廃止で逆に脚光「ジュニアNISA」は始めないと損

不人気で廃止となった「ジュニアNISA」が今脚光を浴びている理由とは?(写真:RichVintage/Getty Images Plus)
未成年(2023年1月1日から17歳以下)を対象にした制度「ジュニアNISA」。主に教育資金の積み立てを目的に作られた制度ですが、2023年末で制度終了に。しかし、今、このジュニアNISAの人気が高まっていると、経済ジャーナリストの酒井富士子さんは語ります。今からでも始めるメリットはどこにあるのでしょうか?
『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』(学研プラス)から、抜粋・再構成して紹介します。

税金ゼロのお得な資産運用「つみたてNISA」とは?

つみたてNISAとは、2018年にスタートした制度です。年間40万円までの投資で得られた利益を20年間にわたって非課税にできる、投資初心者にぴったりの仕組みとして知られています。

そんなNISAの最大のポイントは、投資の利益が非課税になることです。通常、売却益や配当など、投資の利益には20.315%の税金がかかりますが、NISAは税金ゼロ。利益がまるまる自分の儲けになります。これはまず押さえておきたいNISAの基本です。

つみたてNISAで投資ができるのは、国の基準を満たした投資信託(ETF含む)だけで、長期間の積み立てや分散投資ができる商品に絞られています。投資信託とは、ここではざっくりと、「プロに運用をおまかせできる金融商品」と覚えていてくれればOKです。

絶対に大きく値上がりするとは言い切れないけれど、安定して資産を増やすには向いているといえるでしょう。

このNISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」があって、それぞれ非課税枠や非課税期間、投資できる商品などが違います。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

そしてもうひとつ、近年、人気になっているものが、今回ご紹介する「ジュニアNISA」です。

このジュニアNISAは、0歳から19歳以下の未成年を対象にした制度(2023年1月1日から17歳以下)です。非課税期間は最長5年間、年間の非課税枠は80万円です。また、口座は子ども名義で運用は親がします。

たとえば、子どもが一人いる夫婦の場合、夫婦のつみたてNISA枠の合計年間80万円に子ども1人分も合わせて、家族で年間160万円も利用できるという計算になります。

この制度は、子育て世代だけが使える“特権”です。まだ、子どもが小さい家庭は、お金もそこまでかかりません。いわば貯金をする最大のチャンスのタイミングで、このジュニアNISAを活用したいものです。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

なぜいま、人気? ジュニアNISAの仕組み

2016年にスタートしたこの制度ですが、残念ながら利用者数も伸びず、2023年末で制度は廃止になることになりました。

あまり知られていない制度だったのですが、廃止が決まって逆に注目を浴びて、今駆け込みで申し込みをする人が増えているんです。

もうすぐ制度が終わっちゃうのに、これから始めても大丈夫? 制度終了まで2年しかないですが……。と思った人も多いのではないでしょうか。

しかし、今から始めるメリットはたくさんあります。今すぐ始めれば、2022年と2023年の分を合わせて、年間80万円×2年で160万円の非課税枠を活用できます!

つみたてNISAが利用できるのは投資信託だけでしたが、ジュニアNISAはもっと自由度が高くて、上場株式や投資信託、ETFやREITなど、つみたてNISAよりも幅広い商品から選べます。また、投資方法は積み立てでも一括購入でも好きなほうを選べます。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

運用期間は、基本5年間ですが、その後も口座移管をして18歳になるまで非課税で運用できます。

そして、ここが大きなポイントなのですが、この間、自由に引き出すことができます。

大学進学の費用など教育資金の積み立てが主な目的とされていたので、制度変更前のジュニアNISAは子どもが18歳になるまで運用資金の引き出しができませんでした。それが制度廃止に伴い、この引き出し制限も解除されました。

2024年1月1日以降なら何歳でも引き出せるようになり、教育資金以外の用途にも使えるようになったことから、使いやすさがグッと向上しました。必要な時に引き出せるのは安心ですね。

ただし、引き出す時は一括が原則。引き出した後、口座は廃止されるので、引き出すタイミングは慎重に! これは注意すべきジュニアNISAの落とし穴のひとつです。

また、ジュニアNISAの申込みは、つみたてNISAよりも手続きが大変なことは心得ておきましょう。

まず、親が口座を保有する証券会社で口座を開設する必要があります。その際、子どもの確認書類(住民票、戸籍謄本、マイナンバーカード)なども用意する必要があります。

必要書類も金融機関によって、微妙に異なります。ここでめげずに手続きを完了させましょう!

覚えておきたい!「ジュニアNISA」の注意点、問題点

さて、制度廃止後は口座のお金はどうなるのでしょう?

制度廃止後もジュニアNISA口座内の運用資金は、子どもが18歳で成人するまで引き続き非課税で運用できます。

知りたいことがぜんぶわかる! つみたてNISA&iDeCoの超基本

ただし、5年間の非課税期間が終了する時点で、ジュニアNISA口座内の運用資金は継続管理勘定へロールオーバーする手続きが必要です。

継続管理勘定とは、金融商品を引き続き保有するための非課税の勘定のことです。この勘定では新規の投資はできず、運用するだけになります。

たとえば、2022年(子どもが4歳の時)に始めれば、9歳までが非課税で運用できます。それ以降は継続管理勘定で成人まで非課税で運用できるというわけです。

その手続きをしないと、課税口座に時価で払い出されてしまうので、注意が必要です。手続きの時期などは金融機関によるので、金融機関からのお知らせはまめにチェックしておきましょう。

出典:『知りたいことがぜんぶわかる!つみたてNISA&iDeCoの超基本』

(酒井 富士子 : 経済ジャーナリスト)

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