子どもが自主的に動く!「習慣化」5つのポイント

子どもの習慣を作る助けになる、「習慣化モデル」5つのポイント(写真:zon/PIXTA)

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

【相談内容】
4月から小5になる子がいます。新学期になるにあたって生活習慣を整えることや、自分から勉強するようにさせたいと思っています。しかし、現状はいつも私が言わないとやらない状態です。例えば、片付けや宿題は私が言わないとやりません。自らできるようにするにはどう声かけすればいいでしょうか。
(仮名:池谷さん)

大事なのは「習慣化モデル」を作ること

ゲームや遊びなど子どもの関心が高いことであれば、子どもは親から言われなくても自主的に行動しますよね。しかし、生活習慣や勉強関連は、できればやりたくない領域であることも多いだけに、なかなかそうはいきません。

親からの「声かけ」という方法で、なんとか“やらせよう”とする人もいます。「何も言わないと子どもがやらないから」というのが理由です。しかし、それで一時的にやったとしても、大抵は続きません。池谷さんに限らず、多くの家庭で同じことが起こり、親御さんが頭を抱えているのです。

これまで筆者はMama Caféという母親対象のライトな学びの会を6年間行い、1万人以上の方から質問を受けてきました。その中でも、同様の質問は多くありました。その際、決まってお伝えしてきたのは、「声かけモデル」ではなく、「習慣化モデル」を作ることが大事、ということです。

例えば、歯磨き。小学生では、もう親から言われなくても自主的に歯磨きしている子も多いでしょう。「歯磨きしようね」と促していた時期もあったと思いますが、どうして気づけば自主的に歯磨きするようになったのでしょうか。それは習慣として定着したからでしょう。それはある意味、自主的に行動するようになったと言ってもいいかもしれません。

そこで池谷さんには、「習慣化モデルを作るための5つのポイント」についてご紹介します。習慣化のポイントがわかれば、歯磨きのごとく、子どもは親から言われなくても自主的に行動する可能性は高まります。

(1)すでに習慣になっていることにくっつける

現在、習慣になっていることがあれば、そこに新しく習慣にしたいことをくっつけていきます。歯磨きは寝るという習慣にくっついた習慣ともいえます。また食事の後に歯磨きをする人は、食事という習慣にくっついた歯磨きの習慣といえます。つまり、セットにしてしまうことで新しい習慣が身につきやすくなるというアプローチです。

例えば、片付ける習慣を作りたければ、遊ぶ習慣にくっつけて、片付けるところまでをワンセットに、遊びの一部にしてしまいます。遊ぶことと片付けることを分けていると習慣にはなりません。親が気づいたときに片付けするように言っても、遊んだ時点と時間的に分離しているため、なかなか習慣化されず、「親が言う→片付ける」というモデルが形成されるだけになります。

宿題の場合であれば、おやつを食べる習慣があれば、食べ終わったら宿題というモデルを作っていくことも可能です。もし宿題のことで声かけするのであれば、おやつを食べ終わったタイミングで声をかけます。すると、やがて親の声かけがなくても、「おやつ→宿題」というセットとなった習慣ができることがあります。外から帰ってきたら親が「手と口(を洗いなさい)」と言い続けると、やがて言われなくてもするようになるモデルと同じです。

もちろん、習慣化するためには、一定期間、継続する必要はあります。一般的に習慣化には3週間から4週間はかかると言われています。

ルーチン化と無理のない範囲で習慣化

(2)同じ時間と場所で行う

同じ時間帯、同じ場所で、同じ作業を繰り返すと習慣化することがあります。これはルーチンと言われているものです。

例えば毎朝6時に公園で体操する習慣がある人は、逆にやらない日があると違和感を感じるものです。習慣となると勝手に体が動くようになる経験をされたことがあるかもしれませんが、まさに、同じ時間、同じ場所、同じことを一定期間続けることで習慣化できます。片付けや宿題の場合であれば、毎日時間を決めて、その時間になったら同じ作業を行うようにします。すると、その時間になると勝手に体が動くようになれば、習慣化されたことになります。

(3)時間を短くする

習慣化させるためには、無理のない範囲でやるのがコツです。例えば筋力をつけるために週3回スポーツクラブに行くとします。往復の時間や着替える時間なども入れると1回当たりかなりの時間を要し、結局おっくうになって足が遠のきがちです。それよりも、毎日の隙間時間に、腕立て10回、腹筋10回を2分程度で行うほうが継続でき、結果として筋力がついたりすることがあります。

つまり、続けるためには張り切りすぎず、こまぎれの時間でやるなど、1回当たりの時間を短くするなどしてハードルを下げることも重要です。

片付けの場合であれば、1分で終わる片付けや部分的な場所だけで終わりにすることが考えられます。また宿題であれば、30分じっと座って宿題をやり続けるのではなく、10分を3回に分割して行うほうが続けやすいです。

(4)毎日やる

習慣化のコツの1つは、「毎日やる」ことです。つまり、例外を作らないということです。

歯磨きが続けられる理由の1つは、「毎日しているから」が考えられます。例えば、土日は歯磨きしなくていいのであれば、月曜日は歯磨きが大変です。「はぁ、また今週も歯磨きか」と感じ、気合でも入れなければできません。しかし、曜日に関係なく歯磨きしていると、そのような気合も努力もなく継続できます。

続けたいことに例外を作ってしまうと、そのたびに努力が必要になり、モチベーションを高めなければ実行できません。ですから、片付けも宿題(勉強)も習慣化させたいのであれば、短い時間でいいので、毎日やったという実績を残していきます。

モチベーションを保つ工夫

(5)データの見える化

習慣化させるまでは一定期間やり続ける必要がありますが、なかなかそれが難しいということもあります。したがって、習慣になるまでは、「やりたくなる気持ち(モチベーション)」を高める必要があります。そこで、データで「見える化」するのも手です。

たとえば、減量するためのデータ計測。毎日体重を測り、それをグラフにして見える状態にすることで、もっと頑張ろうという気持ちになり、それが継続を支えていったりしますよね。

子どもの片付けや宿題であれば、片付けを1回やったら1ポイント、宿題をやったら3ポイントというようにポイント化し、それをグラフにして、見える化していく方法もあります。すると、片付けや宿題はやりたくないけども、ポイントを増やしていきたいという「動機対象のすり替え」が起こり、一定期間継続できるようになるという仕掛けです。習慣化できてしまえば、あとは、やらないときのほうが落ち着かない感情が出てくるため、その後は習慣の力によって、自ら行うようになっていきます。

以上、5つの習慣化のポイントをご紹介しました。

習慣化がもたらす効果としては、「継続は力なり」という言葉どおり、力がついてきたり、周囲から褒められたり、自己肯定感が高まったり、さまざまなものが考えられます。それがさらに自主性を高めていくという好循環になることもあります。

今回ご紹介した5つ、すべてを行う必要はありません。いくつかの組み合わせで実行してみてください。

(石田 勝紀 : 教育デザインラボ代表理事、教育評論家)

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