家計の金融資産2212兆円、過去最高を更新…キャッシュレス化と物価高で「現金」保有は減

 日本銀行が19日に公表した4~6月期の資金循環統計(速報)によると、6月末時点で個人(家計部門)が保有する金融資産残高の合計は前年同期比4・6%増の2212兆円だった。株高を背景に株式や投資信託の価値が膨らみ、6四半期連続で過去最高を更新した。

 金融資産は現金や預金に加え、株式や保険など金融商品の合計。このうち「現金・預金」は0・8%増の1127兆円で、金融資産に占める割合は51・0%と引き続き過半を占めた。預金は過去最高を更新した一方、現金は2・2%減の104兆円だった。減少幅は過去最大で、キャッシュレス化と物価高による現金の取り崩しが影響した。

 「株式等」は15・6%増の301兆円、「投資信託」は27・1%増の128兆円で、いずれも過去最高だった。4~6月は日経平均株価が4万円に迫る高値水準で推移するなど株式相場が上昇した影響が大きい。

日本銀行本店

 「保険・年金・定型保証」も1・3%増の545兆円で過去最高を更新した。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことで、外貨建て保険の評価額が膨らんだ。

 日銀が保有する国債(短期国債を除く)は564兆円で、3月末の576兆円から減った。発行残高に占める割合は53・2%で、3月末から微減となった。日銀は金融政策の正常化の一環で、8月から段階的に国債の買い入れ額を減らしており、保有残高も徐々に減少する見通しだ。

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