老後資金を作りたい人は「2つの制度」を押さえよ

プロが教える「iDeCoとつみたてNISA」年代別攻略法とは?(写真:recep-bg/Getty Images Plus)
投資ビギナーにとって悩ましいのは2つの制度の組み合わせ方。そこで、経済ジャーナリストの酒井富士子さんが、年代別・職業別につみたてNISAとiDeCoの具体的な組み合わせ法を伝授します。
『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』(学研プラス)から、抜粋・再構成して紹介します。

CASE1:20代独身は、株式中心で積極運用を

まず、20代・独身・会社員の場合です。この時期は自分で稼いだお金を自分でコントロールできるので人生最大の貯めどきです。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

20代のうちはまだ収入が少ないこともあるでしょうから、最低でもお給料の2~3カ月分の貯蓄ができてから、無理のない範囲で投資額を設定しましょう。

ある程度の貯蓄ができたら、転職や結婚など、近い将来のライフイベントに備え、つみたてNISAを優先して投資をスタートしましょう。つみたてNISAならいつでも現金化できます。

ただし、つみたてNISAだと売却しても非課税枠の再利用ができず、運用商品のスイッチングもできないため、リバランスの必要がないバランス型を選ぶのがいいでしょう。その一方で、長い運用期間も確保できるので、半分は全世界株式型で積極的な運用も検討しましょう。

iDeCoのほうはというと、20代だと30年以上の運用期間があるので、思い切った投資に挑戦したいところ。長期的にまだまだ成長の見込める米国株に半分を投資してもいいでしょう。

ただし、つみたてNISAだと売却しても非課税枠の再利用ができず、運用商品のスイッチングもできないため、リバランスの必要がないバランス型を選ぶことをおすすめします。

その一方で、長い運用期間も確保できるので、半分は全世界株式型で積極的な運用もしましょう。

もう半分は、ちょっとだけリスクを抑えて全世界株式型を組み入れましょう。このような攻めの組み合わせができるのも、運用期間が長い20代だからこそですね。

CASE2:30代で共働きなら投資地域・資産を分散しよう

30代で子どもがいる場合、教育費や住宅・車の購入資金など大きな出費が控えています。計画的にお金を貯める必要がありますね。

30代の場合は短期~中期的なライフイベントのために、つみたてNISAを積極的に活用しましょう。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

運用は、基本的には株式型中心でいいでしょう。ただし、リスクをとりすぎるのも考えもの。いざ住宅や車を購入しようと思った時に、資金が減っていては困ってしまいます。そこでバランス型を組み入れるのです。

また、共働きの場合は、2馬力というアドバンテージを活かして夫婦それぞれがつみたてNISAを利用しましょう。例えば、夫が株式型で積極的に運用するなら、妻はバランス型で安定的な運用を目指すなど、方針を変えて積み立てていくのがおすすめです。

一方で、30代になれば、もっと先の将来についても考え始めなければなりません。iDeCoも夫婦で活用しましょう。

収入に差があるのなら、夫婦で金額を変えても、もちろんOK。無理のない範囲で金額を設定しましょうね。

iDeCoでも夫婦で別々の運用スタイルがいいのではないでしょうか。運用期間も確保できるので、夫は下のように100%株式型で、一部新興国株式を組み入れます。その代わり、妻はバランス型100%で運用するなど、世帯全体でリスクをコントロールしてみては? 共働きではない場合、バランス型中心でもいいでしょう。

CASE3:30代、自営業ならリスクに備えて、債券を組み込む

今度は、自営業のパターンを考えてみます。厚生年金がなく、会社員よりも公的年金の受取額が少ないからこそ、つみたてNISAやiDeCoの重要性はより高いといえます。

iDeCoの上限額も会社員と比べるとグンと高くなり、自営業者は月6.8万円となります。収入が多いのなら全額積み立てて節税メリットを最大限に活かしたいけれど、無理は禁物です。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

