電車の座席が折りたたみスマホ? クアラルンプールのGalaxy駅に行ってきた

折りたたみスマートフォンの主力メーカーでもあるサムスンは、自社の折りたたみモデルのプロモーションを各国で実施しています。本体を曲げることができるという折りたたみスマートフォンの特徴を効果的に使った屋外広告も目立っています。マレーシアのクアラルンプールでは地下鉄の駅のネーミングライツをサムスンが取得し、「TRX駅」が1年間限定で「TRX Samsung Galaxy駅」になっています。その駅構内には折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip6」「Galaxy Z Fold6」を使った面白い広告展開が行われています。

TRX Samsung Galaxy駅の構内はすべてサムスンのスマートフォンやスマートウォッチの広告で埋め尽くされていますが、駅の通路の一角に地下鉄の車両内のようなスペースが設けられています。折りたたみスマートフォンをアピールするためのもので、よく見ると座席がGalaxy Z Flip6、Galaxy Z Fold6の画面を90度開いた形になっています。

座席は折りたためませんが、実際に座ることができます。よく見るとスマートフォン本体のカラバリと同じ色に仕上げられています。初めてこの前を通る人は「これは何だろう?」と足を止め、遠くから写真を撮ったり、せっかくだからちょっと休憩していこうと座席に座ったりしていました。

座席の前には黒い柱が立っていますが、よく見ると先は尖っており、また下部側に縦長のボタンのような模様が入っています。これはGalaxy Z Fold6で手書き入力ができるスタイラス「Sペン」のデザインを大きくしたもの。わかる人にしかわからないデザインでしょうが、細かい部分まで手を抜かずに作り上げているのがわかります。

さらに車内のつり革部分にはGalaxy Z Flip6の模型がくくりつけられています。実際に電車のつり革のこの部分に広告が取り付けられていることがありますよね。つり革を握りながら立っているとGalaxyの電車に乗っているような感覚です。折りたたむと正方形の小型サイズになるGalaxy Z Flip6だからこそこんな見せ方もできるわけです。

マレーシアは常夏の国でもあり、日本のような真冬の季節はありません。今回は10月に駅を訪れましたが、外はまだまだ半袖で十分なくらいの暑さでした。クアラルンプールの地下鉄は駅構内はもちろん地下鉄車内も冷房はかなり強く効いています。それでも外から駅に入ってもまだからだが火照っているな、なんて感じる人も多いのでしょう。写真撮影をしている間も地元の人たちが思い思いにここに立ち寄って座席で休憩する姿が見られました。TRX Samsung Galaxy駅は2025年2月末までなので、クアラルンプールに行く機会のある人はぜひ立ち寄ってみてください。

さて折りたたみスマートフォンを椅子やベンチにしたプロモーションは他の都市でも行われていました。こちらは2024年の春先にタイのバンコクで行われていたもの。ちょっとした休憩スペースに「Galaxy Z Flip5」をベンチ風にして設置していました。

こちらでは壁面に角度を付けた鏡も設置。Galaxy Z Flipシリーズはディスプレイの角度を自由な角度で止められるため、机の上において動画を見たり写真を撮るときに使いやすいのですが、その様子をオブジェクトにして鏡張りとし、この鏡を使って自撮りを楽しめるスペースにしていました。

「く」の字に折れ曲がった鏡の前に立てば、自分の姿を2枚入れた写真を撮ることも可能。構図を工夫すると普段は撮れないような写真も撮影できます。Galaxy Z Flip5 / Galaxy Z Flip6なら開いた状態の外画面を見ながら撮影もできるので、ポートレート撮影も自分の表情を見ながら撮影も可能。折りたたみスマートフォンは写真をより楽しく撮影できるのです。

折りたたみスマートフォンにはまだまだ新しい使い方やアイディアもあるでしょうから、メーカーとしても様々なプロモーションを展開しているわけです。今までのスマートフォンにはなかった面白い広告展開がこれからも期待できそうです。

富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら

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