ガーミン「Lily 2」レビュー - 腕を彩るデザインに注目 日常使い用の入門スマートウォッチ

今では大抵のスマートウォッチで睡眠、心拍、運動量などを日常的に計測し、健康管理に役立てることができます。そんなことから女性の利用者も増えていて、欧米諸国ではスマートウォッチの女性のシェアが55%と、半数を占めているそうです(ガーミン調べ)。

そのような背景から、ガーミンでは女性が身に付けやすいスマートウォッチのラインナップを強化。エレガントなデザインを意識した、ガーミン初の女性向けスマートファッションウォッチ「Lily」を2021年に発表しました。

そんな「Lily」シリーズの最新モデル「Lily 2 Classic」と「Lily 2 Sport」が2024年1月18日に発売されました。メーカーから試用機を借り、前モデルからの進化点や約2カ月使ってみた感想をお伝えします。

モノグラムや幾何学模様も。パターンレンズの美しさに魅了される

「Lily」シリーズはガーミンのスマートウォッチの中でも最小サイズで、バンドも14mmと細く、普段使いの腕時計に近い印象です。「Lily 2 Classic」はレザーバンドとナイロンバンドを用意。「Lily 2 Sport」はシリコンバンドで、いずれのバンドも2色展開、計6色のラインナップになっています。

「Lily 2 Classic」と「Lily 2 Sport」の違いは決済機能の「Garmin Pay」の有無になります。「Lily 2 Classic」はGarmin Pay搭載で、対応する決済カードやSuicaが利用でき、買い物や電車での移動がスムーズにできます。

「Lily」シリーズはカラーごとに異なるパターンレンズで、文字盤に美しい装飾が施されているのが優雅。筆者は「Lily 2 Classic」ナイロンバンドのCoffee Nylonをメーカーから借りたのですが、このモデルでは文字盤にグリーンをモチーフにした絵柄が浮かび上がります。最初にウォッチを見た時、そのエレガントなデザインに魅了されました。

本体にはリューズがなく、操作はタッチスクリーンで行います。時計を見る動作をしたり、画面をダブルタップすることでディスプレイが起動。ウォッチフェイス画面の左右のスワイプで健康データや天気などのウィジェットを表示し、下にスワイプすることでコントロールメニューを表示します。

ディスプレイ画面のボタンを押すとメインメニューになり、18種類のアクティビティを選択したり、ウォッチフェイスを変更したり、アラームやタイマーを設定できたりします。

これまで使ってきたスマートウォッチはリューズで操作することが多かったので、「Lily 2」のシンプルさに最初は戸惑いました。ですが手首を曲げた時にリューズが手の甲に当たることがなく、時計サイズも35.4mmと小さいので上に着る衣類への影響も少なく、慣れると逆に使いやすくも感じました。
従来から機能が大幅強化、睡眠モニタリングやストレス計測も

前モデルに比べて機能もアップデートされ、歩数や心拍数に加えて、血中酸素トラッキングやストレスも計測できるようになりました。睡眠モニタリングには睡眠スコア機能が追加され、100までの数値で睡眠を評価してくれます。

表示はモノクロなのですが意外と見やすく、ウォッチだけでもいろいろな情報を得ることができます。「Garmin Connect Mobile」アプリと連携すると、日々のデータをグラフなどで視覚化して確認でき、健康や運動に関するアドバイスを参考にできます。

さまざまなデータの中でも筆者がよく確認していたのが、体のエネルギー状態を数値化するガーミン独自の指標「Body Battery」です。これは疲労度を100までの数字で数値化するもので、朝起きてから徐々に数値が減っていきます。どうも仕事をやる気がしないという時にBody Batteryの数値を見ると、20くらいになっていて、疲れていることが数字からもわかります。

そんな時に活用しているのが、新たにアクティビティに搭載された「ブレスワーク」です。息を吸う、息を止める、息を吐く、息を止めるという動作を4秒間ずつ、5分間行う呼吸法で、文字やイラスト、振動などで動作を促してくれるので、目をつぶりながらリラックスできます。

3月25日に行われたガーミンのインスタライブで、ブレスワークを担当した呼吸コーチの堀 杏子さんによると、ブレスワーク中にツボが集中している耳をつかんで回転させたり、首をゆっくり前後左右に動かしたりすることで、血流が良くなってリラックス効果がアップするとのこと。

呼吸だけだと長く感じる5分間が、動きを加えることで意外と早く過ぎるので、適度に身体をエクササイズしながらブレスワークしています。

「Lily 2」の機能の中で、身体の若さがわかる「フィットネス年齢」も気になっていました。実年齢や活動量、安静時心拍、BMI、VO2 max(最大酸素摂取量)などを分析することで、より精密な指標を提示できるようにアップデートされています。

ドキドキしながら確認したのですが、筆者のフィットネス年齢が実年齢より1歳若いだけでした……。どうやら運動不足と肥満が影響しているみたいです。BMIを下げると最大4歳若くなるようなので、頑張ろうと気合いが入りました。

仕事柄、パソコンに向かって長時間、座りっぱなしになりがちなのですが、同じ姿勢が長時間続くと「Moveアラート」で体を動かすことを促してくれるのも、立ち上がるきっかけを作ってくれるので気に入っています。そのタイミングでお茶を入れたりして、気分転換をしています。
バランスのよい機能で入門向け。バッテリー持ちが良ければなお良し

Lily 2では計測したさまざまなデータを見ることで、今の身体の疲れやストレスが見える化できて、健康管理に役立てられます。新たにアクティビティ中の「事故検出機能」も追加され、ウォーキング、ランニング、サイクリング時にウォッチが事故を自動検知すると、あらかじめ登録しておいた連絡先に通知できるようにもなりました。

さまざまな最新機能が程良く盛り込まれている印象の「Lily 2」なのですが、欲を言うならバッテリーの持ちがもう少し長いといいなと思いました。稼働時間は通常のスマートウォッチモードで約5日間なのですが、筆者の場合、全てのデータを24時間計測しているので、2~3日でバッテリーがなくなってしまいます。

本体はコンパクトで、50m対応の防水仕様で日常的に使いやすく、生理周期や妊娠などの女性のためのトラッキング機能もついているので、女性におすすめのモデルです。ただ、今までいろいろなスマートウォッチを使っている人にとっては、バッテリー持ちやスポーツ機能にやや物足りなさを感じるのかもしれません。

そういう意味では、スマートウォッチの入門向けモデルだと思います。「Lily 2」が気になっている人で、初めてスマートウォッチを使うという人は、「Lily 2」で睡眠やストレスレベルなどの健康機能やモニタリング機能、ランニングやヨガなどのアクティビティ機能といったスマートウォッチの魅力に触れ、徐々により高機能のモデルにアップデートしていくのがいいのではないかと思います。

綿谷禎子 わたたにさちこ 情報誌の編集部から編集プロダクションを経てフリーランスのライターに。現在は小学館発行のビジネス情報誌「DIME」を中心に、企業のオウンドメディアや情報サイトなどで幅広く執筆。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。自称、キャッシュレスクイーン。スマホ決済や電子マネー、クレジットカード、ポイント、通信費節約などのジャンルのほか、趣味の文具や手帳の記事も手がける。 この著者の記事一覧はこちら

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