自由に装着できる、“ウェアラブル”な小型AIボイスレコーダー「PLAUD NotePin」を体験!

AIボイスレコーダーメーカーのNicebuildは10月23日、GPT-4oやClaude 3.5による要約機能を備えたポータブル型ボイスレコーダー「PLAUD NotePin(プラウド ノートピン)」を発表しました。同日から同社販売サイトで予約受付を開始し、12月上旬に発売予定です。価格は28,600円。

会議やセミナー、電話などの音声を録音し、文字起こしのほか要約、マインドマップなどの一括生成が可能なアイテムで、2024年9月時点では日本語を含めた59カ国以上の言語に対応しています。

現行モデルとなる薄いカード型のAIボイスレコーダー「PLAUD NOTE」は50億円以上を売り上げた大ヒットモデルでした。

新モデルの「PLAUD NotePin」は最長部で約5cm、35gという小型軽量サイズが特徴。リストバンドで手首に巻いたり、ネックレスにして首から掛けたりと、“ウェアラブル製品”として常時携帯し、日常的に記録できるポテンシャルを備えています。

発売に先駆けて開催された製品説明会では、実機が展示されたほか、NicebuildのWatson.Zhang氏(Japan Country Manager)が製品について説明した音声を「PLAUD NotePin」で録音し、そのまま文字起こし・要約するというユニークな実演も行われました。

指でつまめるカプセル型AIボイスレコーダー。装着も自在

Nicebuildは、共同創業者兼CEOのNathan Hsu氏が、2021年11月に米国で設立したAIオーディオハード/ソフトウェアの販売を行う企業で、中国の深セン、香港のほか、日本にも拠点を開設。“AIと現実世界を結びつける”ことをミッションに掲げており、同社が手がけるAI関連サービスを総称して「PLAUD AI」と名付けています。

同社が2023年6月にグローバルでリリースしたのが、OpenAI社のChatGPTを統合したAIボイスレコーダー「PLAUD NOTE」(日本でも2024年4月に販売開始)。薄いカードのような形状で、スマートフォンの背面にマグネットでくっつけられ、通話の記録も取りやすい製品です。2024年9月時点におけるユーザー数は25万人を超え、そのうち約2割が日本ユーザーということで、日本は重要な市場に位置付けていると説明がありました。

さて、今回登場した新製品「PLAUD NotePin」は、PLAUD NOTEからがらりと形状を変え、より身につけやすいカプセル型になりました。

本体は同梱のマグネットピン、リストバンド、クリップ、ネックストラップの4通りで身体に装着できます。物理ボタンはなく、中央部分を押すことで録音スタート(1回振動)、もう1度押すと録音ストップ(2回振動)。指にフィードバックされる振動の回数で開始/停止がわかる仕組みです。

バッテリー駆動時間は40日間のスタンバイ、20時間の連続録音に対応。小型サイズゆえ、紛失した際に探しやすいよう、Appleの「探す」ネットワークにも対応します。

想定ターゲットはリモートワーカーや、扱う金額が大きい不動産販売関係者、教育関係者、現場作業のエンジニア、医師や弁護士、アイデアを日常的に記録したいクリエイティブワーカーなど。

カラーはグレー、シルバー、パープルの3色。2つのMEMSマイクを備え、数メートル範囲で収音するため、例えば手首に着けていても、口から発する音声を問題なく録音できるといいます。それを実演したのが今回の説明会で、Watson.Zhang氏はPLAUD NotePinを手首に装着したまま約40分ほど製品説明し、その場で文字起こし。変換まで約4~5分待ったあと、映し出されたスライドには、説明会の要約が問題なく文字起こしされていました。

AI機能が豊富。箇条書きで書かれた要約の見やすさが印象的

PLAUD NotePinで文字起こしした実際の画面を見ていきましょう。音声データは本体内蔵の64GBメモリで記録され、その後Bluetooth/Wi-Fiのいずれかでスマートフォン(専用アプリ)へ転送。そこからクラウドへアップロードされ、文字起こし処理が行われます(設定により手動アップロード、自動アップロードを選択可能)。なお本体に記録された音声は、スマートフォンへ転送した後に順次削除されるとのこと。

今回実演された、40分ほどの説明内容の要約は、破綻なく箇条書きでまとめられており、“静かで小型の会議スペース”という会場のメリットを考慮しても、かなり見やすく、また実用的な文字起こしサービスという印象を受けました。

文字起こしにかかる時間は、通信環境によるものの、60分の会議でおおむね5分ほどとのこと。話したユーザーを認識する話者分離や、自動で段落分けする機能などを搭載。もちろんユーザーによる手動編集機能も備えています。録音はHD品質で行われ、録音・文字起こしデータはスマートフォン向けアプリやPCブラウザから参照可能。他者へのデータ共有や転送、他デバイスで録音した音声のインポートにも対応します。なお、翻訳機能はありません。

PLAUD NotePinとPLAUD NOTEの大きな特徴が、AIを活用した機能です。文字起こしの要約は、会議や面接などシチュエーションに合わせたテンプレートを設定できるほか、有料プランとなりますが、ユーザー側が要約方法を指示し、使いたい用途に合った要約の作成も可能。

このほか、疑問を尋ねると、AIが記録内容を分析して即座に回答してくれる「Ask AI」という機能も用意されています(こちらも有料プラン向け)。長時間の会議などで細かい部分を覚えていないとき、例えば「今回出たカラーは?」といった質問にすぐ回答が返ってきます。

現状の連携LLMは、OpenAI社のGPT-4oまたはAnthropic社のClaude 3.5 Sonnetをユーザーが選べるようになっています。

競合であるソースネクストも、AIボイスレコーダー「オートメモ」で文字起こしサービスを利用する料金プランを展開していますが、PLAUD AIシリーズも、無料/プロプランの2つの料金プランを展開しています。

無料プランでは、月間300分の文字起こしが可能。また、要約テンプレートは13種類以上が使えます。一方プロプランは月額1,980円あるいは年額12,000円で、月間1,200分の文字起こしが可能なほか、要約テンプレートは21種類以上が用意され、会議の趣旨やポイントを利用者が設定できる「カスタムテンプレート」も利用可能。話し言葉で会議の内容をAIに尋ねられるAI検索機能「Ask AI」も、プロプランのみの提供となります。

本体価格は、NotePinデバイスとマグネットピン、クリップ、ネックレスストラップ、リストバンドなどが同梱されて28,600円。実際の精度を詳しくチェックする時間はありませんでしたが、要約を見る限り、静かな省スペースの会議室であれば、精度の高い情報が見やすくまとめられていたことが印象的でした。

実機は10月23日から、ソフトバンク銀座(東京都中央区)や蔦屋家電+(東京島世田谷区、期間限定)、b8ta Tokyo - Yurakucho(東京都千代田区、期間限定)で展示するそう。気になった方はぜひ試してみてください。

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