「業務時間外に連絡してくる上司」から逃げる方法
業務チャットでせっかくの休みを台無しにしないために
業務時間外に、上司からチャットで業務指示がくることに悩むことがあります。
そのことを誰かに相談した時に、「たかがチャットくらい」「気にしすぎ」「仕事の意識が低い」と言われることがありますが、部下にとってみればたかがチャットどころではありません。
業務時間外に上司からチャットが来れば、嫌でも仕事のことを考えてしまいます。退勤後にチャットが来れば、家に帰っても仕事のことが頭から離れなくなります。休日にチャットが来れば、楽しいひと時が一瞬で消えてしまうこともあります。
チャットを見ないと決めたとしても、「またくるかも」という不安が続き、気が休まりません。
誰からどのようなメッセージがくるかというのは、心の面でとても大きな問題なのです。
だから、あなたが気にしすぎなのではありません。
上司からチャットがくるという事実、気になるようなことが現実に起こっているのです。あなた自身も、気にせずに済むなら気にしたくないはずです。
仕事の意識が低いから、このように思うのでもありません。
業務時間外の仕事を求めるのは、上司の都合です。
急用ならまだしも、休日明けでもいいような内容だったり、自分が対応しなくてもいいような内容だったりすれば、うんざりして当然です。
本来なら、上司よりもさらに立場が上の人から「業務時間外の指示を送ってはいけない」と上司に直接指導してもらいたいところですが、現実には叶わないことが多いのではと思います。
でも、だからこそ、今できる手段を駆使して、あなたの時間を守っていきましょう。
上司は「連絡しやすい人」に連絡している
上司から業務時間外の連絡が来た時の対処法は、主に2つあります。
1.通知をオフにしてメッセージを見ないようにする
業務時間外や休日は、返信しないと自分の中で決めてしまいます。
無視するのは怖いかもしれませんが、最低でも3回は無視を貫いてみましょう。
心理学的にみても、たった1回だけ行動するよりも、3回続けて行動した方が、効果が出やすいことが分かっています。
2.「今から予定があるので、できません」とはっきり断る
上司も人間ですから、連絡しやすい人もいれば、連絡しにくい人もいます。
自分に逆らわない人、自分を攻撃してこない人、自分の要求を聞いてくれる人を選んで連絡をします。
つまり、あなたに業務外の連絡がくるということは、「あなたには連絡をしてもいい」と上司が判断しているということです。
「無視したり断ったりできれば、こんなに苦労していない!」と思う人もいるかもしれませんが、この2つは、そんな人にこそ試してみてほしい方法です。
このように思うのは、これまで上司の指示を我慢して受け入れてきた人だからです。この状況から抜け出すためには、連絡をしやすい人から「連絡をしにくい人」に変わるしかありません。
365日働き続けられないからこそ、休日があります。24時間働き続けられないからこそ、業務時間が定められています。
業務時間外や休日は、心と体を休めるために必要な「自分のための時間」です。
退勤後や休日に、上司からの要求を断るのは悪いことではありません。
無視したり断ったりすることは、今の自分に必要なことなのだと思ってみてくださいね。
取引先からLINEの交換を求められたら教えなければいけないのか
取引先の人から、LINEの交換を求められることがあります。
仕事専用のスマホが支給されているならまだしも、「プライベートで使っているスマホでLINEを交換するのは嫌だなぁ」と感じることもあるでしょう。
この状況であなたが優先すべきは、自分の本音です。
教えなくてはいけないのかと悩むなら、「この人にLINEを教えたくない」というのがあなたの本音です。親しくなりたいような素敵な相手なら、悩むどころか「やった!」と嬉しくなるはずです。
相手が苦手なタイプの人だったり、対応が面倒だと感じたり、プライベートと仕事を分けたいという人もいるでしょう。
ですが、教えたくない理由がなんであれ、あなたが教えたくないと思うなら、教えなくていいのです。
「仕事上のやり取りをしたいだけなのに」と、取引先から不満を言われることもあるかもしれませんが、プライベート用のスマホでLINEの交換をしてしまうと業務時間外にも連絡されかねません。
土日祝日関係なく仕事の連絡が来たり、業務に関係ないプライベートなメッセージがきたりする可能性もあります。
相手への罪悪感や申し訳なさから断れないような時には、「仕事上のやり取りだからこそ、普段業務で使っているツールでやり取りした方がいい」と考えてみてくださいね。
しつこくLINE交換を求められたら
断ってもしつこくLINEを聞かれることもありますが、そのような相手とは、なおさらLINEを交換すべきではありません。
そういった人の多くは、仕事上の理由からではなく、あなたへの好意や興味からLINEを交換しようとしているからです。
事実、「仕事に全然関係のないプライベートなメッセージばかり来て困る」という相談が後を絶ちません。
仕事上の相手だからこそ、プライベートなLINEの交換は断ってもいいのだと、自分の決断を信じてください。
相手に気を遣って仕方なくLINEを交換して、その後トラブルになる方が大変ですから。
断るのは気が引けるかもしれませんが、「後で大変な思いをするよりもいい」と自分に言い聞かせてみてくださいね。
(Poche : 心理カウンセラー)
06/20 20:00
東洋経済オンライン