作って飛ばして楽しい!ドローンの魅力に迫る「夏休みドローン教室」が開催されました

Photo: 山田ちとら

世界にひとつしかない、自分のオリジナルドローンを作って飛ばしてみたくないですか?

「ドローン」と一口に言っても、その姿かたちは千差万別。光るもの、速いもの、センサーやカメラを搭載したもの、荷物を運べる大型なもの…。これらはフレームやパーツを組み合わせて、自分でイチから作り上げることも可能なんです。

でもそもそもどんな種類のドローンがあるの?どうやって組み立てて、どうやって操縦するの?

このようなドローンにまつわる疑問に答えてくれるハンズオンなワークショップが、8月25日(日)に渋谷区のBOOK LAB TOKYOにて開催されました。題して「夏休みは本格的なドローンパイロットになろう!」。

大学時代はドローンレーサーとして活躍、現在はドローン撮影やイベント運営を営み、NannyMEアンバサダーでもあるえりんぬ︎さんとギズモード・ジャパンが共催したこのイベント。小学2年生から50代までの幅広い年齢層が32名集まり、和やかな雰囲気の中でドローンざんまいな1日を過ごしました。

えりんぬ(中川絵梨)さん

慶應義塾大学SFCにて空撮/ドローン製作を研究。 ドローンレースに熱中し休学、複数企業スポンサーシップを得て全国大会(JDL)Expertクラス準優勝、女性初のプロクラス入りを果たす。 在学中に空撮業を開始し、2020年より個人事業主としてMVやWebCM撮影に携わる。卒業後株式会社リクルートに入社、副業にて撮影業継続したのち退社。現在は独立後法人化し、撮影やドローンの講師、イベント運営等を行う。 NannyME公式アンバサダーとして子供向けにドローンの授業を実施中。

https://erinnufpvdrone-official.studio.site/

ドローンのパーツを詳しく知ろう!

まずはドローンの基礎座学から。

西村ゆきをさん扮する「ドローン博士」が、えりんぬさんと一緒に「ドローン島」を案内するという設定で、ガチな内容をわかりやすく説明してくれました。

ドローン島の住民に配られたのは、この手のひらサイズのトイドローンです。

「今回みんなにはトイドローンを飛ばしてもらいます。これの飛ばし方をマスターすれば、他のドローンもほぼ同じ飛ばし方なのですごく練習になる」とえりんぬさん。実際に飛ばす前に、まずはドローンの各パーツの説明を受けました。

電波を発するコントローラーなどは、国内の技術基準に適応していることを表す「技適マーク」があるかを確認

さらに踏み込んで、ドローンに関するルールの話も。おもなものをまとめると…

電波に関する法律:ドローンの映像を受信して操縦するにあたり必要な電波の扱いについてのルール。FPV(ファースト・パーソン・ビュー)操縦などで特殊な電波を使う場合、アマチュア無線の資格が必要になります。

飛行地域に関する法律:人口密集地や空港の近辺など、ドローンの飛行に申請許可が必要な場所についてのルール。条件や環境によって必要な申請があります。

ドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)について:100gを超えるドローンは、クルマのナンバー登録のように、国土交通省に機体の登録が必要となります。また、飛ばす前に飛行場所や用途について申請が必要になります。

それと、「バインド」という言葉について、こんな説明がありました。

「バインドとは、コントローラーとドローンをつなぐ作業です。つなぐ時に、今日は順番に声をかけながらやります。一度にみんなが電源を入れてつなごうとすると、他のドローンにつながって事故になったりもするので」(えりんぬさん)。なるほど〜。

ドローンを組み立ててみよう!

実際にトイドローンを飛ばす練習とあわせて、組み立て作業も体験。

まずはドローンのパーツが描かれた図面に線を引いて、どのパーツをどう繋げるかを理解する作業が行われました。

そして、いざトイドローンのコントローラーに電池を入れて、電源をONに。会場のそこかしこで電子音が鳴り響き、いよいよドローンを飛ばす期待が高まっていきます。

えりんぬさんが飛ばし方を実際に披露すると、子どもたちの目はドローンに釘付けに。次々と自分のドローンを飛ばし始めると、みんなに笑顔が広がっていきました。

「ドローンを飛ばすのは初めて」という方が多かったぶんだけ、飛ばす喜びもひとしおだったようです。

ドローンをハンダづけしてみよう!

