Alienwareの新作ゲーミングヘッドホン、悪くないけど個性も弱め

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Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

今月発売されたAlienware(エイリアンウェア)の新作ヘッドホン「Alienware Proワイヤレスゲーミングヘッドフォン」。50mmドライバーを搭載、デュアルマイクAIノイキャン機能&ACN機能(アクティブノイズキャンセリング)を載せたプロeスポーツ選手の意見から設計されたというアイテム。

日本での価格は1万9800円公式ストアなどで販売中。

多種多様なヘッドホンをレビューしている米Gizmodo編集部が使ってみました。以下、Kyle Barr記者によるレビューです。いわく悪いところはないけれど、Alienwareぽさがなくなってきたような…。


デスクトップのAlienware R16やノートPCのAlienware m18 R2など、昨今のAlienware製品はUFO(エイリアン)ぽさを抑えたモダンなデザインになっており、Alienware Proワイヤレスゲーミングヘッドフォンも同様。見た目も装着感も良く、ゲームの音も良し。ただ、それは同時に個性がなくなっているととることもできるわけで…。数多くある他のヘッドホンとの差別化が難しくなっている気もします。

デザインは洗練されていてモダン。間違いなくいいデザインです。しかし、同じAlienwareのヘッドセットでも、「Alienware Tri Mode ワイヤレスゲーミングヘッドセット」と比べると…。エイリアンは光ってこそ、目立ってこそというファンは、物足りなさを感じちゃうかも…。

エイリアン個性はさておき、装着感はめちゃくちゃいいんです。一生ずーーーーっとゲームしてようぜ!という精神のもとに作られてるなって思えるほどの着け心地。ヘッドホンは折り畳めたり、イヤーカップが取り外せたりがないので、持ち運びには不向き。つまり、家でずーっとゲームしてようぜ!という仕様ですね(今はPCゲームのモバイル端末も増えているので、昨今の流れとのすれ違いも感じます)。

家の中でも外したらわかる場所に置いておかないと、踏んづけたら終わりそうで怖い。こういうところ、ちょっと昔のゲーミングヘッドホンを彷彿とさせますね。

いいゲーミングヘッドホンの条件は3つあると思います。

1つめは長時間プレイに耐えられる装着感の良さ

2つめはゲームの効果音や音楽を楽しめるサウンドクオリティ

3つめは一緒にプレイする人に自分の声がきちんと伝わるか

これでいうと、Alienware Proヘッドフォンは3つすべてを完全クリア。特に装着感の良さは群を抜いています。なのに、万人にお勧めできるヘッドホンではありません…。

持ち運びを躊躇する大きさ

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Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

Alienware Proワイヤレスゲーミングヘッドフォンの最大の魅力は、着けていることを忘れてしまう装着感の良さです。ヘッドホンの存在を忘れた上に、ANCをONにすれば、ゲームへの没入感はかなりのもの。フェイクレザー仕上げのヘッドバンド&イヤーカップなので、重さもわずか315g

何が不満か。それは先述したポータビリティのなさ

イヤーカップは外すことも、折りたたむこともできません。ヘッドホン自体の作りは非常に頑丈で、多少引っ張ったり叩いたりしても大丈夫そう。とはいえ、通勤通学でバックパックの中に無造作に入れておく勇気はありません。

となるとケースが必要で、折り畳めないからそこそこケースもデカくなり、結局持ち運びには向かないよねって話。ただ、Alienware自身も丈夫さを重視して作ったという話なので、そもそもモバイル性のプライオリティは低いアイテムなのでしょう。

取り外し可能なブームマイクがあり、これは左のイヤーカップの3.5mmソケットに付けます。この手のマイクはヘッドセットとしては優秀なのですが、デスクの上が片付いていない私のような人にとってはなくしそうで怖い。

