「ダイナミックアイランド」に複数のアプリを表示できる? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ

iPhone 14 Pro/Pro Maxから採用された「ダイナミックアイランド」は、いわばアプリの補助領域。ミュージックアプリでは再生中の曲のアートワークを、マップアプリではルート案内時に進むべき方向を表示します。時計アプリのタイマー使用時は、残り時間をカウントダウンしてくれるという気の利いた機能を備えています。

基本的にダイナミックアイランドは、前面に表示しなくてもときどき進捗状況の確認が必要なバックグラウンド動作するアプリによって使用されます。ただし提供される機能や表示内容はアプリ次第、状況によって変化します。

ダイナミックアイランドを使おうとするアプリが複数ある場合には、システム側が領域をうまく分配します。たとえば、ミュージックアプリで音楽再生中しているとき、ほかにダイナミックアイランドを使おうとするアプリがなければ、領域すべてがミュージックアプリに使用されますが、時計アプリのタイマーを開始すると、領域の一部がタイマーのために割かれます(ミュージックアプリの領域は減少)。

1つのアプリがダイナミックアイランドを占有し続けることはできません。たとえば、ミュージックアプリで音楽再生中しているときにマップアプリでルート案内を開始すると、ミュージックアプリの情報は表示されなくなります(音楽再生には影響なし)。その後ルート案内が終了すれば、ダイナミックアイランドはミュージックアプリの情報を表示する役割に復帰します。

なお、複数のアプリがダイナミックアイランドを使用しているときも、該当部分を長押しするとウインドウ状に拡大されるなど動作は変わりません。ユーザの判断で表示領域を変更できないものの、すべてお任せでいい仕事をしてくれる存在なのです。

海上忍 うなかみしのぶ IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。マイナビニュースでは、「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」のほか、前世紀から続く「(新)OS Xハッキング!」などを連載中。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。 この著者の記事一覧はこちら

ジャンルで探す