深田恭子「年齢の概念を無力化する」3つのスキル

10月15日夜、深田恭子さん主演のドラマ「ルパンの娘」(フジテレビ系)がスタートしました。

昨夏に放送された第1シリーズと同様に、深田さんは真っ赤なボディスーツとアイマスクをつけた妖艶な姿を披露。映画「翔んで埼玉」の演出・武内英樹×脚本・徳永友一のコンビが手がける突き抜けたコメディーだけに、ネット上は「初っ端からぶっ飛んでる」「華ちゃん(深田さん)のアクションがカッコイイ」「面白すぎて笑いっぱなしだった」などの声で盛り上がりました。

続編が発表されたときに驚かされたのは、深田さんのライバル的なポジションに現在21歳で16歳年下の橋本環奈さんがキャスティングされたこと。「エッ、深田恭子って今、37歳なの?」と思った人も少なくないでしょう。年齢を感じさせないからこそ16歳年下女優とのライバル関係を成立させられるのです。

もう少し正確に書くと、深田さんは11月2日の誕生日で38歳。40代が間近なアラフォーです。しかし、5月に発売した写真集「Brand new me」では瑞々しいビキニ姿を見せ、その後も『週刊プレイボーイ』や『FLASH』などで年下世代に混じってグラビアを飾りました。とりわけ写真集は30代に入ってから、年1冊以上にペースアップ。写真集が話題になるたびに、「深キョンは“おばさん”とは言えない」「“アラフォー”という言葉が似合わない」「他の美魔女たちとは次元が違う」などの声があがるなど、年齢という概念を無力化するような存在となっています。

なぜ深田さんは年齢という概念を無力化させられるのでしょうか。その理由を掘り下げていくと、単に「美人だから」ではない3つのポイントがありました。それらはアラフォーやアラフィフになっても若々しい印象を与えたいビジネスパーソンにとっても参考になるものなのです。

「かわいい」を23年間絶え間なく演じた

深田さん自身は、美貌を保ち続ける一方、アンチエイジングなどを積極的に語るタイプではありません。あくまで深田さんを見る人々から「年齢を感じさせない」と見られていることが重要なのです。深田さんから「アンチエイジングを頑張っていますよ」というムードが出ていないからこそ、年齢という概念を無力化できているのでしょう。

なかでも際立っているのは、あらゆる年代性別の人から「かわいい」という同じ見方をされていること。深田さんは、「年上だからキレイに見える」「年下だからかわいく見える」「男だからセクシーさを感じる」「女だから憧れる」のではなく、ただ「かわいい」という見方をされているのです。

あらゆる年代性別の人から「かわいい」という見方をされる最大の要因は、1998年に初めてヒロインを務めたドラマ「神様、もう少しだけ」(フジテレビ系)から23年間、毎年主演やヒロインを務め続けていること。年代が変われば主演やヒロインを演じる女優の顔ぶれも変わるものであり、深田さんほど最も長い期間継続している女優はいません。

つまり、「主演やヒロインとして出続けていてブランクがないから、視聴者に加齢を感じさせにくい」ということであり、これが1つ目のポイント。ビジネスパーソンに置き換えると、「継続して現場の最前線に顔を出し続けていれば加齢を感じさせにくい」ということになります。

さらにこの23年間、深田さんの演じる女性は、「純粋」「素直」「奥手」「恋愛下手」なかわいらしいタイプが大半を占めていました。「似たタイプの女性をブランクなく演じ続けることで加齢を感じさせにくい」という状況につながっているのです。

実際、30代後半に突入してから出演した「初めて恋をした日に読む話」(TBS系)で演じた春見順子も、「ルパンの娘」で演じている三雲華も、深田さんが10代・20代のころに演じていた「純粋で恋愛下手」というイメージの役柄からほとんど変わっていません。

俳優にとって似たイメージの役柄を演じ続けることは難しく、2~3年程度なら継続している女優は少なくないものの、深田さんの23年間は、まさに異次元レベル。一部で「いつも同じ」「進歩しない」などの否定的な声もありますが、「23年間、視聴者と作り手のイメージを裏切らずに似た役を演じ続けてきた」ことが年齢の無力化につながっているのは間違いないでしょう。

視聴率には決して表れない愛情の深さ

ただ、深田さんが主演やヒロインを務めたドラマは、このところほとんどの作品が全話平均世帯視聴率1ケタ台に留まっています。

事実として30代に入ってから放送された「名もなき毒」(TBS系)、「女はそれを許さない」(TBS系)、「セカンド・ラブ」(テレビ朝日系)、「ダメな私に恋してください」(TBS系)、「下剋上受験」(TBS系)、「ハロー張りネズミ」(TBS系)、「隣の家族は青く見える」(フジテレビ系)、「初めて恋をした日に読む話」、「ルパンの娘」は、すべて1桁台に終わりました。

