「お相手にやる気がない」39歳婚活女性が抱く不満

高所得、高学歴のアラフォー女性が成婚できない3つの理由とは…(写真:metamorworks/PIXTA)
仲人をしている筆者の経験則から言うと、婚活をしてもそれがなかなか結婚に結びつかないのは、30代後半以降の女性たちだ。なぜ彼女たちは、婚活からの結婚が難しいのか。
仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて苦労や成功体験をリアルな声とともにお届けしていく連載。今回は、結婚できない30代後半女性たちの事情をつづりたい。

30代後半以上の女性が結婚しづらいのには、大きく分けて3つの理由があるように思う。

現役感満々、選ぶ気満々

1つめは、まだまだ現役感があり、“相手を選ぼう”という気持ちで婚活をしている。さらに女性が、高学歴、高年収で見た目もきれいだったりすると、その傾向は強くなる。

結婚の平均年齢は、男性31.0歳、女性29.4歳だ(総務省統計局が2022年に公表した2020年の数字)。男性で経歴がよく、仕事ができて、年収があり、コミュ力があると、この平均値前後で結婚をして家庭を築いている可能性が高い。

一方、女性は高学歴、高年収、見た目がきれいで、コミュ力のある人ほど、20代~30代前半は結婚をせず仕事や趣味に邁進してしまう。そして“そろそろ結婚しなきゃ”と思うのが、30代も後半に差し掛かった頃、もしくは40歳を過ぎてからだ。

やよい(39歳、仮名)は大学を卒業した後、大手企業で働いている。地方出身で一人暮らしをしているのだが、年収は1000万円近くあった。入会面談のとき、プロフィールを作るにあたって、こんなことを言っていた。

「学歴は大卒以上。年収もできれば同等か私以上ある方がいいです。あと、一人暮らしの経験がある方。実家暮らしの男性は、母親になんでもやってもらって当然という生活をしてきていますから、そこは避けたい。母親代わりにされるのは困ります。年齢も、プラスマイナス5歳くらいがいいです」

とはいえ、日本人の平均年収は、443万円(国税庁による2021年分民間給与統計調査)。日本で1000万円以上稼いでいるのは、男性が7.6%、女性が1.2%だ(2019年「国税庁調査」)。ここには既婚者も含まれているわけで、独身者として残っているのは、この数字の半数以下だと考えていいだろう。

さらに、男性というのは、高所得者ほどできるだけ年齢の若い女性とお付き合いしたい、結婚したいと思っているものだ。また、それができると過信している。アラフォー男性で1000万円を超える収入があったら、同世代の女性には目はいかない。20代後半や30代前半と結婚をしたがるのだ。

ただ、1000万円稼いでいる女性にしてみたら、年収400万円の男性には目が行かないだろうし、日常でのお金の使い方も違ってくる。やよいは、こんなことも言っていた。

「例えば温泉旅行に行くときに、たまにするぜいたくなのだから、1泊2万〜3万円の旅館に泊まって、おいしいものが食べたい。そんなときに“それは無駄遣いだ。安宿でいい”というのは、私の価値観とは合わない。そうかといって彼の分まで私が出して旅行をするというのは、ちょっと違う気がするんですよね」

“あるほう”が“ないほう”の分のお金を出す。“あるほう”が男性で、“ないほう”が女性ならば、これが成り立つのだが、アラフォー女性が育てられてきた日本の環境下と、親からの刷り込み教育のもとでは、お金がある女性がない男性の分を出すという夫婦関係は、なかなか成立しにくい。

そうなると、高学歴、高年収、コミュ力があって、見た目がきれいなアラフォー女性には、結婚相手になる候補者が極端に少なくなる。つまりお見合いしても、自分が気に入った相手がいないということになるのだ。

