Apple Vision Proのライバル?MetaのVRヘッドセットは安価モデルに注力

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Image: Meta

Metaが手がけるVRヘッドセットで人気なのは、高位機種のMeta Quest Proよりも、その半額程度の基本モデルMeta Quest 3だそう。Metaのエラい人たちも、今は高額ハイスペックのヘッドセットの時期ではないと考えているようです。

高位機種不要説

Metaが開発中と噂されるAR/VR端末は、ARグラスも含めると複数あります。ネタ元のThe Informationによれば、その中の高位機種にあたるProモデル、コードネーム「La Jolla」は開発中止が決まったといいます。2027年を目指していたこの高位機種はひとまず止めて、その分2026年リリースが予定されている基本モデル「Meta Quest 4」に注力していくのだとか。

Meta高位機種がライバルとして見据えていたのはApple Vision Pro、高額&高スペックジャンルのヘッドセットです。Apple Vision Proの対抗馬として、価格を1,000ドル(約14万4000円)弱に抑えるのを目標に開発。しかし、マイクロOLEDディスプレイを搭載するという計画をその価格帯では不可能と判断したようです。

Metaのエラい人も認めた?

The Informationの報道後、MetaのCTOであるAndrew Bosworth氏が、報道についての意見と思われる投稿をThreadsに公開。いわく

開発中の試作品は常に多くあるものの、そのすべてが生産までいくわけではない。前進するものもあれば、諦めるものもある。1つの決断に関する話を元にしただけで、全体像がわかるはずはない。

と、非常に冷静なコメントです。

築けMRエンパイア!

MetaのMR(AR/VR)ヘッドセット開発を担うのはReality Labs部門。今年第1四半期に38億ドル(約5573億円)第2四半期は45億ドル(約6615億円)と、膨大な金額がここに注ぎ込まれています。

先行投資とも言える資金をうまく回す術は、たぶん2つ。1つはMetaのVR向けソフトウェアReality OS。他社がこのOSをベースにヘッドセットを開発を始めており、VR世界・メタバースの世界が大きく展開していけば、RealityOSで1つの帝国が築ける可能性も…

そしてもう1つは、自社が開発するヘッドセットの見極め。Apple Vision Proの売れ行きから、高額なハイスペック端末にまだ消費者はついてきていないと判断したのでしょうか。Apple Vision Proの3,500ドル(日本価格59万9800円から)はもちろん、Meta Quest Proの1,000ドル(約14万4000円)もまだ高い…。その結果、今回のハイスペック新モデル見送りの決断に至ったのでしょうか。

AppleのVision Proの対抗馬にふさわしいのは、高額ハイスペック端末ではなく、低価格の基本モデル。まずは、手の届きやすいモデルから市場そのものを拡大するのが優先、ってことかな。

Source: The Information

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