「そろそろ親が心配な人」に教えたい介護の超初動

親が突然倒れ、巻き込まれるように介護に突入する人が多い実情。介護の初動はどうすればよいのでしょうか? (まんが:上田 惣子)
団塊の世代が後期高齢者となり、国民の4人に1人が75歳以上になる「2025年」が近づいてきている。しかし、多くの人が、実際に親が倒れるなどして当事者になるまで介護の対策をしていないのが実情だ。
実際、親が突然倒れ、巻き込まれるように介護に突入する人が多いが、その場合は選択肢が大きく狭まってしまい、離職せざるをえないこともある。生活はどのくらい変わるのか? 実家が遠い場合は、どうしたらいいのか? お金はどのくらいかかるのか? そんな素朴な疑問を解決し、ざっくりと介護にまつわる流れや知識を理解できる『マンガでわかる 介護入門』より、一部抜粋して紹介する。

介護を始める前に誰かに相談したい!

(まんが:上田 惣子)

(まんが:上田 惣子)

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(まんが:上田 惣子)

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(まんが:上田 惣子)

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親をささえる地域の仕組み

介護保険とは、誰もが安心して住み慣れた地域でその人らしく暮らし続けられるように支援する社会保障制度の1つです。介護保険のサービスは下記の通り多岐にわたり、1~3割の自己負担で利用できます(負担割合は前年の所得によって決まります)。

一方、要介護状態となっても、住み慣れた地域でその人らしく暮らし続けることができるように地域内で助け合う体制を「地域包括ケアシステム」と言います。これは、地域の実情に合った医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される体制を目指しています。介護保険制度と医療保険制度の両分野から、高齢者を地域でささえていくものです。

そして、地域包括ケアの実現に向けた中核的な機関として、自治体では地域包括支援センターを設置しています。

介護保険で受けられる主なサービス
・ 自宅に訪問してもらって受けるサービス(訪問介護、訪問入浴など)
・ 施設に通って受けるサービス(デイサービス、デイケア)
・ 短期間の宿泊サービス(ショートステイ)
・ 住環境を整えるサービス(福祉用具の貸与・購入費支給、住宅改修費の支給)
・ 施設で生活するサービス(介護保険施設、特定施設など)
・ 地域密着型の施設を利用するサービス(グループホーム、小規模多機能居宅介護施設など)

それぞれのサービスは組み合わせて利用することができます。そのプラン(ケアプラン)を一緒に考えてくれるのがケアマネジャーです。

●要介護認定の申請

介護サービスを利用したいと思ったら、最初にすべきは「要介護認定の申請」です。申請をすると、自治体から審査を受けることになります。「要介護度」または「要支援度」によって利用できるサービスが変わってきますので、審査が必要なのです。

申請に必要な書類は、次のとおりです。

・介護保険被保険者証(65歳の誕生日に送られるもの)
・健康保険の保険証
・申請書 など

※本人や家族が申請できない場合は、地域包括支援センターなどで申請代行も依頼できます。

その後、調査員の訪問による「認定調査」の結果と主治医の意見書をあわせて審査し、およそ30日後に、要介護度の数字が記載された、新しい「介護保険被保険者証」が送られてきます。これをもって、介護保険サービスが使えるようになります。この後も、定期的に更新のための訪問調査があり、状態によって要介護度が変わります。

認定調査で大切なこととポイント

●認定調査について

要介護認定を申請すると、自宅(入院中に申請した場合は病院)に調査員が来て、心身の状態などの質問が行われますが、このとき、親は「しっかりしなくては」と気持ちが張って、いつもはできないことができてしまったり、できていないことも「できる」と言ってしまうことがよくあります。事実を訂正したくても、親の前で言いづらい場合は、メモを書いて調査員に渡すようにしましょう。

その際、大切なのは、介護にかかる「手間」や「時間」です。心情的なつらさを訴えるのではなく、実務的な面でどれくらいの負担かを訴えるのが大切です。また主治医の意見書も審査に反映されますから、事前に相談しておくといいでしょう。

●認定調査で聞かれること

認定調査では、調査員が74項目の質問をし、心身の状態や生活の状態を確認します。質問によっては、その場で簡単な動作をするよう言われることもあります。通常でおよそ1時間程度かかり、質問には次のようなものがあります。

・両足で10秒立っていられますか?
・座った状態から立ち上がれますか?
・体のどこかにマヒはありますか?
・自分で食事はとれますか?
・自分の生年月日や名前を言えますか?
・今の季節はわかりますか?
・外出して戻れなくなることがありますか?
・預金通帳やお金の管理を自分でしていますか?
・日常の買い物や簡単な調理はしますか?

●要介護度に応じた支給限度額

要介護度支給限度額(自己負担1割の金額)
要支援1 5万320円(5032円)
要支援2 10万5310円(1万531円)
要介護1 16万7650円(1万6765円)
要介護2 19万7050円(1万9705円)
要介護3 27万480円(2万7048円)
要介護4 30万9380円(3万938円)
要介護5 36万2170円(3万6217円)
※1単位10円として計算した場合

介護保険サービスの支給限度額は、表のように、要介護度が上がるごとに金額が高くなり、使えるサービスが増えるように設計されています。また、要支援の場合は基本的に「介護予防サービス」を使うことになります。

支給限度額を超えて利用したいサービスは全額自費になりますので、どんなサービスが必要か、ケアマネジャーとよく相談してプランを組み立ててもらいましょう。

ケアマネジャーとの付き合い方

ケアマネジャーは、ホームヘルパーとは違います。直接的に介護の手助けをしてくれるのではなく、「いつ、どこで、どんなサービスを、どの事業所から、どれくらいの時間受けるのか」を考えるのが、その仕事(直接的な介護のケアは、ヘルパーなどの仕事です)。だから、多くの場合、利用者よりもむしろ家族とのやりとりがメインになります。

どんな点で困っているか、どういう介護サービスを希望しているか、なんでも相談して、最適なプランをつくってもらいましょう。

ちなみに、ケアマネジャーは、1人で上限35人まで担当できます。「うちのことは、もう、わかってくれているはず……」ではなく、毎回、丁寧に説明するよう心がけましょう。

仕組みをすべて理解するのは難しいからこそ、「地域包括支援センター」をうまく頼るのが大切です。自宅近くの「地域包括支援センター」の場所を把握しておき、少しでも親に心配な様子があったら、早めに相談してみましょう。

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