とりわけ「ルパンの娘」の第1シリーズは全話平均世帯視聴率7.2%。この結果だけなら間違いなく「失敗作」であり、第2シリーズの放送は考えられません。しかし、実は全話平均タイムシフト(録画)視聴率が8.2%を記録し、見逃し配信もフジテレビの記録を更新したほか、一時Twitterの世界トレンド2位にランクインするなど話題性はトップクラスでした。

これは「録画してじっくり見たい」「思わずつぶやいてしまうくらい好き」という視聴者の気持ちを表すデータであり、リアルタイムでドラマを見る視聴率より録画やネットでの視聴が多いのは愛情の表れ。深田さんの出演作は、他作以上に世帯視聴率だけではなく、録画や配信などの多面的な評価が必要なのです。

さらに、その「録画してじっくり見たい」「思わずつぶやいてしまうくらい好き」という気持ちは、出演作だけでなく、深田さん自身に向けられた愛情にほかなりません。たとえば、映画「ヤッターマン」のドロンジョや、CM「東京ガス」でラムちゃんを演じたときも、ネット上には愛情たっぷりのコメントがあふれていました。視聴率には表れない深田さんへの愛情があるから、それほど強烈なキャラクターを演じても批判的なコメントが少ないのです。

「アイドル女優」だから年を取らない

深田さんは30代後半になった今なお「アイドル女優」という見方をされることがありますが、これは主に「演技がうまくないことを揶揄する」という意味ではなく、「アイドルと同じような目線で見てしまう」という姿勢の表れでしょう。この「アイドル女優」として見られることが2つ目のポイントです。

たとえば、少年少女のころに好きだったアイドルへの愛情は40代・50代になっても色あせず、まるで年を取っていないかのように同じような視線を送り続けるファンは少なくありません。深田さんを見る人々の視線には、そんなアイドルファンと似たものがあるのです。

一方、ドラマの作り手たちは、アイドルのように深田さんを見る人々の視線を意識して、「神様、もう少しだけ」からずっと似た役でオファーを出し続け、深田さん自身は演技の幅を広げることよりも、その視線とオファーに応え続けることを選んできました。

いわゆる「演技派女優」というイメージの人は数えきれないほどいますが、深田さんのように長年にわたって「アイドル女優」というイメージの人はほとんどいません。日本では、とかく「演技力のある俳優だけが凄い」と言われがちですが、深田さんのように女優でありながらアイドル性を保ち続けることの価値は高いのです。

その意味で深田さんは、さまざまな年齢の役柄を演じる女優という職業を超えた存在なのかもしれません。たとえば、「永遠のアイドル」と言われる松田聖子さんの高い歌唱力が数年に一度のレベルでフィーチャーされるように、今後は深田さんの演技力が称えられる可能性はあるでしょう。

ここでのポイントをビジネスシーンに置き換えると、同僚でも取引先でも、「スキルへの評価よりも『好き』と思われる人のほうが、年齢や加齢を感じさせずに話が弾みやすい」ということ。さらに、相手から見て「好き」な人で居続けられれば、そのうちスキルを評価されるタイミングも訪れるでしょう。「好きな人だからスキルが評価されやすい」のであって、「スキルがあるから好きになる」というケースは極めて少ないのです。

語れば語るほど加齢を感じさせる

最後に、深田さんが年齢という概念を無力化している3つ目の理由を挙げると、それは「多くを語らない」コミュニケーションスタンス。

年齢を重ね、経験が増えるほど、特に成功を収めてきた人ほど、長々と語ったり、上から目線の言動になったり、こなれた感が出てしまうものです。一般企業で「上司の話が長い」、学校で「校長先生の話が長い」と言われがちなことからも、そのことがわかるのではないでしょうか。それは俳優の世界も同じで、トップシーンで活躍し続ける人ほど、番宣出演や映画公開イベントなどに慣れて話が長くなり、大物感を醸し出すことで加齢を感じさせるものです。

多くを語るほど、加齢を感じさせてしまう以上、若々しく見せるためには、必要レベルの言葉に留めるのが得策。その点、深田さんは10代のころから現在まで、多くを語ることがめったにないため、加齢を感じさせません。

もともと本当に会話がうまいのは、会話の主導権を握り、語彙が豊富な人ではなく、短い言葉で印象を残し、あいづちなどのリアクションで好印象を与えられる人。自分の話が長くなるほど聞いてもらいにくくなり、さらに加齢を感じさせやすいのですから、ビジネスパーソンのみなさんも、深田さんのような多くを語らないコミュニケーションスタンスを採り入れてみたらいかがでしょうか。

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