「半導体技術者」引く手あまた…TSMC進出効果、九州・沖縄では求人「6年前の6倍超」

 リクルートは、2023年度の半導体関連エンジニアの求人動向に関する調査結果をまとめた。九州・沖縄の求人数は、半導体の受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本に進出したことから6年前の6倍超と全国7地域で最も高く、半導体技術者の不足感が改めて浮き彫りとなった。

TSMCの熊本工場(2月17日、熊本県菊陽町で、読売機から)=秋月正樹撮影

 リクルートの転職サービスを利用している企業を対象に、半導体開発や製造装置、化学薬品の管理など半導体工場で働く専門職の求人データを集め、比較可能な17年度を「1」とする指数で増減を算出した。

 九州・沖縄は、電気自動車向けなどの半導体需要増を背景に20年度に3倍超に伸びた後、TSMCが熊本県菊陽町に工場を設けると発表した21年度以降はさらに求人が増加し、23年度は6・06倍だった。先端半導体の国産化を目指すラピダスなどが立地する北海道・東北が5・90倍で続いたほか、最も低い中国・四国でも2・54倍となり、半導体技術者を求める動きは全国に広がっている。

 調査を担当したリクルートの増永聡コンサルタントは「半導体関連エンジニアは専門性が高く、転職でも売り手市場となっている。特に九州では半導体関連拠点の拡充が続き、TSMC熊本工場の生産も本格化する。今後も人手不足の傾向は続くだろう」と述べた。

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