婚活よりも仕事を優先する

2つめの結婚しづらい理由は、とにかく仕事が忙しい。これは、40代の独身女性に多い傾向だ。

組織の中で、女性でも役職のついた仕事を任されるようになるのが、この年代。課や部の長、新人の教育担当、企画プロジェクトのリーダー就任など。一昔前は役職がついてリーダー的立場になるのは、圧倒的に男性が多かった。しかし、今の時代、仕事にやる気のない男性を昇格させるなら、やる気のある優秀な女性に任せたほうがいいと、会社も考えている。

さとえ(44歳、仮名)は、メーカーの課長職についている。33歳から4年間付き合った恋人がいたのだが、彼が地方に転勤となり遠距離恋愛になってからは、だんだんと連絡が途絶えるようになった。

そうなると気持ちも離れていき、2人で話し合った結果、恋人関係を解消した。そこから新しい相手を見つけようと思っていたが、出会いがまったくないまま43歳になった。

「ウィークデーは、家と会社の往復。たまに女友達と夜に食事しても、なんの出会いもない。20代や30代の頃は、女同士で飲みながらご飯を食べていれば、男性グループが『一緒に飲みませんか』と声をかけてくださることもありましたが、40歳を過ぎるとそれもなくなる。もう普通に生活していたら、出会いなんてないのだと悟りました」

これは、昨年入会面談に来たときの言葉だ。そして、「このまま1人で歳をとっていくのは寂しい」と言って、婚活を始める決意をした。その際、こんなことも言っていた。

「結婚したいという気持ちのある男性に出会っていくのが、結婚への1番の近道だと思ったんです。ならば、結婚相談所ではないかと。恋人が欲しい、遊び相手が欲しいという男性に出会ってその人と恋愛したところで、未来に結婚がなければ時間の無駄ですから」

こうして始めた婚活だった。最初は来た申し込みを積極的に受けたり、自分からも申し込みをかけたりと、とてもアクティブに活動をしていた。ところが、見合いしてもしても、なかなか自分から好きになれる相手に出会えなかった。

「結婚相談所にいる男性って、本当に結婚したいという気持ちがあるのでしょうか。交際になっても連絡を入れるのは、いつも私から。デートの約束をしても、場所も時間もお店も、すべてこちらに丸投げしてくる。やる気がまったく感じられません」

これは、相談所で活動したことのある女性なら、誰もが一度は思ったことがあるはずだ。

相談所にいる40代の男性、ことに初婚者は、こうした動けないタイプがとても多い。彼らの多くが、これまで恋愛らしい恋愛をしないままに歳を重ねてしまった。ゆえに、どう交際を進めていいのかわからない。デートにふさわしい店も知らない。だから、女性に丸投げしてしまう。

やはり男性が舵取りをしていかないと、結婚を前提とした交際はスムーズにいかない。逆をいえば、“恋愛の舵取りができる男性は、とっくに結婚している”のだ。

うまくいかないまま8カ月が経った頃、「活動を少し休みたい」とさとえから連絡が入った。

「今度、新しいプロジェクトを会社が立ち上げることになって、その責任者を任されたんです」

そのため、これまでも仕事が忙しかったのに、最近はさらに忙しくなったという。家に帰るのは夜の10時とか11時。夕食は会社ですませるので、帰宅したら風呂に入って寝るのだが、この間は、お湯を張ったバスタブの中で居眠りをしてしまった。

「湯船で溺れそうになって目が覚めたんです。こんな状況で婚活を続けるのは、無理がある。出会いよりも今はとにかく体を休めたいです」

こうしていったん婚活市場から降りた女性は、二度と婚活市場に戻ってこないケースが多い。

私に結婚は本当に必要なのか?

