長袖はまだ暑い!格好いいワイシャツのまくり方

どちらの「腕まくり」が格好良く見えますか?(『装いの影響力』より)
オンラインでのやり取りが増えると同時に、「何を着ていいかわからない」と悩む人も増えているのでは? 対面と同じようなビシッとしたスーツ姿は堅苦しく、かといってラフすぎてもいけません。
経営者専門スーツ仕立て屋代表として、1万5000人のビジネスパーソンの装いをサポートしてきた末廣徳司氏の近著『装いの影響力』より、「画面で好印象となる上半身」についてお伝えします。
前回記事:「体型に合わせたスーツ」がお洒落に見えない理由

長袖ではまだ暑い時の「腕のまくり方」

9月も後半とは言え、暑い日は袖もまくりたくなってきます。でも袖をまくりすぎると、肌の露出が増える上にオッサン臭く見えてしまいます。そこで「日本人はシャツのまくり方がダメ……。常にエレガントに見える、カッコいいまくり方を教えてやる!」と力説するイタリア人によるだらしなく見えない腕のまくり方をご紹介しましょう。

①カフス(手首を覆う部分)の半分くらいで折り返す
②そのままの幅で再度折り返す。袖のボタンは外さない。すると、まくりすぎも防げる
③まくるのは3回だけ。肌の露出が多いほどだらしない印象になるのでヒジが見えたらNG
④ヒジの手前で止まっていればOK

写真上:イタリア直輸入、かっこいい腕のまくり方
写真下:よくある格好悪い腕まくりの例。肌を出し過ぎている
(画像:『装いの影響力』より)

このご時世、テレワークが増え、オンラインでのやり取りが増えたという人も多いでしょう。

社内のオンライン会議や打ち合わせなどでは、ビシッとしたスーツ姿で臨むと堅苦しいイメージですし、かといってラフすぎてもいけません。いつものシャツとスーツを着ていけばいいオフライン(対面)と違って、服装に迷ってしまうという声も多く聞かれます。

一方、オンラインで行うクライアントとの商談や打ち合わせでは、対面する際と同じスーツを着るという人もいるかもしれませんが、実は、オンラインでの商談や打ち合わせで勝てる服というのは、実際に対面で会う場合とは異なります。画面で好印象となる上半身というのが存在するのです。

このオンライン時代で生き残る戦略は、小さな画面の中でも自分の価値を伝え切る術を磨くことです。オンラインでは基本的に上半身しか映りませんが、その制約の中で価値を伝えていくには、表情の作り方、身ぶり手ぶり、そして服の選び方もオンライン用に合わせていく必要があるのです。

参考になるのが、ニュースキャスター。彼らは画面に映る上半身に全神経を集中させています。

ジャケットの胸ポケットに入れるポケットチーフがありますが、四角に折って挿す方法は「TVフォールド」と呼ばれる一種のテクニック。顔の近くに白っぽいものを配置することでレフ板の機能を果たし、顔色をよく見せる効果があるのです。TVに出るニュースキャスターが好んで使っていたので、そう呼ばれるようになりました。

オンラインで「細かい柄」がNGな理由

オンライン用では、ノイズを少なくするのが大事。後ろに洗濯物がかかっていたら、見ているほうはどうしてもそっちに目がいってしまいます。

服だって、ものによってはノイズとなります。ノイズになる服の代表といえば、細かい柄もの。細かめのチェック、ストライプ、千鳥格子などが当てはまります。なぜこうした柄がダメなのかというと、画面を通して見た時に柄が波打って見え、目がチカチカしてしまうからです。

ネクタイの柄についても同じ。小紋柄(小さい模様の柄)はチカチカするので避けてください。しかもネクタイが位置するのは画面の中央なので、ものすごく目立つのです。

オンラインに最も適しているネクタイは無地。画面が絶対にチラつかない上に、メッセージ性が最も強く出るのが無地なので、話す内容を後押しする強い味方になってくれます。

ネクタイをする際は、結び目を絶対にゆるめないことも注意してください。上半身しか映らないオンラインでは、余計にだらしなさが強調されてしまいます。

極端にいえば、上半身さえカンペキであれば下半身はジャージや短パンでも構いません。イギリスのニュースキャスターで、下はパンツ一丁なのが画面にバッチリ映っていた人もいましたが……、画面には映らないよう気をつけてくださいね!

