新幹線の貨物専用車、JR東日本が開発検討…座席撤去・乗降ドアを拡大し積み下ろし効率化

 JR東日本が、新幹線の座席を外して荷物だけを運ぶ専用車両の開発を検討していることがわかった。JR各社はこれまでも車両の一部や空席を利用して荷物を運ぶ「貨客混載」は行ってきたが、新幹線の荷物専用車両ができれば初めてとなる。

通常の新幹線車両で荷物を運ぶJR東日本の実証実験(2023年)

 荷物専用車両では、座席を全て撤去して、より多く、より大きな荷物を運べるようにすることを検討している。乗客が通らないように1編成の先頭車両だけに導入したり、乗降ドアを拡大して積み下ろしの効率を高めたりする案のほか、1編成全てを荷物専用にする案もある。

 新幹線を使った荷物輸送は、乗客が激減したコロナ禍から、JR各社が貨客混載の取り組みとして始めた。JR東では2021年から東北新幹線などで本格展開し、鮮魚や土産物などを運んできた。25年度には荷物の高速・多量輸送を事業化する方針で、実証実験を進めている。

 ただ、荷物専用車両を導入すれば、乗客の座席は減るため、今後は乗客と荷物の需要を見ながら、導入の可否や規模を検討する。

 物流業界では今年4月、トラック運転手の労働時間の規制が強化されて人手不足感が強まっており、新幹線での輸送に期待が高まっている。

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