お昼休みを挟んで、午後には半田付けとドローン操縦の練習。半田ごての温度は300度ぐらいまで上がるので、ゴーグルと軍手を使っての慎重な作業となりました。

4つあるモーターから中心部のフライトコントローラーへ、それぞれ3本ずつモーター線を半田でつないでいきます。

すべてのモーター線をつないだら、バッテリーや他のパーツも接続・固定。パソコンに接続し、モーターが動くかどうかをプログラムを走らせてテストしてみました。

無事4つのモーターが動き始めると歓声が上がり、思わずチームメイト同士でハイタッチ!実践的な取り組みならではの充実感を味わえた方も多かったようです。

一方で、半田付けを終えたチームはひたすらドローン飛行の練習に勤しんでいました。トイドローンが会場中を飛び交う音はまるで蜂のよう。「バインドしまーす」の声も頻繁に上がっていました。

ドローンレースを体験しよう!

ワークショップのハイライトとなったのは、やっぱりドローンレース!

リレー形式のチーム戦が行われ、まず先頭の5名が順番にバインドしていきました。バインドをし終えたら、えりんぬさんとドローン博士の「3, 2, 1, GO!」の掛け声に合わせて一斉に離陸。ゲートを一度くぐって、戻ってきたらホバリングしたまま次の人にコントローラーを渡し、最後の人がドローンを着陸させて、チーム全員がしゃがんだら勝ちです。

「困ったら緊急停止だよー」(えりんぬさん)

「行けー!」

あきらめんな〜〜!!

みんなが手に汗をにぎる展開に。レース後の感想を聞かれた参加者は口々に「楽しかった」、「緊張した」、「ほかの皆さんがすごく速くて、見れてよかった」と話していました。プロレーサーも「本当に初めて飛ばしたのかなって思うぐらい」と驚くほどの熱いレース展開でした。

ドローンと働く人の話を聞こう!

レース後の興奮も冷めやらぬ中、次に行われたのはプロフェッショナルとしてドローンに関わるお仕事をしている方々のプレゼンとQ&Aセッション。

登壇者には某IT企業にてドローン配送をサービス化すべく企画戦略に携わっていらっしゃる松本麻希さん、JDLエキスパートクラスで優勝した経験がある若干14歳のプロドローンレーサーの伊丹弦さん、ドローンショーをプロデュースし、自らドローン開発に携わっている門前龍汰さん、世界初のエジプトのピラミッド3D計測チームに従事し、その後会社を立ち上げエジプト全土の遺跡や世界中の遺跡や沈没船などの3Dスキャンを進めている市川泰雅さん、ドローンゲームを仲間と開発しているHiroさんがそれぞれのドローン愛とドローンにまつわるお仕事事情を説明してくださり、非常に興味深い内容でした。

ドローンの未来を想像してみよう!

クロージングとして、「未来のドローン空想タイム」が設けられました。

参加者それぞれの想像力をふくらませて、10年後のドローンはどんな姿なのか、どんな仕事を担っているのかなどを発表。10年後の自分の姿にも思いを馳せる、楽しい作業となりました。

最後はドローンやモバイルバッテリーなど豪華な賞品をもらえるじゃんけん大会が行われました。

ドローンって、楽しい!

240830_droneworkshop_groupphoto

丸一日にわたってドローンと一緒に過ごしたワークショップは、笑いあり、発見あり、達成感ありの非常に充実した内容でした。

実は、ギズモードが過去に行ったドローン教室には、日本を代表するドローンレーサーである山本悠貴さんも参加していたんですよね。今回の参加者の中から、次のスターが誕生する日が来るかも。

ジャンルで探す