東大生が心底オススメ「勉強になるゲーム」3選

東大生は、テレビゲームからもいろいろなことを学んでいるといいます(撮影:尾形文繁)
「本や教科書を読んでいるのに、なかなか身に付かない」
受験生に限らず、勉強熱心なビジネスパーソンでも、このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
「かつての僕は、まさにそうでした」。2浪、偏差値35という崖っぷちから1年で奇跡の東大合格を果たした西岡壱誠氏は、自らの経験を振り返って言います。「でも、ちょっとした工夫で、劇的に改善したんです」。
教科書、参考書だけでなく、あらゆる本の読み方を根本から変えた結果たどり着いた読書法をマンガで解説する『マンガでわかる東大読書』を刊行する西岡氏に、「勉強になるゲーム3選」を紹介してもらいました。

東大生も意外と「ゲーム」をしている

「東大生はゲームとかするの?」「ゲーム禁止で、勉強ばっかりやっている人が多いんじゃないの?」

僕はよくそんなことを聞かれるのですが、全然そんなことはありません。東大生は人並みにゲームをプレイしています

ドラクエマニアの同級生もいますし、ポケモンの対戦が異常に強い後輩もいます。卒業生の中には東大卒でプロゲーマーになった人だっています。

僕をはじめとする多くの東大生は、ゲームからも多くのことを学べると考えています。例えば東大入試では2007年に「シャッター通り商店街が昨今増えている理由を答えよ」という問題が出題されました。答えとしては、駐車場を完備し、さまざまなものをいっぺんに買える大規模なスーパーに客層を奪われているから、という理由が考えられます。

「この問題は、とあるゲームをやっていれば簡単に解けてしまうよね」と東大生の中で話題になりました。実は「ペルソナ4」というゲームでは、この「商店街」と「新しい大規模スーパー」の対立が物語の舞台設計になっています。大規模スーパーの店長の息子が友達となり、商店街出身の女の子と確執が生まれてしまう、なんてシーンもあります。このゲームをやっていると、肌感覚として「シャッター通り商店街」の問題が理解できるようになっているのです。

このように考えると、勉強に役立つ要素のあるゲームは、実は意外と多いのです。今日は3つ、東大生が遊んでいる「勉強になるゲーム」を紹介させていただきたいと思います。

「勉強になるゲーム」といえば、なんといってもシミュレーションゲームでしょう。

シミュレーションゲームは学びの宝庫だ

勉強になるゲーム① シティーズ:スカイライン

東大生には、シミュレーションゲームが大好きな学生が多いです。

シミュレーションゲームとは、仮想のゲーム世界の中で自由に何かを作り上げたり、操作したりするゲームのことを指します。街を作ったり、生態系をいじくったり、星の動きを変更したり、会社経営をしたり……さまざまな形態がありますが、現実にある程度即しつつも、現実ではできない大胆で面白い仮想を楽しむことができます。

その中で一番人気なのが、『シティーズ:スカイライン』です。

このゲームは、「市長になって、街を自由に作ることができる」というものです。税金の管理も、工場区画の設計も、道路工事も病院の設計も災害対策も、すべて自由に行うことができるのです。

病院のない街を作ったらどうなるのか? 駅のない街を作ったらどうなるのか? 街に交差点を作らないとどうなるのか? こうした、現実では絶対にできないけれど試してみたら面白い街作りのシミュレーションができるのです。

このゲームのいいところは、現実世界の街に対する見え方が一気に変化する点です。「ああ、ここに駅を設置しないと、この道に渋滞が起こるのかも」「この交差点、なんでこんな作りになっているのかと思っていたけど、こういう意図があるのかも!」と、自分の生活圏から何かを学び取れるようになるのです。

「自分の身の回りから何かを学ぶ」のは非常に大切です。普段から、自分たちの身の回りにあることに疑問を持って生活できるようになれば、勉強ははかどります。こうした「身の回りのこと」を出発点とする問題は東大の入試でも多く出題されていますし、2020年入試改革以降の大学入試でも頻出だと言われています。

「街作り」の観点から「身の回りから学ぶ力」を高めることができるという意味で、このゲームは非常に役に立つと考えられます。

勉強になるゲーム② Universe Sandbox

次もシミュレーションゲームです。『Universe Sandbox』という名前のゲームなのですが、これは「宇宙を自由に操作することができる」シミュレーションゲームです。

