢理聞き出して、端末のロックを解除することは禁じられてきました。一方で生体認証に関する明確な規定は存在せず、「パスコードはダメでも生体認証なら強制的に容疑者の端末のロックを解除できるのではないか」と注目を集めていました。
今回の事件では、2人の容疑者が被害者の「恥ずかしいムービー」を持っているとして、ムービーを公開されたくなかったらお金を払うように強要したとされています。警察は事件の容疑者からさまざまな証拠品を押収し、Face IDと指紋認証によってロックされた端末の解除を要求していました。
しかし、カリフォルニア州オークランドの地方裁判所で今回の要求に対する審理が行われた結果、Kandis Westmore裁判官は「確かに警察は本件についての令状を持っているが、この要求は行き過ぎであり、法執行機関には強制的に容疑者の端末をアンロックする権利はない」として要求を却下する判断を下しました。

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Westmore氏は、将来的に捜査において端末のロック解除の必要性が高いと判断される令状が発行された場合には、今回の判決が覆される可能性があるとしています。しかし、基本的には令状があっても生体認証を使って容疑者の端末を強制的に解除することはできないとしており、「デバイスのロック解除を目的にパスコードを強制的に聞き出すことが許されていない場合、同じデバイスを解除するために指紋や顔、虹彩といった生体認証を強要することはできません」とWestmore氏は述べています。
続いて、押収したスマートフォンなどの端末にアクセスする代わりに、法律に違反しないデータへアクセスする方法があるとWestmore氏は指摘。Facebookやメッセンジャーアプリの会話記録などにアクセスし、捜査を進めるべきだと主張しました。

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