世界で初めて「ドローンを用いた都市部での宅配サービス」が実用化される

世界で初めて「ドローンを用いた都市部での宅配サービス」が実用化される - 画像


トラックを用いた陸上での運送にかわって無人航空機「ドローン」で荷物を運ぶ空の輸送は新しいインフラとして期待されていて、AmazonやUPSがドローンを用いた宅配システムの導入を検討しています。ドローンは国による規制が厳しく定められており、まだシステムのテスト段階にある企業も多い中で、アイスランドでは既にDJIのドローンとイスラエル企業の物流システムを用いた宅配サービスが提供されていると報じられています。
Are Delivery Drones Commercially Viable? Iceland Is About to Find Out - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/robotics/drones/are-delivery-drones-commercially-viable-iceland-is-about-to-find-out
アイスランドのスタートアップ「Aha」は、アイスランドの首都であるレイキャビクを対象に、ドローンを使って料理・食料品・電化製品を届けるサービスを行っています。テストではなく、商用としてドローンを都市部での宅配に用いるサービスを提供するのは、Ahaが世界で初めてとのこと。
実際にAhaのドローンが荷物を載せて空を飛ぶ様子は以下のムービーから見ることができます。
Flytrex Drone Delivery in Reykjavík, Iceland - YouTube

Ahaが宅配で使用しているのは、最大離陸重量が15kgのプロ仕様ドローン「DJI Matrice 600」です。レイキャビクの中心にあるAhaのオペレーションセンターから、3kgの荷物を積んだ状態で、4~8kmの範囲を飛ぶことができます。配達のためのルートは常に更新され、さらにリスクを低減するために、可能な限り人が少ない産業区域や川・湖の上を飛ぶようにルートが決められます。

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宅配に使用されているドローンは、障害物を感知したり回避したりする機能を持っておらず、カメラやレーダーなどの画像認識システムもありません。Ahaの宅配ドローンは、木や建物などの障害物がないことが明らかなルートに沿って、GPSを利用しながら飛行します。過去5カ月においておよそ500件の配送が行われましたが、事故は1件も報告されていないとのこと。

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注文はスマートフォンのアプリから行うことが可能で、配達料はおよそ7ドル(約770円)となっています。AhaのCEOを務めるマロン・クリストファーソン氏は「電気代はせいぜい25セント(約27円)程度です。7ドルもあれば運用コストは十分カバーできます」とコメントしています。
そもそもAhaがドローン宅配サービスを始めたのは、高騰し続ける労働コストを削減するために、クリストファーソン氏が2014年に自動運転の無人機による配送計画を検討したことがきっかけ。Ahaは2015年にイスラエルのテルアビブに拠点を置くスタートアップFlytrexと連携し、宅配用にドローンを開発するのではなく、GPSトラッカーと既存のドローンを利用した新しい物流システムを導入しました。
FlytrexのCEOを務めるヤリフ・バッシュ氏は「FedExは配達用トラックそのものを開発・生産しているわけではなく、業者から調達しているだけです。ドローンでも同じことをしています。Flytrexはニーズに合わせてドローンを選ぶノウハウを持っていますが、ロジスティクスとクラウドこそFlytrexのコアコンピタンスです」と語っています。
クリストファーソン氏は、アイスランドの空輸当局に対して「アイスランドはドローン配送を行う国として最下位に位置するか、それとも最前線を走る国となるか」と選択を迫りました。1年以上の交渉を行った結果、アイスランドはドローン配送のための安全上の規制を設け、2018年初めにドローンによる宅配サービスを試験的に行ったとのこと。

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最初は住宅地に着陸する許可が得られなかったため、街の郊外にある着陸ポイントまでドローンで配送し、そこから改めて配送するという方法を採っていました。そして、徹底的に安全に配慮するAhaの運用が安全規制当局に認められ、2018年8月には住宅地への着陸許可が降りました。

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バッシュ氏は、既にある2カ国ではAhaと同様のドローン宅配システムを認可する動きがあるとコメント。「ハンバーガーを注文したとき、16歳の少年が2トントラックを運転してやってくるのと、わずか30ポンド(約13kg)のドローンが運んでくるのと、どちらが安全でしょうか?」とバッシュ氏は語っています。

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