つけ外しというのも、ポータビリティの低さに繋がるかもしれません。無くしたり、忘れたりさ。

実際、このブームマイクを外した際、オフィスに忘れて帰宅してしまいました。プレイするゲームによっては、マイク忘れてきたなんて命とりですよ…。マイク不要なゲームがメインの人は、最初からどこかに片づけておくのがいいでしょう。あと、マイクに関してはもう1つ。取り外そうと思ったら、ヘッドホン外さないとうまく外せないんです。

例えば、同じゲーミングヘッドホンだと、SteelSeries Arctis Nova 5は、マイクが伸縮型なので持ち運びしやすく、無くす心配もありません。ただ、頑丈なのは圧倒的にAlienware Proなので、そこは天秤にかけてどちらが自分向きかという話。

接続はBluetooth, 2.4 GHzまたはUSB-Cの有線。ANC用のボタンあり。ちなみにUSB-Cのドングルが同梱されており簡単に接続できますが、使うと自動的にAlienware Command Centerがパソコンにインストールされます。

バッテリーもちは、ANCオフで最大75時間! ANCありで35時間。家&職場でこのヘッドホンだけを(結構な時間)使っていましたが、レビュー期間の1週間で充電したのは最初の1回のみでした。公式いわく、15分の高速充電で8時間音楽視聴可能。

PC以外の対応端末は、PlayStation 4、PlayStation 5、Nintendo Switch。残念ながらXboxユーザーは他をあたってください。

サウンドクオリティは普通です

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Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

グラフェンコーティングの50mmドライバーに不満なし。ゲームでも動画でも、音を存分に楽しむことができました。『フロストパンク2』をプレイしましたが、壮大なサウンドを感じました。『メタファー:リファンタジオ』をSteam Deckでプレイしましたが、ヘッドホンなしよりも圧倒的にストーリー・世界観を感じることができました。

1つ気になることと言えば低域かな。『Warhammer 40K: Space Marine 2』をプレイしたところ、低域の甘さからパンチにかけた印象を受けました。ただ、低域が弱いわけではなく、あくまでも強くはないという話。高域や中域は不満なし。

音量調整はちょっとコツがいるかもしれません。スピーカーの音が基本大きめな気がします。高域が耳に響かないよう音を下げると、BGMの低域が失われがち。自分にとってのいいバランスを探るのが難しかったですね。

とはいえ、サウンドクオリティ全体でいうと、よっぽどのサウンドマニアでなければ、特に気になるところはありません。

一方でマイクは普通。特筆するところがないレベルの普通。Discordでゲーム友と話したり、Google Meetで同僚と話したけど、いずれもきちんと聴こえたとのこと。ただ、ポッドキャストで番組配信となると、そこまでのクオリティはないかな。マイクのノイキャン性能は良くて、自分の声を録音して聴いてみましたが、歪みは感じませんでした。

ANCも仕事すべき場面(職場や通勤中のうるさい通りなど)ではしっかり仕事してました。トランスペアレントモードがあり、これを使うと近くで話している人の声が(イヤーカップでこもってはいるけど)聴こえます。パッシブノイキャンのみだと、甲高い音よりも人の話し声などの中域に効いてます。ちなみにゲームしているときは、ずっとANCオンでした。むしろ切る理由がないのでね。

トータル的にはおうちゲーマー向け

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Photo: Kyle Barr - Gizmodo US

ゲーマーにとって安定感があり、価格に期待する通りのヘッドホン。頑丈な作りでめちゃくちゃ装着感いいけど、その変わりにポータブル性はなくなります。サウンドクオリティも良く、価格に見合っていますが、今後のソフトウェアアプデ次第ではもっと良くなるかも?

Alienwareの製品として見ると、個性に欠ける印象。家でゲームする以外ではあまりメリットを感じないものの、Alienwareらしくゲーマーにターゲットを絞ったととることもできます。家でゲームする時間が長い人にとっては最高のアイテムです。

いいところ:着けていることを忘れるほどの装着感の良さ。価格に見合う良音。安定感のある作りで頑丈。

残念なところ:(折りたたむとかできないので)持ち運びには向かない。マイク品質が普通すぎるくらい普通。

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