ユーザー急増Bluesky。新たに約23億円を調達

shutterstock_2409753525

Image: Koshiro K / Shutterstock.com

この1年で大きな成長を遂げたSNS「Bluesky」。10月24日、Blueskyは1500万ドル(約23億円)に及ぶシリーズAの資金調達を行なったことを、自社のウェブサイトで発表しました。

Blueskyの発表によると、今回の資金調達ラウンドは、Blockchain Capitalが主導し、Alumni Ventures、True Ventures、SevenX、DarkmodeのAmir Shevatも参加したとのことです。

この発表では、サブスクリプション、支払い、その他の新機能など、将来的なアップデートに関する内容もほのめかされています。

一方、暗号通貨の本格的な採用は検討されておらず、プラットフォーム上でトークンやNFTを推進する計画もないことが強調されています。

同社はリリースで以下のように述べています。

Blueskyアプリと分散型のSNS、ATプロトコルが、ブロックチェーンや暗号通貨を使用していないという事実は変わらず、私たちはソーシャル体験をトークン、暗号取引、NFTなどを通じて過剰に金融化することはありません。

イーロン・マスクの「X」で何らかのトラブルが起きるたびに、Blueskyはユーザー数を拡大してきました。Blueskyは過去1か月で300万人のユーザーを増加させ、ユーザー数が1000万人から1300万人に急増しました。ブラジルでのマスク氏の法的問題や、Xのブロック機能の仕様変更が大きく関係しているとみられます。

Xと同等の機能に。さらなる拡張を模索

では、新たな資金調達を迎え、Bulesukyはどのように進化していくのでしょうか。Blueskyでは最近、ダイレクトメッセージや動画のような機能を導入し、Xが提供している機能に近づきつつあります。さらに、より高品質な動画のアップロードや、プロフィールのカスタマイズ用のサブスク提供など、より大きな機能拡張も計画されているようです。

しかし、BlueskyのCOOであるローズ・ワン氏は、Xのように、青いチェックマークを月額8ドル(約1,250円)で購入するような形の有料機能を導入し、ユーザーに序列を作ることはしないと述べています。

Paid subscribers won’t get special treatment elsewhere in the app, like upranking premium accounts or blue checks next to their names. We won’t sell your data. And we won’t hyperfinancialize the social experience (through tokens, NFTs, etc.).

— Rose (@rose.bsky.team) 2024年10月25日 5:45

Blueskyは20人のコアチーム、モデレーター、サポートエージェントによって運営されています。最大のコストはチームとインフラストラクチャです。サブスクリプション収益は、アプリの改善、開発者エコシステムの拡大、そして従来の広告に依存しないビジネスモデルを検討するための時間に使われます。

と、ワン氏。

クリエイターの報酬獲得システムは吉と出るか?

また、同社はクリエイターが支払いを受けられるようにする決済システムの開発にも取り組んでいますが、その仕組みに関する詳細はまだ明らかにされていません。マスク氏も、2022年にXを買収して以来、アプリ内決済システムを導入することに触れてきましたが、まだ実現はしていません。

クリエイターペイメントに関しては、Bluesky内でも賛否両論あるのも事実。「お金を稼がなくてはいけなくなることは、Blueskyを破滅に向かわせるでしょう」と、Ars Technicaのシニアゲーミングエディターであるカイル・オーランド氏は述べています。

If anything ruins Bluesky, it's gonna be the need to make money

[image or embed]

— Kyle Orland (@kyleor.land) 2024年10月25日 6:41

SNSの勃興と衰退のサイクルを意識するBluesky

これまでのSNS市場では、「MySpace」や「Friendster」のようなサービスが登場しては消えていくということが繰り返されてきました。一方昨今は「Facebook」による「Instagram」や「WhatsApp」の買収といった統合や、Metaによる「Threads」の立ち上げといった大企業による類似サービスの展開などの動きが目立つようになっています。

Blueskyのポール・フレイジー氏は、こうしたサイクルを踏まえ、Blueskyも永続的なサービスではないことを前提に、サービスを移行できることを考慮した設計にしていると述べています。

フレイジー氏は、Blueskyのクリエイターたちに対し、自分のウェブサイトやニュースレターにオーディエンスを誘導すべきだと述べています。その理由として、たとえば5年後にBlueskyが失速したとしても、オーディエンスを失わないためであると伝えています。

Blueskyのチームもこうした意見に同意しています。できれば5年ではなく、少なくとも10年はよい年を迎えたいと思っているものの、SNSには興隆と衰退のサイクルがあることも認識されています。

述べています

If you're curious why everybody's username is a domain, it's because every user is essentially a website

— Paul Frazee's Monster (@pfrazee.com) 2024年10月21日 10:20

Blueskyが今後も急速な成長を続けられるかどうかは不確かです。しかし、2023年9月に100万人であったユーザーが、現在1300万人以上に跳ね上がったことは、世間が新たなSNSの選択肢を求めていることを証明しています。

「日を追うごとに、オープンなソーシャルネットワークの必要性がより明確になっています」と、Blueskyは木曜日の発表で述べました。

私たちは、単なる新たなSNSを提供しているのではなく、ユーザーに自由と選択を与えるネットワークを構築していることに、とても興奮しています。

ジャンルで探す