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「結婚相手の条件」ランキングが示す男女の本音

男女で結婚相手に求めている要素はどう違う?(写真: jessie/PIXTA)

「ダイバーシティ(多様性)」という言葉が広く知られるようになりました。ただ、日本のように単一民族に近い国では、ダイバーシティへの間違った理解がされがちです。

難しい話はここでは省きますが、本来は違うものを「同じ扱いに」と主張するのは、ダイバーシティとはまったく逆の考え方です。

結婚相手を求める男女とその支援者の現場でも、この多様性の履き違えがよく見られます。ダイバーシティの時代なのだから「ありのまま」の自分で戦うのだ、とこだわる(もしくは漫然とそのような意識で活動を続ける)活動者がいます。

もちろん、それで思うように結果が出れば何も問題はありません。しかし「いい人がいない」「婚活疲れ」などと訴える場合、そのこだわりを「相手の視点から」再考する必要があるかもしれません。

多様性の時代こそ性差を意識

自分に合う人かどうか、という一方通行の自分目線だけでなく、お互いの双方向目線の融合によってマッチングは成立します。相手ある行動において「ありのままでいい」かどうかは相手次第。もしくは相手と話し合ってこそ決まるもの、といえます。

筆者のもとには、結婚支援現場の支援者から多くの悩みが寄せられます。うまくマッチングしない個別事例の相談を受けるときによく感じるのは、「結婚相手探しにおいて、自分を主張するのは大切。しかし相手を知らないまま自分はこうである、と主張しても相手には響きにくい」ということです。

そこで、個々の感性の差をみることはさすがに難しくても、せめて男女がそれぞれ結婚相手に求める条件の「データで見た性差」と、それに基づく婚活アドバイスをご紹介してみたいと思います。

今回使用するデータは、内閣府による「家庭形成と結婚に関する意識調査」の結果です。2014年末から2015年初にかけて、20歳から29歳の男女7000人(住民基本台帳より無作為抽出)を対象に実施したもので、有効回答数は2643人です。

この調査の質問の1つに「結婚相手に求める条件」があります。図表は未婚かつ将来結婚希望のある男性428人、女性516人、計944人の回答結果を基に作成したものです。

男性、女性ともに結婚相手に求める条件として、「価値観が近いこと」「一緒にいて楽しいこと」「一緒にいて気を使わないこと」が圧倒的な割合で選択され、ベスト3に入りました。

2人の価値観が近いと、「一緒にいて楽しい」「気を使わない」と思うことが似る確率が上がります。これらはすべて「価値観近似婚」時代を示している選択肢とみることができます。

男性はこの3条件の選択割合がそれぞれ6割を超え、5人に3人以上が価値観の近似を望んでいることが示されています。さらに、女性ではこの3条件を選択した割合が約8割、5人に4人に達しています。

上位3条件が男女で一致しているものの、注意してほしい点があります。価値観の近似を示す選択肢の中で、「一緒にいて楽しいこと」「一緒にいて気を使わないこと」については、男女で10ポイントを超える格差があります(統計的にクロス分析で10ポイントを超える格差は「明確な相違がある」といえます)。女性のほうが男性よりも明確に「一緒にいて快適に感じるか」の基準を重視する傾向があるのです。

データを基にした婚活アドバイス

「一緒にいて快適」2条件についての男女格差をイメージしていただくために非常に単純化した話をしてみたいと思います。男女5対5でイベントを開くとします。

男女3組分は「一緒にいて快適な人がいいよね」という基準で話がかみ合うわけですが、4組目分に関しては、女性側だけが一緒にいて快適かどうかを求めているため、どちらかがこの基準を捨てるか、双方が少しずつ歩み寄る必要がある、という状況になります。

女性の方が男性よりも一緒にいて楽しかったり、気楽であったりすることを求める割合が高い傾向にあるため、この結果から導かれる婚活アドバイスは、次のようなものです。男性は女性に対して、同じ男性に対してよりも、相手が「楽しんでいるか」「気を使ってないか」をより意識して会ってみる、ということです。

