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もし株価が急落したらどうすればいいのか

いよいよアメリカの大統領選ウィークに突入。株価は急落するのだろうか(写真:AP/アフロ)

週末であり月末でもあった10月30日のNY株は反落した。だが、NYダウの前日比約0.6%安に対して、ナスダック総合指数は約2.5%安と下げ率が大きく、ハイテク株の不透明感が増した。

やっぱり気になる「下落開始地点」との微妙な距離感

この前日(同月29日)に発表された「GAFA」の決算は、アップル以外は好調だったと言っても良いのではないか。だが、アップルが大きく売られただけでなく、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムに加え、ネットフリックスも5%を超す大幅安となった。コロナ感染再拡大や大統領選を前に不透明感が高まっており、利益確定やヘッジ売りに押された格好だ。

もう一度冒頭の10月30日に話を戻すと、この日のナスダックの終値1万0911ポイントは、9月2日の史上最高値1万2056ポイント(同)から見てマイナス約9.5%の位置にある。NY市場でよく言われる「下落開始シグナル12%下げ」の1万0609ポイントまであと300ポイント程度と、微妙な距離に迫っている。

ひとことで言うと、経済指標そのものは決して悪いわけではない。ただ、10月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は61.1と、予想の58.0を上回った(9月の62.4からは低下)。また10月ミシガン大学消費者態度指数の確報値は81.8と、速報値や予想の81.2から小幅上昇している。

一方、新型コロナウイルス感染再拡大が激しい欧州の7~9月期GDP速報値はどうだったか。フランスが前期比18.2%増と、予想の15.4%増を上回り、前期の13.7%減(改定値)から回復。ドイツは前期比8.2%増(予想7.3%増、前期9.7%減)で、ユーロ圏が前期比12.7%、年率換算で61.1%増と、前期の39.5%減(改定値)から大きく回復した。

だが、コロナ感染が拡大している10~12月期についての先行きが不安視された。結局、欧州株はドイツDAX 0.36%安、フランスCAC40の0.54%高とマチマチの動きだった。

一方、日本株の10月30日はどうだったかと言えば、時間外のアップル株下落などによるアメリカのダウ先物の下げを見て、日経平均は朝方の寄付きを高値にジリ貧状態だった。、特に後場14時過ぎからの値崩れは厳しく、安値引けに近い354円安で終わった。

「強気型ファンド」も強気になれないのが今の相場

この下げで10月の月足チャートが最後に来て陰線に変わったのは喜べない。NY株と一線を画し、強さを見せていた日本株だったが、10月最後の1週間は、立ち合い日すべてがマイナスの5連続安となった。5日間の下げ幅は日経平均株価で言えば539円で、率にして2.3%ほどに過ぎない。だが、5連続安は7月22日からの6連続安以来のことだ。

われわれが日本にいると今ひとつピンと来ないが、欧州のコロナ感染再拡大は予想外の厳しさだ。フランスは10月30日から通勤・通院・食料購入を除く外出を禁止。また、ドイツ、イギリスなども規制強化の動きとなっている。もちろんイタリア、スペインの感染状態も例外ではなく、景気への影響が懸念される。

一方のアメリカも累計感染者が900万人を超えた。また1日当たり感染者数も10万人に迫っており、この数は大統領選挙を前にして1カ月前の約2.4倍に膨らんでいる。特に大統領選の激戦区での感染拡大が激しく、正常な選挙が危ぶまれているという。こうしたメディア情報が横溢すると、ほとんどの強気型ファンドでもヘッジ率を高めざるを得ない。

さすがにいくら世界的金余りで投資資金が豊富とはいえ、運用競争に明け暮れるファンド間で、運用成績の悪い所からは資金が逃げる。他のファンドと同程度のパフォーマンスは最低限必要であり、他のファンドの平均的態勢と極端に方向性の違う運用行動は取りにくくもなるというものだ。

結局、ファンド事情から言って、今のような不透明感の濃いタイミングでは動いた方に付かざるを得なくなる。これが上げたり下げたりの激しい「一喜一憂相場」の大きな原因だ。

ただ、上がれば「持たざる責任」、下がれば「売らなかったことを責められる」ファンド関係者と違い、個人投資家は「持たざるリスク」や「ヘッジ不足」を責められることはない。

もちろん、今の相場がわからなければ、休むこともできる。コロナが収まらず、選挙の結果判明が長引けば、11月相場は調整の月になるかもしれない。

再び「将来の買いエネルギー」が増している

しかし、ここでまた空売り(上昇エネルギーの元でもある)が溜まれば、年末年始の相場が面白くなるというものだ。日経平均株価が2万2000円から2万3000円のゾーンを抜けた段階で、2倍台前半まで正常化(売り残減少、買い残増加)した裁定取引の売り残÷買い残の倍率は、10月28日現在で売り残7億2640万株、買い残1億6823万株であり、倍率は4.32倍まで高まってきた。

11月を「反発エネルギー充填の月」と考えるならば、個人投資家の強みを発揮する月でもあるのだ。下がれば買えば良い。焦らず行こう。

さて、今週はコロナや大統領選への不透明感の中で、重要な経済指標が発表される。それらの数字を見て不透明感を少しでもクリアにしよう。

主な予定は、2日が10月財新中国製造業PMI、10月米ISM製造業景況感指数、3日は米大統領選挙投開票、4日は10月財新中国非製造業PMI、10月ADP全米雇用リポート、10月ISM非製造業景況感指数が出る。

また5日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表され、その後ジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見がある。このあとの6日にはいよいよアメリカ10月の雇用統計だ。氾濫する情報に振り回されることなく、冷静に数字を見て対処していきたい。

日本株の決算発表も、やはり6日にトヨタ自動車の決算があるなど、まだまだこれから続く。神経質な11月相場は、結局は賢明な個別投資家に対して、エントリーの良き場面を与えてくれるのではないかと思っている。

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