スーツ発祥の国・イギリスでは、シャツとは本来は下着であり、人前に出る時は必ず上にジャケットもしくはベストを羽織って、シャツがコーディネートの中心になることはありません。

ですから下着であるシャツには、元々はポケットはついていないのです。でもその後、合理的で機能性を求めるアメリカ文化の中で「シャツにもポケットがついていたほうが便利だ!」という理由でポケット付きのシャツが出回るようになりました。

ポケットがついていることで物が入るというメリットがある反面(私はメリットに感じていませんが)、デメリットが2つあります。

一つ目は、だらしないシルエットになること。シャツのポケットに手帳や名刺入れを入れると、胸の部分だけがふくらみシルエットが崩れます。クールビズでシャツ一枚になった時はもちろんスーツを上に着ていても、胸ポケットがふくらむので不格好となってしまいます。

二つ目は、シャツが汚れやすいこと。ポケットにボールペンを入れる人がとても多いのですが、ペンのふたを閉めずにそのまま入れたり、ペン先を出しっぱなしのことも多く、シャツが汚れてしまうのです。ポケットにボールペンを入れてかがんだ状態から立とうとした時に、ボールペンが引っかかりシャツがビリビリに破れてしまった方もいらっしゃいます。
ですから、胸ポケットのついていないシャツを選ぶようにしてください。

クールビズはシャツの襟ですべてが決まる

すっかり定着したクールビズ。環境省の想定では6月1日から9月30日までの4ヶ月となっていますが、実際の対応は会社によって様々。ゴールデンウィーク明けから10月いっぱいまでの会社も、中にはあるようです。

でもよく勘違いされるのですが、クールビズの装いは、ただジャケットを脱いだり、ノーネクタイにしたり、半袖シャツになったりすることではありません。もちろん、週末服と同じなんてことは、もってのほか。この「COOL(クール)」という言葉の意味、ご存じですか? 「涼しい」だけでなく「キマッている」の意味もあるのです。

単に自分の快適さだけを求め、涼しく過ごすのがクールビズではありません。あくまでもビジネスファッションとして最低限の礼節をおさえたものが、本当のクールビズなのです。

実はクールビズに適したシャツというものがあります。そのヒントになるのが、アロハシャツやかりゆしウエア(沖縄県などで着られる夏用の半袖のシャツ)。これらのシャツはジャケットの代わりを果たしたものになっており、従来のシャツとは別物なのです。

その理由が、単品性。単品性があるものは例えば、それだけで着ることのできる単品ジャケットや単品スラックス。単品性のないものとは、それだけでは着ることがむずかしいもの、スリーピースのベストなどです。

アロハシャツやかりゆしウエアは単品性があるので、単品ジャケットの代わりを果たせているのです。

「ノーネクタイに適したシャツ」とは?

とはいえ、アロハシャツやかりゆしウエアを仕事で着ていける人は限られています。ではシャツだけで、どうやって単品性を強くするのかというと、「襟の形」です。実はシャツの襟の形には、「ネクタイがふさわしい襟」と「ノーネクタイがふさわしい襟」の2種類が存在するのです。

ネクタイがふさわしい襟のシャツをノーネクタイにすると「ネクタイをはずしただけの人」に見えてしまいます。ノーネクタイにふさわしいシャツの襟の形とは、襟自体に表情があるもの。襟が少しだけ高く広がっているものとなります。お店の人になら、「ホリゾンタルワイド」と言えば伝わります。

しかし、襟がすごく高くすごく広がっているのは、時代遅れな感じなのでNGです。

左がよくあるタイプの襟のシャツ、右はホリゾンタルワイドの襟のシャツ(画像:『装いの影響力』より)

以上のことをご参考に、ぜひ“勝てるオンラインの着こなし”をマスターしてください。

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