ポケモンショックよさようなら。画面の点滅を抑制するメガネ
もうポケモンショックを起こさない。
ある時期から、テレビ番組を見るときに「テレビを見る時は部屋を明るくして離れて見てください」という注意書きが表示されるようになりましたよね。
あの放送事故をご存知?
若い人はご存じないかもしれませんが、原因は1997年12月に放映されたアニメ『ポケットモンスター』で画面が激しく点滅し、一部の視聴者が光過敏性発作で救急搬送された放送事故なんです。
俗に「ポケモンショック」として知られるこの事件。今は当時より激しく点滅する表現は減ったと思いますが、眩しいシーンはいくらでもあります。
ブルーライトカットみたい
バーミンガム大学とグラスゴー大学では、テレビが出す特定の光(の波長)を抑えて、光過敏性発作を防ぐレンズが共同開発されています。
彼らが使う「コレステリック液晶ディスプレイ(CLC)」は、 660~720nmの波長の光を98%以上カットするという優秀さ。
現在はメガネのレンズに搭載し、テレビやゲームを見る時だけ電力で起動します。
CLCは固体と液体の中間みたいな物質で、加熱により螺旋状の分子配列を変化させる必要があるため36.5度まで温めないと機能しません。
現段階では着用者が快適な温度で動作するものの、室温26度以内という制約があるそうです。
オン/オフできるのが大事
変化しないフィルターもあるにはありますが、それだと狙った赤色を50%程度しか抑制できないそうな。しかも画面はずっとフィルターを通した色合いになり、切り替えができません。
SFのようなプロジェクト
研究者らがこのプロジェクトを始めた4年前、「最初はまるで空想科学のように感じました」とのこと。
それでも実現させてしまうのだから、科学者はすごいですよね。
将来の展望
今後はもっと高温の環境下でも使え、加熱と冷却にかかる時間の改善を目指すとのことです。
メガネをかけるのは煩わしいので、理想はテレビ画面に組み込めたら良いと思うのですが…実現しますかねぇ?
Source: Cell Reports Physical Scienc, University of Birmingham via NEW ATLAS, Wikipedia
11/28 19:00
GIZMODO