「晴れでも部屋干し派」意外と多いその背景事情

たまりがちな梅雨時の洗濯物、皆さんどうしていますか?(写真: ふじよ/PIXTA)

梅雨がやってきた。毎年のこととはいえ、雨の日が続いたり、ジメジメする日が続いたりで、あまり喜ばれないのが梅雨だ。とはいえ、雨が降らないと水不足に陥る可能性もあるので、豪雨などの災害がない限りは、雨の日が多いことも大切なことだ。

梅雨時の2大困りごとは、湿気の多さと洗濯物

さて、梅雨時に困ることはなんだろう? フリエ住まい総研が「自宅の湿気対策」に関する実態調査を行った。その結果、困りごとの上位5位に挙がったのが次のものだ。

<Q. 梅雨時期に困ることは何ですか?>

1位 湿気による蒸し暑さ 62.2%
2位 洗濯物が乾かない 60.3%
3位 湿気による不快感 51.8%
4位 洗濯物のにおい 41.5%
5位 水回りのカビ 28.4%

上位には、湿気による蒸し暑さ(1位)や不快感(3位)、洗濯物が乾かない(2位)ことや生乾きで起きがちなにおい(4位)などが挙がり、「湿気の多さ」と「洗濯物」が2大困りごとであることがわかる。

では、梅雨時に、洗濯物はどうしているのだろう?

積水ハウス住生活研究所が行った「梅雨と洗濯に関する調査(2022年)」で、「雨の日に洗濯物を干す場所」を尋ねたところ、「リビング」に干す人が最も多く、4割近い37.4%に達した。次いで、浴室の17.4%だった。また、室内干しでは、リビングだけでなく主寝室や和室にも、“洗濯物を干す場所”が拡大していることもうかがえる。

(出所)積水ハウス住生活研究所「梅雨と洗濯に関する調査(2022年)」

逆に、晴れた日は屋外に干すのだろう。調査結果を見ると、たしかにバルコニーなどの屋外に干すという人が66.4%と圧倒的に多い。その反面、晴れた日でもリビングで干すという人が13.8%いる。

(出所)積水ハウス住生活研究所「梅雨と洗濯に関する調査(2022年)」

曇りの日はどうしているのか

雨の日でなくてもリビングに洗濯物を干すという結果は、リンナイが行った「『洗濯』に関する意識調査」の結果でも見られる。

こちらの調査では、梅雨時に多い洗濯物の“乾燥方法”を、「雨」「曇り」「晴れ」の日別に聞いている。晴れの日に天日干しが74.9%と最多になるが、部屋干しの人も一定数いる。曇りの日には天日干しが28.1%と大幅に下がり、部屋干しが多数派になる。

一方で雨の日は、自然乾燥による室内干しだけでなく、家電を使ったり、浴室乾燥機や衣類乾燥機を使ったり、陰干しをしたりと、乾燥方法が多様になる。一口に室内干しといっても、乾燥方法はいろいろあるのだ。

(出所)リンナイ「『洗濯』に関する意識調査」

また“部屋干しをする場所”については、リンナイの調査でも、リビングと和室が上位という結果だった。

<Q. 洗濯物を干すことが多い部屋は?>(室内干しをする人が対象)※上位3位を抜粋

1位 リビング・ダイニング 59.5%
2位 寝室 28.7%
3位 浴室(お風呂場) 21.9%

さて、筆者の場合は、もっぱら梅雨とスギ花粉の時期に、浴室乾燥機を活用して浴室に洗濯物を干している。リンナイの調査でいう「浴室乾燥機」に該当するだろう。

ほかにも、家電(おそらく除湿機やエアコンの除湿機能)や衣類乾燥機などの機器を使って干している人も多いが、それ以上に目立つのがリビングでの部屋干し(自然乾燥)ということになる。ではなぜ、晴れた日でも、室内に干すのだろう?

