トヨタ「新型クラウン」買うならどのグレード?

新型クラウンシリーズ

7月15日に世界初公開となった新型クラウンシリーズ(撮影:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY)

2022年7月に発表されたトヨタの「新型クラウン」は、4つのバリエーションを持つ新世代のフラッグシップモデルとなっており、その第1弾として「クロスオーバー」が同年秋口に発売されることがアナウンスされた。

今後は「スポーツ」「セダン」「エステート」という残りの3つの車型も順次リリースされるということだが、まずは第1弾として詳細が発表された「クロスオーバー」について、購入するならどのグレードがオススメなのか考えてみたい。

ちなみに新型クラウンクロスオーバーは、2022年秋頃の発売予定で、「CROSSOVER RS G“Leather Package”」「CROSSOVER G」「CROSSOVER X」は、2023年1月以降の生産予定となっている(2022年7月現在)。また、「スポーツ」「セダン」「エステート」については、2023年以降の販売とアナウンスされている。

クロスオーバーだが、ボディは4ドアセダンを継続

新型クラウンクロスオーバー外観

新型クラウンクロスオーバーの外観(撮影:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY)

高められた車高や樹脂製のホイールアーチを持つことでクロスオーバースタイルが強調されてはいるが、クラウンクロスオーバーのボディタイプは従来どおり独立したトランクルームを持つ4ドアセダンとなっている。

全幅はついに1800mmを超えて1840mmとなっているが、全高は1540mmと立体駐車場に収まるサイズをキープしているあたり、クラウンらしいポイントと言えるかもしれない。

新型クラウンセダン

今後発売される予定のセダン(撮影:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY)

とはいえ、クロスオーバースタイルそのものが受け入れられないという声もあり、そういったユーザーは今後登場する予定となっている「セダン」を待つのが最善となるだろう。

2.5Lハイブリッドシステム

「CROSSOVER G」系に搭載される2.5Lハイブリッドシステム(写真:トヨタ自動車)

今回のクラウンクロスオーバーの変化は、ボディタイプだけではなく、パワートレインにもおよぶ。従来のクラウンは、伝統的に縦置きエンジンに後輪駆動というレイアウトを踏襲してきたが、クラウンクロスオーバーにおいては横置きエンジンの前輪駆動をベースにした4WDというまったく異なるものとなった。

そのパワートレインは、すでに多くのトヨタ車に採用され、実績のある2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムと、2.4Lデュアルブーストハイブリッドシステムの2種類が用意されている。

燃費よりもパワーを求めた2.4Lハイブリッドモデル

2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッドシステム

「CROSSOVER RS」系に搭載される2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッドシステム(写真:トヨタ自動車)

2.4Lハイブリッドモデルは、従来の燃費を優先したハイブリッドとは異なり、デュアルブーストという名前のとおり、エンジンに搭載されたターボとモーターの2つを併用して動力性能を高めたものとなっている。エンジン単体でも200kWという高い出力を持っているが、そこにバイポーラ型ニッケル水素電池とハイパワーモーターを組み合わせることで、システム最高出力は257kWという高出力を実現している。つまり、モーターを燃費のためではなく、パワーのために使うシステムということになるわけだ。

そのため、モーターのみで走行できず、燃費性能も2.5Lハイブリッドが22.4km/Lなのに対し、2.4Lハイブリッドは15.7km/L(ともにWLTCモード燃費)となる点や、使用燃料も無鉛プレミアムガソリンとなる点は注意が必要かもしれない(2.5Lハイブリッドはレギュラーガソリン)。

Direct Shift-6AT

トランスミッションは、6速ATの「Direct Shift-6AT」を採用(写真:トヨタ自動車)

そして、そこに組み合わされるトランスミッションも従来のハイブリッドモデルのような電気式無段変速機ではなく、ダイレクト感溢れる走りを楽しめる6速ATとなっている点も大きな違いとなっている。さらに電気式4WDシステムも専用設計となり、前後輪トルクを100:0~20:80の間で制御することで、FRに近い走りを楽しむことができる味付けとなっている点も特筆すべきポイントだろう。

そのため、積極的に走りを楽しみたいのであれば2.4Lハイブリッドモデルを、フラッグシップモデルらしい穏やかで低燃費な走りを求めるのであれば2.5Lハイブリッドモデルを選ぶのがベストと言えそうだ。なお、2.4Lハイブリッドは「CROSSOVER RS」系、2.5Lハイブリッドは「CROSSOVER G」系に搭載される。

新型クラウンの内装

CROSSOVER G “Leather Package”のインテリア。内装色はフロマージュ(写真:トヨタ自動車)

標準状態でも充実した装備のクラウンクロスオーバーではあるが、さらなる先進装備や快適装備などをプラスしようとすると、グレードの制約が出てきてしまうので注意が必要だ。

まず、条件を満たすと渋滞時にハンズオフ走行が可能となる「アドバンストドライブ」や、ほぼ自動駐車を実現している「アドバンストパーク」、車両や歩行者、自転車などと衝突する可能性が高く、自車線内に回避するスペースがある場合、操舵回避をサポートしてくれる「緊急時操舵支援」などがセットとなる「ドライバーサポートパッケージ2」は、「CROSSOVER RS」系のみのメーカーオプション設定となる。

新型クラウンのシート

新型クラウンの前席と後席(写真:トヨタ自動車)

また、後部座席に座るユーザーの快適度をアップさせてくれる「リアサンシェード」や「後席シートヒーター」、「後席リクライニングパワーシート」、「後席フルオートエアコン」などがセットとなる「リアサポートパッケージ」については、「CROSSOVER RS “Advanced”」でのみ選択可能なオプションなのだ。

そのほか、このクラスの車両では意外にも選択率の高いサンルーフ(トヨタではムーンルーフと呼称)も「CROSSOVER RS」系のみにメーカーオプション設定となっているため、これらの装備が必要な場合は、必然的に2.4Lハイブリッドモデルを選ぶしかないというのが現状となっている。

CROSSOVER RS系グレードを買うならどのグレード?

