冷蔵庫が「野菜をみじん切り」をサポート? 三菱冷蔵庫の新しい野菜冷凍機能を体験
食材価格の値段が高騰しているいま、家庭にて食品ロスをなくすことがますます重要になっています。そんななか「野菜のフードロスを減らす」ことにこだわったのが、三菱電機の冷蔵庫新製品に搭載される「できちゃうV冷凍」という機能です。
同機能を搭載した新製品は「中だけひろびろ大容量」シリーズの一部。ラインナップには12月中旬発売の真ん中野菜室「MZ/MDシリーズ」に、2025年1月下旬発売予定の真ん中冷凍室「WZ/BD/JWシリーズ」、そして2月上旬発売の「JWシリーズ」があります。
新機能がどうしてフードロスを減らせるのか、三菱電機のプレス向け発表会にてチェックしてきました。
野菜はなぜ家庭のフードロスで一番多いのか?
三菱電機によると、自炊をする家庭において一番フードロス量が多いのが「野菜」。一般的に食材を長期保存させたい場合は冷凍すれば良いのですが、じつは野菜は冷凍保存されずに廃棄される率が高いそうです。
というのも、野菜を冷凍保存する場合は通常「使うメニューを想定した下ごしらえ」が必要になるから。買った野菜をザク切りにするのか、みじん切りにするのか、あるいは千切りにして使うのか? 冷凍する段階では決められず、結局そのまま野菜室に保存してダメにしてしまう人が多いそうです。
そこで、三菱電機は2024年の新機能として「できちゃうV冷凍」を開発。新機能を利用すると、あらかじめ冷凍してある野菜を手で砕いて簡単に「ザク切り」にも「みじん切り」にもできるようになります。
まな板も包丁もなしで「ザク切り」や「みじん切り」が可能に
新機能「できちゃうV冷凍」は、簡単に説明すると-25℃という超低温の風を食材に直接吹き付けるという機能。一般的な冷凍庫の庫内温度は-18℃以下なのですが、できちゃうV冷凍を使った野菜は約-25℃まで冷やせるのです。
-18℃以下という一般的な冷凍庫で凍らせたキャベツを触ってみると、皮のようなしなやかさや弾力があり、曲げても割れることはありません。
しかし、-25℃まで冷やしたキャベツはガラスのように硬質。軽く力を入れただけでパキパキと面白いくらい簡単に割れます。凍らせた野菜の割り方を調整することで、ザク切りにもみじん切りにも対応可能なうえ、まな板も包丁もいらないので洗い物も最小限に抑えられます。
ただし、本機能には注意点もあります。ひとつが「常時発動している機能ではない」ということ。「できちゃうV冷凍」を使うには、冷凍済みの野菜を冷凍庫の浅型トレーに置いて「できちゃうV冷凍」ボタンを押す必要があります。
「できちゃうV冷凍」がスタートすると、約20~30分ほどで食材がカチカチに凍り付き、その後1時間半ほど-25℃の風を送風し続けます。このため、野菜を砕きたい場合は料理を始める20分以上前に「できちゃうV冷凍」をスタートさせ、必要な調理は「できちゃうV冷凍」スタートから2時間以内に終わらせる必要があります。
毎回「できちゃうV冷凍」をスタートさせるのは手間にも思えますが、デメリットだけではありません。
通常時はパワーが必要な「-25℃の風」を送風していないので、余計な消費電力がかからないのです。ちなみに、三菱電機によると、1度の「できちゃうV冷凍」(約2時間)に必要な電気代は約1円だそうです。
もうひとつの注意点が「食材は薄いもののほうが砕けやすい」ということ。
たとえば、ニンジンは丸のままでも砕くことは可能だそうですが、厚さがあるほどカチカチになるまでの時間がかかります。また、砕くときにも力が必要です。ちなみに、ジャガイモなどの一部の野菜は「できちゃうV冷凍」には不向きで、三菱では現在12種類の野菜がしっかり砕けることを確認しているそうです。
新機能を使って実際に調理! 使い勝手はどう?
新機能の発表会場では、実際に「できちゃうV冷凍」で冷凍した野菜を使った調理デモンストレーションも行われました。作った料理は野菜たっぷりのオムレツとポタージュスープの2品。
最初に作った「砕いた冷凍野菜で作るキャベツと鶏ひき肉のオープンオムレツ」は、塩で味付けした卵に、できちゃうV冷凍で大きめに割ったキャベツとタマネギなどの具を入れて焼くだけ。
野菜以外にも荒くカットしたミンチ肉とチーズを入れる工程がありましたが、焼く時間を考えなければ調理自体は5分前後で終わりました。
スープは「できちゃうV冷凍」で細かくしたカリフラワーなどの野菜を入れ、バターや牛乳、コンソメを入れて煮るだけという「カリフラワーとマッシュルームのミルクスープ」。こちらは包丁やまな板を使う工程は一切なく、(加熱を除けば)調理の手間は3分もかかっていませんでした。
いずれも「野菜を切る」という工程が必要ないので、とにかく調理が手軽。また、洗い物が最小限で済むのも嬉しいポイントでしょう。調理でいかに「野菜を切る」という工程が手間を必要とするかを再確認できるデモンストレーションとなりました。
いままでの冷蔵庫は「肉や野菜の冷凍技術」を重視した製品がメインでした。しかし「できちゃうV冷凍」は野菜が長持ちするうえ、調理の手間も減らすという新発想の機能。「野菜を使いきれずに捨てがち」「みじん切りが面倒」など、野菜に関する不満を抱えている人は、一度新製品をチェックしてみてはいかがでしょうか。
倉本春 くらもとはる 生活家電や美容家電、IoTガジェットなど、生活を便利にする製品が大好きな家電ライター。家電などを活用して、いかに生活の質をあげつつ、家事の手間をなくすかを研究するのが現在最大のテーマ。 この著者の記事一覧はこちら
同機能を搭載した新製品は「中だけひろびろ大容量」シリーズの一部。ラインナップには12月中旬発売の真ん中野菜室「MZ/MDシリーズ」に、2025年1月下旬発売予定の真ん中冷凍室「WZ/BD/JWシリーズ」、そして2月上旬発売の「JWシリーズ」があります。
新機能がどうしてフードロスを減らせるのか、三菱電機のプレス向け発表会にてチェックしてきました。
野菜はなぜ家庭のフードロスで一番多いのか?