積水ハウス住生活研究所によると、17.6%の人は天候に関係なく、すべての衣類を屋内で干していたという。

室内干しをする理由の1つは、共働き世帯の増加があるのだろう。

同研究所の調査で洗濯機を回したり、干したり、取り込んだりする時間帯を尋ねた結果を見ると、共働き世帯では、片働き世帯と同様に朝洗濯をして干し、夕方取り込む世帯もある一方で、前日の夜に洗濯をして干し、翌日の夜に取り込む世帯も多いことがわかる。かなり長時間、洗濯物を干したままという家庭も多いということだ。

干している時間が長いと、仕事中に天候の変化に対応できないため、晴れていても室内に干すということが、室内干しをする1つの理由になるだろう。一般的に日本の住宅は、リビングが最も陽当たりの良い場所に配置されることが多く、干すスペースや陽当たりからリビングが選ばれているということではないか。

(出所)積水ハウス住生活研究所「梅雨と洗濯に関する調査(2022年)」

複数箇所で洗濯物を干す理由

また、調査結果からは、衣類によって干す場所を分けているという実態も浮かぶ。雨の日に複数箇所で洗濯物を干している人に、その理由を尋ねたところ、次のような結果になった。

<Q. 雨の日に干す場所を分けている理由は?>(雨の日に複数箇所で洗濯物を干している人が対象)
1位 干す場所が足りないから 45.2%
2位 陰干し等、衣類によって適切な干し方をしたいから 32.6%
3位 人の目に触れたくないものがあるから 20.7%
4位 空間が洗濯物で圧迫されるから 17.0%
5位 衣類によって洗濯頻度が違うから 10.4%
6位 防犯上の理由から 9.6%

洗濯物の量にもよるだろうが、干す場所の不足(1位)や空間が圧迫される(4位)など「スペースの問題」を挙げる人が多い。また、衣類によって干し方が違ったり(2位)洗濯頻度が違ったり(5位)など「衣類による適切な洗濯方法」によるものや、洗濯物によって人の目から隠したい(3位)などの「防犯上」(6位)の理由を挙げる人もいる。

同研究所では、「晴れた日の外干しは早く乾くものの、人目に触れたり、大切な衣類が直接陽にあたり傷んでしまう可能性があったりするため、あえて室内干しをする人がいると考えられる」と見ている。

洗濯物は干した後、取り込んでからたたんだりアイロンをかけたりして収納するが、すぐにできない場合に一時的に保管したりする。そうした一連の行為をどこでやっているかというと、これもやっぱり「リビング」なのだ。調査結果を見ると、「アイロンがけを行う場所」も「洗濯物をたたむ場所」も「取り込んだ洗濯物の保管場所」も、リビングがTOPに挙がっている。

(出所)積水ハウス住生活研究所「梅雨と洗濯に関する調査(2022年)」

リビングで干すとその後の作業効率がいいということも、リビングが選ばれる理由になっているのだろう。

洗濯物の室内干しを効率よくするには?

屋内にサンルームやドライルームがあればよいが、日本の住宅ではなかなかそうした空間を設けることが難しい。では、効率よく室内干しをするには、どんな方法があるのだろう?

乾燥方法の選択肢でもあった、除湿機や浴室乾燥機などの機器を使うのがよいだろう。エアコンの除湿機能を使う場合は、扇風機やサーキュレーターなどを使って、洗濯物にまんべんなく風が当たるようにすると乾きが早いと言われている。

住宅設備メーカーのコロナでは、「除湿機を上手に使うポイント」を次のように紹介している。

■除湿機を上手に使うポイント
 なるべく小さい部屋で、戸や窓を閉めきって運転する。
 厚手の衣類は風がよく当たる除湿機の真上に干す。
(洗濯物が落下して吹き出し口を塞ぐことのないように注意)
 洗濯物が乾いたらすぐに取り込む。梅雨時などで干したままにしていると、また湿気を吸収してしまう。

また、リンナイでは、「浴室暖房乾燥機 上手な衣類乾燥のポイント」を次のように紹介している。

■浴室暖房乾燥機 上手な衣類乾燥のポイント
□洗濯物の間を温風が通り抜けやすいよう10~15cmの間隔をあける。
 一度にたくさん干さない。洗濯物の間隔がせまいと風が当たらず、十分に乾かない場合がある。
 目安は、ランドリーパイプ1本につきハンガー7~10 本。
 衣類の量が多い時はハンガーの間隔をせばめ、全体に風が当たるようにする。

梅雨時であっても、洗濯する物は毎日出てくる。雨の恵みに感謝しつつ、洗濯物を効率よく干す方法を工夫して、この時期の困りごとに対処するようにしたいものだ。

(山本 久美子 : 住宅ジャーナリスト)

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