来年の春闘、連合が中小企業に賃上げ「6%以上」要求へ…11年ぶりに全体水準上回る目標

 2025年の春闘の賃上げ目標について、連合は18日、中小企業に対し、全体水準を上回る「6%以上」を求めると発表した。全体よりも高い目標を掲げるのは、14年以来11年ぶりで、大手との賃金格差を是正するのが狙い。

連合の芳野友子会長

 大手を含めた全体では、基本給を底上げするベースアップを「3%以上」、定期昇給分を含めて「5%以上」とした今年の賃上げ目標を据え置く。

 連合の集計によると、今年の春闘では、平均賃上げ率が目標を超える5・10%となり、33年ぶりの高い水準だった。一方、組合員300人未満の中小では4・45%にとどまり、大手との賃金格差は広がった。

 中小で大幅賃上げが難しい背景には、大手の取引先が、人件費などの上昇分を販売価格に反映する「価格転嫁」に十分に応じないことなどがある。連合は、加盟する労働組合を通じ、各企業に適正な価格転嫁の実施を要求するとしている。

 連合の芳野友子会長は、この日の記者会見で「5%以上の賃上げを着実に継続していくことで、賃金や物価、経済が安定的に上がっていく好循環を実現したい」と話した。

ジャンルで探す