無遅刻に定評のある航空会社「スカイマーク」 90%超える高い定時運航率の理由を聞く

航空会社を評価する基準のひとつに「定時運航率」があります。スカイマークはこれが世界的にもトップクラスに高く、定時運航には定評があります。どのように維持しているのか、その工夫を同社に聞きました。

2019年度累計ではスターフライヤーとデッドヒート

 国土交通省が2020年5月12日(水)に公開したデータによると、2019年10月から12月までの期間、全体の便数のなかで出発予定時刻以降15分以内に出発した便数の割合「定時運航率」について、客席数あるいは離陸重量で一定条件を満たす国内航空会社11社のなかで最も高かったのが、スカイマークです。

 この時期、全体の定時運航率平均が87.42%のなか、スカイマークの数値は96.05%です。2019年度通算で見ると、このランキング首位を、スターフライヤーと90%を超える高いアベレージで争っており、スカイマークは1%以内の差で2位です。2020年1月から3月期の数値によっては、スカイマークが逆転する可能性もあり、もしそうなれば、2017年度、2018年度に続いて3年連続の年間トップとなります。

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スカイマークのボーイング737-800型機(2019年、伊藤真悟撮影)。

 スカイマークの定時運航率は世界でも高評価のようです。航空情報会社であるイギリスのOAG社が2020年1月に発表した、2019年間の世界航空会社定時運航率ランキングにおいて、スカイマークは第3位に入っています。この高いアベレージを、どのように維持しているのでしょうか。

 同社の広報担当によると、この定時運航率を意識したきっかけは、2015(平成27)年1月に経営破綻をしたあとからだといいます。

「新しい会社の方針として、まず『安全性』その次に『定時性』が示されました。お客様の時間を大切にすることで、お客様の役に立つことを重要視しています」(スカイマーク 広報PR室)

 再建以前のスカイマークは、定時運航率はむしろ低い方で、たとえば2014年度のそれは83.75%と国内11社中10位でした。

運用や働き方にも定時運航率アップの工夫アリ

 スカイマークは2015年の再建開始直後、運航ダイヤ改正でその一部を見直したほか、羽田や神戸など、同社の利用者が多い空港の混雑を避けるべく、搭乗手続き開始時間を早めに、長めに設定するなどの方策を取りました。結果、再建開始から3か月後の同年4月には定時運航率90%を達成します。そして2020年現在にいたるまで、その高い数値をほぼ維持し続けています。

 現在のスカイマークは、広報担当者によると、いわゆる飛行機の「機材繰り」にも工夫をしているといいます。

「スカイマークは現在、ボーイング737-800型機のみを29機保有していますが、実は数機を予備機として常にスタンバイさせています。万が一、遅延が発生した場合、次の便が遅延を引きずらないように、その予備機を割り当てることで、次の便は定時で出発することができます」

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スカイマーク機の機内。JAL、ANAより運賃は抑え目ながら、シートの前後間隔は31インチとほぼ同じゆとりを持っているのも強み(2019年、伊藤真悟撮影)。

 また、スタッフの意識の部分でも、定時運航率95%という目標数値を掲げて、日ごろから次のような取り組みを行っているといいます。

「毎朝、経営陣や各空港の支店長が参加する『朝会』で、支店ごとに前日の定時運航率を発表し、その内容を全社員に共有します。また、定時運航率についての会議を週、月ごとに行い、大きく遅れた便については遅れた理由や改善点を、様々な部署の異なった目線から洗い出しています。高い定時運航率は、基本的なことを継続し改善を続けた結果と考えています」

 加えて、航空会社ではパイロットや整備士、CA(客室乗務員)や地上係員など各部門のスタッフが、同グループの別会社に所属しているケースも珍しくないなか、スカイマークは、各支店、各部門のほぼ全員が同じ会社の社員であり、連携がとりやすいことから、共通の目標に向けて動きやすいというのも特徴で、これが定時運航率の向上にひと役買っているそうです。

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