3つめは、婚活をしても出会えないでいる時間が増えると、“無理やり結婚しなくてもいいのではないか”という境地に陥り、婚活から離脱していく。

婚活をしたところで、そう簡単に結婚に結びつくお相手に出会えるわけではない。これは年齢を問わずに言えることなのだが、歳を重ねるほど出会いの数は少なくなっていく。少ないチャンスの中で、結婚できる相手を探すのは、これまた至難の業だ。

そうした環境の中で出会い続けていくと、婚活へのモチベーションが下がり、結婚すること自体に疑問を感じるようになる。

きよみ(47歳、仮名)は、婚活を始めて10カ月になる公務員だ。男性に媚びを売ったり、女性特有の色気のある仕草や言葉遣いをしたりするのは苦手なタイプ。なので、恋愛経験はあまりないのだが、男女問わずに友人は多かった。

そんな彼女が1年前に婚活を決意した。それは、こんな理由からだった。

「コロナで緊急事態宣言が出たときに、改めて家族やパートナーの大切さを知りました。私には信頼できる友人がたくさんいますが、行動制限がかかった中で友人に会うことはできなかった。一緒に過ごせるのは家族。親は地方にいたし、私は一人暮らしだったので、時間を持てあましたし、本当にさみしかった」

そうして始めた婚活だったが、1年後にそれはこんな思いに変わった。

「人と会うのも話すのも好きなほうなんですが、婚活の出会いは、そうした自然な出会いとはまったく異質なもの。“この人と結婚できるか否か”という前提で会うので、自分をどう売り込むか、また相手をどうジャッジするかと、なんだか全然楽しめなかった。それに、お見合い後に交際に入っても、“その人のことをもっと知りたい”とか、“一緒にいて心地よい”とか感じる人はいませんでした」

きよみは公務員をしているので、一人で暮らしていける給料は毎月稼いでいる。貯金も人並みにある。年金暮らしになっても、ぜいたくをしなければお金に困ることはない。

「“結婚できる相手に出会えるまで、この婚活を続けるのがしんどい”というのが正直なところ」と、きよみは言う。

「そこまで結婚したいのか?と自問自答したら、私にとって結婚が絶対ではないのがわかった。今後は自分が好きなことをしつつ、そのなかでいい人に出会えれば、そのときは考えるし、出会えなければ1人で気ままに生きていくのもいいかなと思っています」

40代、50代になって婚活を始めた女性が、苦戦した揚げ句、たどり着くのが「私にとって、結婚することがそんなに必要か?」という境地だ。

それまで1日24時間の時間を、仕事の時間以外、自分で好きに使ってきた。年齢を重ねるほどに、自分が好きなもの、嫌いなものがはっきりとしてきて、心地よいライフスタイルを送るようになっている。それは、男女ともそうだろう。

ライフスタイルが出来上がった者同士が、お見合いを経て交際に入ったとしても、やはり生活をしていくうえでの考え方や、お金の使い方が違うので、うまくいかないことが多い。

ひと昔前は、結婚をしていないと、どこか一人前の大人として認められないような感覚があった。ところが、現代は結婚するかどうかを個人が選択する時代になってきている。「いい人がいれば結婚したいけれど、好きでもない、価値観も合わない相手と無理やり結婚しなくてもいいのではないか」という流れが出来上がってきている。

そんななかで婚活に参入してくる男性は、“結婚”という結果が欲しくて活動する人が多いのだが、女性はいくつになっても、“好きになれる人と結婚したい”と自分の気持ちを大事にした結婚がしたいと思っている。

だから、30代後半女性の結婚は難しい。

違う価値観を受け入れる器を

ただ、仲人をしている筆者として言いたい。人はそれぞれに違った価値観を持って生きている。厳しいジャッジの目を持って、自分に合う人、自分が好きになれる人を探すのではなく、たとえ価値観が違っても、それを受け入れる大きな器を持つよう心がけたらどうだろうか。

そうすることで、もっと楽に結婚できるようになる気がするのだ。

1人より2人。仕事は抱きしめてくれない。人は平等に老いていく。1つ屋根の下に自分以外の言葉を交わせる温もりがあったほうが、人生は豊かになるのではないかと、筆者は考える。

(鎌田 れい : 仲人・ライター)

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