三菱電機によると、自炊をする家庭において一番フードロス量が多いのが「野菜」。一般的に食材を長期保存させたい場合は冷凍すれば良いのですが、じつは野菜は冷凍保存されずに廃棄される率が高いそうです。
というのも、野菜を冷凍保存する場合は通常「使うメニューを想定した下ごしらえ」が必要になるから。買った野菜をザク切りにするのか、みじん切りにするのか、あるいは千切りにして使うのか? 冷凍する段階では決められず、結局そのまま野菜室に保存してダメにしてしまう人が多いそうです。
そこで、三菱電機は2024年の新機能として「できちゃうV冷凍」を開発。新機能を利用すると、あらかじめ冷凍してある野菜を手で砕いて簡単に「ザク切り」にも「みじん切り」にもできるようになります。
まな板も包丁もなしで「ザク切り」や「みじん切り」が可能に
新機能「できちゃうV冷凍」は、簡単に説明すると-25℃という超低温の風を食材に直接吹き付けるという機能。一般的な冷凍庫の庫内温度は-18℃以下なのですが、できちゃうV冷凍を使った野菜は約-25℃まで冷やせるのです。
-18℃以下という一般的な冷凍庫で凍らせたキャベツを触ってみると、皮のようなしなやかさや弾力があり、曲げても割れることはありません。
しかし、-25℃まで冷やしたキャベツはガラスのように硬質。軽く力を入れただけでパキパキと面白いくらい簡単に割れます。凍らせた野菜の割り方を調整することで、ザク切りにもみじん切りにも対応可能なうえ、まな板も包丁もいらないので洗い物も最小限に抑えられます。
ただし、本機能には注意点もあります。ひとつが「常時発動している機能ではない」ということ。「できちゃうV冷凍」を使うには、冷凍済みの野菜を冷凍庫の浅型トレーに置いて「できちゃうV冷凍」ボタンを押す必要があります。
「できちゃうV冷凍」がスタートすると、約20~30分ほどで食材がカチカチに凍り付き、その後1時間半ほど-25℃の風を送風し続けます。このため、野菜を砕きたい場合は料理を始める20分以上前に「できちゃうV冷凍」をスタートさせ、必要な調理は「できちゃうV冷凍」スタートから2時間以内に終わらせる必要があります。
毎回「できちゃうV冷凍」をスタートさせるのは手間にも思えますが、デメリットだけではありません。
通常時はパワーが必要な「-25℃の風」を送風していないので、余計な消費電力がかからないのです。ちなみに、三菱電機によると、1度の「できちゃうV冷凍」(約2時間)に必要な電気代は約1円だそうです。
もうひとつの注意点が「食材は薄いもののほうが砕けやすい」ということ。
たとえば、ニンジンは丸のままでも砕くことは可能だそうですが、厚さがあるほどカチカチになるまでの時間がかかります。また、砕くときにも力が必要です。ちなみに、ジャガイモなどの一部の野菜は「できちゃうV冷凍」には不向きで、三菱では現在12種類の野菜がしっかり砕けることを確認しているそうです。
新機能を使って実際に調理! 使い勝手はどう?
新機能の発表会場では、実際に「できちゃうV冷凍」で冷凍した野菜を使った調理デモンストレーションも行われました。作った料理は野菜たっぷりのオムレツとポタージュスープの2品。
最初に作った「砕いた冷凍野菜で作るキャベツと鶏ひき肉のオープンオムレツ」は、塩で味付けした卵に、できちゃうV冷凍で大きめに割ったキャベツとタマネギなどの具を入れて焼くだけ。
野菜以外にも荒くカットしたミンチ肉とチーズを入れる工程がありましたが、焼く時間を考えなければ調理自体は5分前後で終わりました。
スープは「できちゃうV冷凍」で細かくしたカリフラワーなどの野菜を入れ、バターや牛乳、コンソメを入れて煮るだけという「カリフラワーとマッシュルームのミルクスープ」。こちらは包丁やまな板を使う工程は一切なく、(加熱を除けば)調理の手間は3分もかかっていませんでした。
いずれも「野菜を切る」という工程が必要ないので、とにかく調理が手軽。また、洗い物が最小限で済むのも嬉しいポイントでしょう。調理でいかに「野菜を切る」という工程が手間を必要とするかを再確認できるデモンストレーションとなりました。
いままでの冷蔵庫は「肉や野菜の冷凍技術」を重視した製品がメインでした。しかし「できちゃうV冷凍」は野菜が長持ちするうえ、調理の手間も減らすという新発想の機能。「野菜を使いきれずに捨てがち」「みじん切りが面倒」など、野菜に関する不満を抱えている人は、一度新製品をチェックしてみてはいかがでしょうか。
倉本春 くらもとはる 生活家電や美容家電、IoTガジェットなど、生活を便利にする製品が大好きな家電ライター。家電などを活用して、いかに生活の質をあげつつ、家事の手間をなくすかを研究するのが現在最大のテーマ。 この著者の記事一覧はこちら
11/18 13:54
マイナビニュース