資産運用に回せる金額のうち、節税メリットの大きいiDeCoを多めに積み立てていきましょう。月6万円を資産運用に回せるなら、iDeCoに月4万円、つみたてNISAに2万円、という具合ですね。

運用方針は30代なら株式型で積極的に運用したいところですが、病気やケガなどで収入が途絶えてしまった時に大きな損失を抱えているという状態は避けたいので、少しリスクを抑えた運用を心がけましょう。

まだ30代なのでバランス型と株式型を半分ずつ保有するのがいいでしょうね。つみたてNISAでは8資産バランス型と全世界株式型、iDeCoのほうは運用期間が長いので、少しリスクは高めでも4資産バランス型と全世界株式型を組み合わせるのがおすすめです。ある程度リターンも期待できそうですね。

あとはiDeCoでの積み立てを多くしているので、確定申告で還付金が多く発生することもあるでしょう。その還付金を、次の投資の原資にできると、資産運用に拍車がかかりますね。

CASE4:40代で独身ならば老後資金を意識してやや保守的に

40代独身の場合、20~30代である程度の貯金を確保できている人も少なくありません。収入も上がってくる頃なので、他の年代・家族構成と比較して最も家計に余裕があるケースといえます。

しかし、晩婚も増えていますし、ライフプランが大きく変わることもあるでしょう。結婚以外にも、親の介護が必要になる人もいますよね。自分の老後についても、いよいよ真剣に考えなくてはなりません。こうした事情を踏まえると、短期~中期的な資産形成と、長期的な資産形成の両方が欠かせないんです。

おひとりさまこそ資産運用が重要といえるでしょう。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

そこで、つみたてNISAとiDeCoの両方をしっかりと活用しましょう。つみたてNISAは最低でも月1万円を積み立てます。十分な貯蓄がある場合には金額をアップさせましょう。非課税投資枠上限は年間40万円なので月約3万3000円となります。

積み立てる銘柄は8資産バランス型100%で、リスクを抑えつつ、一定のリターンを狙っていきましょう。

iDeCoについても考えてみましょう。企業年金などがない会社にお勤めなら、上限額である2万3000円まで積み立てて、老後資金作りに力を入れていきたいですね。40代なら収入も増えている人も多いから、節税効果も高いといえます。

運用は、8 資産バランス型50%、全世界株式型50%の組み合わせがいいでしょう。老後も少しずつ近づいているので、リスクコントロールの意識が必要です。

リスクを抑えながらリターンも狙って、ライフプランの変化にも対応できる資産作りをしていきましょう。

CASE5:40代で子どもがいる場合はiDeCoを中心に運用

子どもの塾代や住宅ローンなど、40代のファミリーは家計が苦しくなる時期です。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

しかし、この世代は金額を減らしてもいいので、積み立てを継続することが何より大切です。せっかく頑張って運用してたものを途中でやめてしまったらもったいないです。

もうひとつ重要なのは、夫婦どちらかはパート勤めでもいいので、共働きで収入源を複数確保しておくことです。年間100万円程度の収入が増えれば、将来の大きなプラスになります。

知りたいことがぜんぶわかる! つみたてNISA&iDeCoの超基本

扶養内で働くとしても、10年間なら1000万円程になります。

「40代は仕事も資産運用も、やめずに継続させること」が大切になります。

つみたてNISAとiDeCoなら、節税メリットがより高いiDeCoを優先しましょう。会社員の夫なら上限いっぱい、パートの妻なら5000円でもいいので、夫婦ともに利用できるとベストです。

iDeCoは最低月5000円から始められますからね。

夫のiDeCoは、半分は先進国株式型で利益を狙い、もう半分は老後を見据えて、債券型を組み入れるのがおすすめです。妻は100%8資産バランス型での運用を行いましょう。

つみたてNISAはどのくらい積み立てていけばいいのでしょうか? 夫は1万円程度で継続して、妻は無理に利用しなくても大丈夫。教育費などで突然の出費もあるでしょうから、8資産バランス型でリスクを抑えて運用していきましょう。

(酒井 富士子 : 経済ジャーナリスト)

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