こういう視点が男性にあれば、お見合い後に「彼の自慢話ばかりでつまらなかったです。お断りします」という回答が相手の女性から来る、といった「婚活あるある」事例がぐっと減ると思います。

一方、女性は男性に対して、同じ女性に対してよりも「私が楽しいか、私が気を使っていないかには、女性ほど気が回らない人が多いものよ」くらいに思って挑んだほうがよさそうです。

そうすればお見合いのランチで、体調が悪いのにこってりした料理の店に誘われても、「風邪気味なので、胃がもたれちゃう。あっさりした和食のいいお店を知っているので行きませんか」と、男性に察してもらうことを求めすぎずに言えるようになるでしょう。

恋愛感情はどれほど重視される?

これら3条件以外の上位の回答は、男女ともに6割未満に収まっています。

男女ともに3割以上でランクインしたのは、「恋愛感情」「自分の仕事への理解」「共通の趣味」でした。ただこの3条件のうち、「恋愛感情」は男女で10ポイント以上の差が出ています。女性は約2人に1人が選択していますが、男性は約3人に1人となっています。

また話を超シンプルにしますが、10対10のイベントを行ったとします。そのうち男女で「やっぱりラブラブな気持ちがないと結婚なんてありえない」という考えで一致するのは、3~4組分の男女となります(そう思った2人がそれでお付き合いするかはまた別の話です)。

残りの6~7組分の男女のうち、5組は男女ともに恋愛感情以外の条件を相手に求めているので除くとして、男女の条件格差で1~2組分は条件決裂、もしくは話し合いが必要になります。

この場合ですが、男性は「恋愛感情の有無はさておき、気に入ったなら恋愛感情的な要素を出してみる」ほうがいいかもしれません(付き合ってみてから恋愛感情が湧く性格だったとしても、今その雰囲気を出さないことでせっかくのお気に入り女性を逃さなくてもよいため)。

女性は「相手の男性が恋愛感情を持ってくれないと不満を言わずに、気に入ったなら押してみる」という方法で、マッチングのチャンスを高めることができると思います(男性は女性よりも恋愛感情がなくても、結婚条件に合致すると考える割合が高いという結果から)。

母が主婦・パートだった世代

最後に、男女ともかなり多い割合で選び、また割合も一致している「自分の仕事への理解」について、とくに注意喚起をしておきたいと思います。

「男女関係なく3人に1人が、自分の仕事への理解を結婚相手に求めている」という結果を、とくに男性側はしっかり意識しておいたほうがよさそうです。それはなぜでしょうか。

この調査に回答した男女は、2015年時点で20歳から39歳の男女ですので、現在25歳から44歳の男女ということになります。この年齢ゾーンの男女の親は、近くて25年前、遠くて44年以上前にマッチングしたカップルです。

女性が産後も一般会社員として、安定的に職を得る必須条件を支える法律である「育児休業法」が施行されたのは1992年。今から28年前にすぎません。つまり、回答者の両親のほとんどが「男性は仕事、女性は家庭(ときどきパート)」の世代なのです。

そのような生活形態の両親を見て育っているため、致し方ない側面はありますが、婚活女性が「私の仕事への理解」を自分たちと同じぐらい求めていることを、当然とは婚活男性が思っていない傾向が強いと感じる事例が多くあります。

実際、ある結婚支援の現場から「男性会員からのお申し込みでお見合いを行ったら、女性会員から『結婚したら僕の実家で暮らしてほしいって言われましたが、今の私の職場にどうやって通えというのでしょうか。私のプロフィールの職業欄も見ているはずなのに、なぜ申し込んできたのかわかりません』と、速攻で怒り含みのお断りが来た」というお話がありました。

このような「無駄な申し込み」をして、婚活疲れしたり・されたりしないためにも、今回のデータから見えてくる「結婚相手の思い」を確認してもらえればと思います。

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