3回目以降の副反応が怖い人に知ってほしい現実

接種後に亡くなっている人もいることを忘れてはならない(写真:Toru Hanai/Bloomberg)

コロナ感染者が増加に転じた。イギリス・オックスフォード大学が提供するデータベース”Our World in Data”によれば、世界で3月2日、アジアでは2月17日、欧州は3月2日以降、感染者が増えている。春の流行が始まったのだろう。昨春、日本では3月2日から感染者が増加し、ピークは5月14日だった。早晩、日本でも感染者が増加に転じるはずだ。

コロナ対策の肝の1つがワクチン接種だ。オミクロン株に対してもワクチンは有効だった。2月11日、アメリカ疾病対策センター(CDC)が『疫学週報』に発表した研究によると、追加接種から2カ月間、外来受診が87%、入院が91%減っていた。その後、効果は減衰し、4カ月後には、それぞれ66%、78%に低下していた。

日本も4回目接種を見据えて動いている

世界では4回目接種の議論が進んでいる。イスラエルは昨年12月21日、6歳以上の全国民と医療従事者、免疫不全患者などに4回目接種をすることを決めているし、アメリカも秋以降に4回目接種を実施する方向で調整が進んでいる。3月15日、アメリカ・ファイザーは、65歳以上を対象とした4回目接種の緊急使用許可を、アメリカ食品医薬品局(FDA)に申請した。

日本政府も、4回目接種の準備に余念がない。3月16日、ファイザー製7500万回、同じくアメリカのモデルナ製7000万回分のワクチンを追加購入することで両社と合意したと発表している。接種の遅れが問題視された第6波での3回目接種とは対照的だ。今回の動きは高く評価したい。

では、このままでいいのか。私は、今こそ、ワクチンの安全性について議論を深めなければならないと考えている。ワクチンは有効だが、副反応を伴う。そして、時に致死的になる。3月22日、このことについて検証したわれわれの論文が公開された。中心になったのは山下えりかと瀧田盛仁だ。ご紹介したい。

本研究では、厚労省が公表した副反応情報、アメリカのワクチンデータベース「VAERS」、および欧州のデータベース「EudraVigilance」を用いた。いずれも公開情報である。

詳細は省くが、3つのデータベースすべてで、ワクチン接種後2日目に死亡の報告が増加していた。図1は日本のデータだ。

【図1】

(外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

ただ、これは報告バイアスの可能性がある。報告バイアスとは、ワクチン接種後、数日で亡くなった場合、本当は別の病気が原因だったのに、ワクチンとの関係を疑ってしまい、死亡例の報告が増えることをいう。コロナワクチン接種後の死亡の原因は心不全や脳卒中が多い。ワクチン接種後の死亡に特異的な死因はないため、このようなデータをいくら提示しても、結論はでない。

小柄な人には副反応が強くなる可能性がある

では、どうすればいいのか。われわれが注目したのは性差だ。ファイザー製のワクチンの投与量は、アジア諸国が参加していない国際共同第一相臨床試験に基づいて設定されている。

その結果は、アメリカ『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に2020年10月14日に掲載されている。この試験では、参加したボランティアを10マイクログラム(1マイクロは100万分の1)、20マイクログラム、30マイクログラムの投与群に振り分け、副反応の頻度を比較しているが、副反応は用量が増えるほど増加している。

例えば、18~55歳に対する2回目接種で発熱が生じた頻度は、それぞれ0%、8%、17%だし、倦怠感は33%、58%、75%、悪寒は8%、42%、 58%である。つまり、投与量を増やすほど、副反応は強くなるのだが、世界各国が承認した投与量は、人種、性別、体重に関わらず、1回あたり30マイクログラムだった。小柄な人には副反応が強くなる可能性がある。

では、誰が危険だろうか。まず、思い浮かぶのは女性だ。日本人女性成人の平均体重は約50キログラムだ。一方、日本人男性の平均体重は約70キログラム、アメリカ人男性は約90キログラムだから、日本人女性は、日本人男性の1.4倍、米国人男性の1.8倍のワクチンが投与されていると考えることもできる。

われわれは、もし、コロナワクチンが致死的な副作用を生じるのであれば、男性よりも女性の頻度が高いと仮説を立てた。ただ、疾病などのストレスに対する抵抗力は、男性よりも女性のほうが強い。つまり、同じ条件なら、男性のほうがワクチンの副反応は強く出やすいかもしれない。男女の死亡率を単純比較しても、影響は推定できない。

注目したのは、男女の死亡率の比の経時的な推移だ。結果を図2に示す。

【図2】

予想通り、男女の死亡率の差は、接種後1週間以内は女性のほうが高く、その後、減少し、2週間以降では、男性の死亡率のほうが高くなっていた。つまり、死亡率は時間の経過とともに変化していた。この変化は統計的に有意であり、偶然の影響では説明できない。ワクチン接種後1週間以内は、相対的に女性のほうが最悪の事態に至る危険度が高まる。過剰投与による副作用が影響している可能性については議論の余地がある。

安全性を高める対策が早急に必要

ちなみに、このような性差はアメリカや欧州のデータベースの解析では検出されなかった。欧米の女性は、一般的に日本人女性より大柄なため、体重あたりの投与量が少ないからだろうと私は考えている。

この研究は、コロナワクチン接種により、女性を中心に副反応で亡くなっていた可能性を示唆する。コロナワクチン接種で亡くなっていた人が多数いるのだから、問題は深刻だ。死亡例を見直し、ハイリスク群を同定し、ワクチン減量も含めて、安全性を高める対策を早急に講じなければならない。

個人レベルでの対応としては、主治医と相談することをお奨めする。感染予防のメリットと、副反応のリスクを天秤にかけて、判断してくれるはずだ。それぞれの状況に応じた柔軟な対応が必要だ。

(上 昌広 : 医療ガバナンス研究所理事長)

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