緊急事態に備えiPhoneで「衛星通信」をテストしよう

2024年7月、ここ日本でも「衛星経由の緊急SOS」がサポートされました。緊急時にテキストメッセージの送受信を通信衛星経由で行うことができるこの機能は、一部の国・地域および特定のiPhone(iPhone 14以降/iOS 16.1以降など)でサポートされていましたが、日本はサービス対象外でした。

「衛星経由の緊急SOS」を利用するには、iOS 17.6が動作するiPhone 14シリーズとiPhone 15シリーズが必要です。iOS 17.6にアップデートすれば、4G/5Gのモバイル回線が使えないエリアでも、iPhoneが直接人工衛星と通信し、SOS情報を伝えることができるようになるのです。

これで人里離れた場所に行くときも安心ですが、人工衛星との通信には多少のコツが必要です。モバイル回線やWi-Fiのようにどのような体勢でも通信できるわけではなく、空が見通せる状態でなければなりません。人工衛星は一定の速度で動くため、人工衛星にiPhoneを向け続ける必要もあります。

いざというときにモタついてしまっては困るため、Appleは「衛星経由の緊急SOS」のデモモードを用意しています。実際に緊急SOSを発信するわけではないので、誰にも迷惑をかけることなく、人工衛星と通信する練習ができるのです。

手順はかんたん、「設定」→「緊急SOS」→「デモを試す」の順にタップし、画面の指示に従い操作していくと、「衛星通信接続をテストする」というボタンが現れます。画面の指示どおりモバイル通信をオフにして、空が妨げられずに見える場所へ移動し人工衛星の方向へiPhone向けると、やがてチャット画面が現れます。実際の「衛星経由の緊急SOS」も手順は変わらないため、慌てず操作できるはずですよ。
○操作手順をカンタン解説

海上忍 うなかみしのぶ IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。マイナビニュースでは、「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」のほか、前世紀から続く「(新)OS Xハッキング!」などを連載中。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。 この著者の記事一覧はこちら

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