孫正義氏、オープンAIの新モデル「初めて考える能力を持つ」…10年後には感情を理解するとの見方

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は3日に行った講演で、米オープンAIが9月に発表した人工知能(AI)の新モデル「o1(オーワン)」について、「初めて考える能力を持つ」と評価した。AIの性能が10年後に人間の知能を大きく超え、感情を理解できるようになるとの見方を示した。

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(3日、東京都港区で)

 孫氏は、東京都内で企業関係者向けに講演した。質問などに応答する対話型AIサービス「チャットGPT」について、「関係性が近い言葉の数珠つなぎで(AIが自ら)考えているわけではなかった」と指摘した。一方、論理的思考力を強化した「o1」は「数学の証明問題など、博士号レベルの問題に答えられるようになった。知能のゴールドラッシュが来た」とし、あらゆる産業で製品やサービスなどの開発に活用できると期待を示した。

 一方、「知能だけでは危険なものになりかねない」と警鐘を鳴らした。その上で、「AIにとっての最大の報酬は、利用者や社会の喜びになるように設計されるべきだ」と強調した。

 SBGによるオープンAIへの出資については触れなかった。

ジャンルで探す