CROSSOVER RS“Advanced”

CROSSOVER RS“Advanced”の外観。ボディカラーはブラック×プレシャスレイ(写真:トヨタ自動車)

「CROSSOVER RS “advanced”」と「CROSSOVER RS」の2グレードが用意される2.4Lハイブリッドモデルだが、前者が640万円、後者が605万円と35万円の価格差がある。

【CROSSOVER RS系グレード設定】
CROSSOVER RS 605万円
CROSSOVER RS Advanced 640万円

純粋な装備差というと、スマホがキーの代わりとなる「デジタルキー」(別途有料オプションの加入が必要)や「ハンズフリーパワートランクリッド」、「カラーヘッドアップディスプレイ」「イージークローザー(ラゲージドア&リアドア)」「置くだけ充電」「トヨタプレミアムサウンドシステム」が備わる点となるが、前述したように「リアサポートパッケージ」は、「CROSSOVER RS “advanced”」のみでしか選択できないので、これを必要とするかどうかがグレード選びに大きく影響することだろう。

CROSSOVER G系グレードを買うならどのグレード?

CROSSOVER G“Advanced・Leather Package”

CROSSOVER G“Advanced・Leather Package”の外観。ボディカラーはプレシャスブロンズ(写真:トヨタ自動車)

2.5Lハイブリッドを搭載する「CROSSOVER G」系は、4グレード展開となるが、ベーシックな「CROSSOVER G」と、それをベースに本革シートや21インチアルミホイール(通常は19インチ)を中心に装備をプラスした「CROSSOVER G “Leather Package”」、先進装備をプラスした「CROSSOVER G ”advanced“」がそれぞれ存在し、本革シートと先進装備両方を備えた「CROSSOVER G ”advanced・Leather Package“」が頂点に位置する。

「advanced」系の装備は、「トヨタプレミアムサウンドシステム」が備わらない以外は「CROSSOVER RS」系とほぼ同一の追加装備内容となるが、近しい装備となる「CROSSOVER RS “advanced”」と「CROSSOVER G ”advanced・Leather Package“」の価格差が70万円となるため、そこまでのパワーはいらないが充実した装備が欲しいという人にはオススメできるグレードと言えそうだ。

【CROSSOVER G系グレード設定】
CROSSOVER G           475万円
CROSSOVER G ”advanced“       510万円
CROSSOVER G “Leather Package” 540万円
CROSSOVER G ”advanced・Leather Package“ 570万円

なお、475万円と手が出しやすい「CROSSOVER G」は、「ブラインドスポットモニター」や「パーキングブレーキサポート(後方接近車両)」が備わらない点(メーカーオプションで装着は可能)に加え、後述する理由があるため、じつはオススメしにくいグレードとなっている。

最廉価グレードの「CROSSOVER X」はどうか?

435万円とハリアーハイブリッドの上級グレードよりも安価な価格設定となっている「CROSSOVER X」ではあるが、パワーシートや電動のチルト&テレスコピック機構が手動となり、ディスプレイオーディオもレス、パッケージオプションの設定もなしとかなり装備が省かれた仕様となっている。

【CROSSOVER X系グレード設定】
CROSSOVER X 435万円

ディスプレイオーディオ

ディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus(写真:トヨタ自動車)

そのため、いくら価格が安いとはいえオススメしにくいグレードとなっているのだが、メーカーオプションの「ディスプレイオーディオ」(37万5000円)を選択すると、「CROSSOVER G」の「ドライバーサポートパッケージ1」(17万9000円)と「ITS Connect」(2万7500円)に相当する装備が装着されるのだ。

それでいてオプションを含めた車両本体価格は472万5000円と、素の「CROSSOVER G」の475万円を下まわる価格で充実した装備が手に入ることになる。

残念ながら「CROSSOVER X」は前述した備わらない装備のほか、シート表皮も普通のファブリック+合成皮革となり、ボディカラーも「プレシャスホワイトパール」「プレシャスシルバー」「ブラック」の3種類のみの設定となってしまうのだが、そこが問題とならないのであれば、非常に魅力的な選択肢とも言える。

意外に多い制約、グレードによって2023年1月以降生産

新型クラウン(セダン)

新型クラウン(セダン)の外観(写真:トヨタ自動車)

このように新型クラウンクロスオーバーは、意外とグレードとオプションの制約が多く、なおかつ現段階では「CROSSOVER RS “advanced”」と「CROSSOVER G “advanced・Leather Package」以外のグレードは2023年1月以降の生産になることがアナウンスされている。

これは長引く半導体不足やコロナ禍における物流の停滞などの影響があることは間違いないが、メーカーオプションの選択肢を狭めているのも同様の理由の可能性もありそうだ。そのため、どうしても希望にハマる仕様がない場合は、今後登場する3つの車型も含め、長いスパンで様子を見るというのも選択肢のひとつになるかもしれない。

(小鮒 康一 : フリー(ライ)ター)

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