例えば月を地球に落としたらどうなるのか? 地球が太陽と同じくらいの大きさになったらどうなるのか? 重力が今の2倍になったら何が起こるのか? 地球温暖化が発生したらどうなるのか? そうしたシミュレーションを自由に行えるのがこのゲームです。

僕らは、想像力が働かないこと、または自分が見たことも聞いたこともないものについては、勉強してもなかなか頭に入らないものです。宇宙空間なんて、テレビかネットでしか見たことがありません。中学校の理科の教科書で「日食・月食の仕組み」を学んでも、ぜんぜんピンとこなかった人も多いのではないでしょうか。

でも、このゲームで実際に星の動きや地球の重力などをいじくってみれば、想像のとっかかりになります。教科書や本を読んでいても、「ああ、こんなシチュエーションはゲームで見たことがあるかも」となれば、勉強のハードルが一段と低くなるはずです。

僕は理系の友達とこのゲームで自由に遊んだ上で、「なんでこんな現象が起こったのか?」を解説してもらったり、議論したりしていました。そんなふうに、「なぜそうなったのか?」を後から自分で考えてみると、非常に勉強になると思います。

歴史上の人物を身近に感じられるゲーム

勉強になるゲーム③ Fate/Grand order

僕は浪人時代、ゲームは封印して勉強に打ち込んでいました。さすがに浪人生の身の上で勉強せずに遊んでしまうことに、罪悪感があったからです。

しかしそんな中で、唯一封印していなかったゲームが、この『Fate/Grand order』というスマホアプリゲームです。

これは、古今東西あらゆる時代・あらゆる地域の英雄や偉人を召喚し、使役することで世界の危機を救うゲームです。このゲームをやっていると、自然と歴史上の人物のことを理解できるのです。

この手のゲームではよくある話なのですが、男性の英雄がなぜか女性になっていたり、英雄のことを茶化すようなキャラ付けがされていたりもします。しかし、どのキャラクターもきちんと英雄に対するリスペクトが感じられる設計になっています。その英雄・偉人のことがきちんと調べられており、それがゲーム内の設定に盛り込まれているのです。

このゲームをプレイすると、今まで味気なかった日本史や世界史上の人物たちが「ああ、この人も人間だったんだなあ」と現実味を帯びて感じられるようになり、教科書を読むのが苦ではなくなります

さらに勉強になるのは、このゲームの根本に関わってくるのですが、時代による価値観の違い、「善」と「悪」のとらえ方の違いがわかることです。

今の価値観では間違っていることも、その当時は正しいと思われていた。歴史をただ勉強しているだけでは、そうした「価値観の違い」「善と悪の議論」は理解できません。しかし、このゲームで偉人たちの功績や価値観に触れると、そういったことも考えられるようになるのです。

例えばこのゲームでは、中国の「焚書坑儒」の考え方が描かれているストーリーがあります。知識は「安全装置のない、正しい用法のわからないもの」だから「全国民が得てしまうのは破滅を招く」として、一部の人のみが有して他は知識を得ないほうがいい、という考え方で成立する国が登場するのです。翻って現代の社会では、多くの人が知識を持つことができて、インターネットでその知識をみんなに共有できる。しかしそのかわりに、争いや諍いも生まれてしまう……ではどちらのほうが正しいのか、と。

これと同じように、奴隷制や宗教、その時代に信じられていた社会通念などを、歴史上の人物を通して知ることができます。過去の偉人たちの考え方や、さまざまな価値観に直に触れるストーリーの中で、多くのことを考えるきっかけをくれるのがこのゲームなのです。

僕のオススメは、このゲームをプレイすると同時に、その人物のこともきちんと調べてみるという方法です。ちなみに、このWikiのサイトでは、各人物のゲーム内の設定と史実のリンクや相違点をまとめているため、非常に勉強に役立ちます。

また、このゲームの登場人物のバックグラウンドが漫画で描かれているサイトもあります。みなさんこちらもぜひチェックしてみてください。

いかがでしょうか? もちろんゲームで遊びすぎるのはよくないことですが、しかしこのように勉強になるゲームや、ゲームから勉強できることもたくさんあります。みなさんぜひ、この機会にプレイしてみてはいかがでしょうか?

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