Qualcommの「Snapdragon 855」登場。これが2019年のAndroidにもたらすものとは?

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Image: Qualcomm

2018年12月6日、Qualcomm(クアルコム)が今年最後で最新となる「Snapdragon 855」を発表しましたね。

これまではあまり詳しい内容については触れられてきませんでした。モバイルのプロセッサについてはわかりにくく、フォローするのが難しいのですが、世代が変わるごとに、バッテリーの寿命だとか、パフォーマンスが上がるとか、拡張VRに対応するだとか、なにかしらよくなるということはなんとなくわかりますね。

その上、来年のスマホはSnapdragon 855プラットフォームに基づくものが中心になりそうです。ということで、Snapdragon 855が2019年のスマホにどんなことをもたらすのかをまとめてみました。

基本について

iPhone XSとMate 20には7nmチップが搭載されていますが、最新の7nmアーキテクチャに基づいて構築されているQualcommは、Apple(アップル)のiPhone XSにもHuawei(ファーウェイ)のMate 20にもひけをとらない重要な更新を加えています。

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チップの中身を見てみると、最新のKryo 485 CPUとAdreno 640 GPUを載せています。またAI処理と機械学習をさせるHexagon 690プロセッサを載せ、画像や動画のキャプチャをつかさどるのにSpectra 380 ISP(画像信号プロセッサ)を採用しています。それぞれのチップのコンポーネントは異なるタスクを処理するために設計されているものですが、 多くの場合はそれらが絡み合って、スマホ画面にその結果を反映させています。

パフォーマンス:バッテリー寿命が長持ち

これくらいわかりやすいアップデートは他にありません。Snapdragon 855をSnapdragon 845と比較すると、45%も全般的なパフォーマンスの向上が期待できます。さらにグラフィックのパフォーマンスは前世代と比較して20%向上するとされています。Qualcommによればワットごとのパフォーマンスは「業界を牽引する効率性」とのこと。たとえば動画のストリーミングの機能性が向上することが期待できます。Qualcommによれば、Snapdragon 855をSnapdragon 845と比較すると4K/60fpsのコンテンツを再生した場合の電源消費量は30%低減されるとのこと。

とりいそぎ数字だけで判断することはできませんが、Qualcommの主張が本当だとしたら、これから出てくるスマホは数時間もバッテリーのもちがよくなる計算となります。

接続性: 5Gはすぐそこに

5Gネットワークはもうすぐそこまで迫っています。すでに利用開始されている地域もあるかと思います。 Qualcommがこの5G対応を見逃すはずはありません。超高速ネットワーク時代への突入です。ですが、必ずしもSnapdragon 855を搭載したガジェットが5G対応とはかぎらないでしょう。

デフォルトでは、Snapdragon 855はQualcommのCat 20 X24 LTEモデムが採用されています。これは、 最大2Gbpsのワイヤレス速度に対応しています。 4x4 MIMOや複数のLTE搬送波を同時に用いて通信を行なう次世代通信である キャリアアグリゲーションにも対応していますが、4G LTEサービスのみに限定されています。

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メーカーが5G対応の機種を実現したければ、 QualcommのX50 5Gモデムを採用するという手もあります。これにより速度は一気に6Gbpsにあがります(ちなみに現在のアメリカのモバイルデータ通信速度は平均で送信27.3MBps、受信が8.7MBpsとなっています)。

またSnapdragon 855は最大2MbpsのBluetooth 5.0接続もサポートしています(ワイヤレスヘッドホンやスマートウォッチはこれにより大きな恩恵を受けます)。また「802.11ax」や「802.11ay」と互換性のある Wi-Fi 6 にも対応することになります。とにかくあらゆるWi-Fiへの接続が可能になるプロセッサということです。 Qualcommは常にネットワーク系ではすぐれた実績がありますので、Snapdragon 855の接続性は確実によいものであることが予想されます。ちなみにAppleでは、5G対応のiPhoneは2020年までは出ないとしています。

イメージングおよびディスプレイ

今やスマホにはカメラは欠かせません。Qualcommのイメージング機能はこれまでになく要求の高いものとなっています。Snapdragon 855ではSpectra 380 ISPが採用されており、深度情報などのよりすぐれたキャプチャにより、物体を認識してカテゴリ分けするというコンピュータビジョンと呼ばれる機能が使えるようになるのだとか。またビルトインのグリーンスクリーン機能により、リアルタイムで被写体と背景を切り貼りしたりできるようになるようです。

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さらに、QualcommによればSnapdragon 855はポートレードモードで4K HDRビデオキャプチャをサポートする初のチップとなるとのこと。新しいHEIFファイルフォーマットにも対応するため、ユーザーはバースト撮影やライブフォトスタイルのGIFなどをさらに活用できるようになり、用途の幅が広がります。またファイルサイズもぐっと小さくなります。HDR 10+でのビデオ録画、プレイバックの両方でサポートすることにより、Snapdragon 855を載せた端末ではよりビビットでカラフルな画像や動画、ゲームが可能となります。

AI、ゲーム、その他もろもろ

どうですか、それほどすごくないって? でも、Snapdragon 855ではその他にもさまざまなメリットをもたらしてくれるんですよ。Qualcommによれば、Snapdragon 855は8K解像度のVRヘッドホンに対応できるとしています。ワイヤレスではなさそうですけどね。

またH.265やVP9デコードにより、よりエネルギー効率のよいストリーミングが可能となり、音楽のストリーミングもよりリアルなサウンドになりそうです。QualcommのaptXアダプティブオーディオコーデックとさまざまなAIの導入により、 Hexgon 690プロセッサは第四世代のAIエンジンでSnapdragon 845の倍となるベクター処理が可能になることが期待できます。これでGoogleや機械学習関連はかなり向上が期待できそうです。

Qualcommの2018年Tech Summitでは、ゲーム体験を向上させるElite Gaming機能にも言及しています。この機能は実際の物体をスキャンすることでテクスチャを計算する物理ベースレンダリングが可能となるのです。フレームレートを90%も向上させ、レーテンシを低くするVulkan 1.1 グラフィックライブラリやカスタムアルゴリズムの対応も期待されます。

まとめ

いや~どれも興奮するようなものばかりでしたね。Snapdragonの新しいチップからは、いつも新しいものが飛び出します。 QualcommはSnapdragon 855にさまざまな機能を詰め込んでいますが、まとめるなら、このパフォーマンスを引き出すためには、Samsung(サムスン)や LGなどのそれぞれのスマホメーカーの端末の個別の性能にも注目すべきでしょう。可能性は無限大です。こらの性能をメーカーがどう引き出していくのか、2019年に期待しましょう。

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