石器時代はキスするのも命懸けだった

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キスするのも命懸け。

石器時代を生きるのはタフでした。獰猛な捕食者が襲ってくるし、食料確保のために命をかけないといけなかったし、水は汚染されていたし、食中毒だって頻繁に発生していました。

しかも、キスするだけで細菌性中毒のリスクがあったみたいなんです。IFLSが伝えました。

660種類の微生物

ストックホルム大学とスウェーデン自然歴史博物館の研究チームが、石器時代のスカンジナビアに生息していた病原性微生物を調査しました。古代狩猟民と新石器時代の農耕集落の38人のマイクロバイオーム(ヒトの体に共生する微生物)を分析した結果、660もの微生物が同定されたそうです。

最も多かったのが、エルシニア・エンテロコリチカと、サルモネラの2種類。これらは加熱が不十分だった肉や、便に汚染された食品による食中毒に関連する細菌として知られています。

今なら脱水症状を防ぐために点滴をしたり、抗生物質を投与したりして治療できますが、石器時代は致命的だった可能性もあるでしょう。

キスで髄膜炎やヘルペスが広まった

そして髄膜炎の原因となる髄膜炎菌と、単純ヘルペスウイルス1型も検出されました。これらはキスなどの接触で広まります。

まず、髄膜炎ですが、この細菌は人口の約10%の喉や鼻腔に生息していて、健康な人ならば無害ですが、免疫力が弱いと重症化することがあります。

最近でも2022年にフロリダ州で髄膜炎が流行しており、ゲイとバイセクシャルの人たちを中心に26人が感染、少なくとも7人が死亡しました

ヘルペスも珍しい病気ではなく、今でも世界人口の67%が感染しているそうです。

ちなみにキスの歴史は古く、約4500年前にはキス文化があったと判明しています。古代メソポタミアの粘土板にも記録されており、主に夫婦間で交わされていたようですよ。


現代でも、人と接触して広まる感染症はたくさんあるし、フロリダのケースのように命に関わることもあります。でも、石器時代と比較すると治療薬があったり、予防できたりするので、リスクが違いますよね。昔は大変だったんだなぁ。

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Source: IFLS

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