宇宙葬打ち上げ失敗。120人分の「遺灰が入ったカプセル」がバラバラに散る

Gif: KVIA-TV/Gizmodo US|およそ3秒で爆発

2023年5月23日の記事を編集して再掲載しています。

UP Aerospace社(米コロラド州)が1日打ち上げたCelestis(セレスティス)の宇宙葬「オーロラ・フライト」のロケットが離陸直後に爆発し、NASA元宇宙飛行士を含めた故人120人の遺灰カプセルがニューメキシコの砂漠に飛散、再度仕切り直すこととなりました。

KVIA-TVによれば、爆発したのはUP Aerospace社の準軌道ロケット「SpaceLoft XL(スペースロフトXL)」。2023年5月1日昼にスペースポートアメリカから打ち上げられたのですが、点火から3秒ほどで不具合が生じて空に散ってしまったもようです。

遺灰の主には、科学者のLouise Ann O’Deenさん、電波物理学者兼宇宙飛行士のPhilip K. Chapmanさん(2021年4月逝去)もいました。

このうちChapmanさんは豪メルボルン出身で、NASA宇宙宇宙飛行士の控えの第2グループ「Astronaut Group 6」に選ばれた初のオーストラリア系アメリカ人。

宇宙には一度も飛ぶことなく生涯を終えましたが、1971年アポロ14号月面着陸ミッションを陰で支えた立役者です。

遺灰になって宇宙をさまようことで積年の夢を果たすつもりが、大気圏でつまずいてしまうとは…。

遺灰が砂漠に散ってしまったわけじゃない

ただ幸い宇宙葬サービス会社のCelestis曰く、遺灰カプセルにはほんのしるし程度の遺灰やDNAサンプルしか入っていないらしく、カプセル120個は爆発の衝撃にも耐えて無傷で回収されたとのことです。

打ち上げを請け負うUP Aerospace社と事故原因の究明と必要な補修作業が済み次第、次回の打ち上げに回すそうです。

仕切り直しっていくらかかるの?

いちおう1回目が失敗すると2回目はフリー(無料)で、追加費用はかからない契約です。

次の便は「2024年打上予定のパーシビアランス(パーシー)・フライト」(66万円)だとCelestis公式ページでは発表されています。

宇宙葬.comにある日本市場向け料金で比べると、5月に予定された「オーロラ・フライト」(49万5000円)より税込で16万5000円高い便で仕切り直しとなります。差額はサービスなのかな。

ロケットにはこのほかにもNASAの学生実験公募「TechRise Student Challenge」で選ばれた117のペイロードのうち13点が積載されていましたが、そちらは回収できません。次回は次回で、また公募をやる!ってNASAは言ってますよ。

いずれにしても、これだけの爆発でも遺骨カプセルが無事って、どういうカプセルなんでしょうね。

外宇宙までさようなら~! というプランもありますが、そうじゃない宇宙葬では地球に戻ってきますし、大気圏に再突入するときにはどうせ燃え尽きてしまうわけですけどね。

打ち上げの爆発では無傷で、再突入の摩擦では完全燃焼して宇宙ゴミにならないって、すごい。

海洋汚染から学べ。スペースデブリ衝突で飛行機を墜落…させないために

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