路線価3年連測プラス、上昇率トップは福岡県…16県で前年比マイナス

 国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2024年分(1月1日時点)の路線価を発表した。全国の平均変動率は前年比プラス2・3%で、昨年の同1・5%を上回り、3年連続で上昇した。コロナ禍が本格化する前の20年の1・6%も4年ぶりに超えた。コロナ禍からの回復が進み、都市部を中心に不動産の需要が拡大していることが要因とみられる。

路線価が39年連続で全国トップとなった東京・銀座の銀座中央通り

 都道府県別では、長野、三重、滋賀、宮崎の4県がマイナスまたは横ばいから上昇に転じ、昨年より4県多い29都道府県でプラスとなった。上昇率トップは、主要駅前などで再開発が進む福岡の5・8%。次いで沖縄が5・6%で、東京(5・3%)、北海道(5・2%)、宮城(5・1%)と続いた。

 一方、少子高齢化が加速している地方を中心に、16県では前年比でマイナスとなった。このうち、栃木、富山、鹿児島3県は下落幅が拡大した。

 都道府県庁のある47都市の最高路線価は、前年より8都市多い37都市で上昇した。上昇率が最も高かったのは千葉市の14・9%で、さいたま市が11・4%、岡山市が9・1%だった。福島、水戸、甲府など9市は横ばいで、鳥取市が全国で唯一の下落(マイナス3・1%)となった。

 路線価の全国トップは、39年連続で東京都中央区銀座5の銀座中央通り。前年より152万円高い1平方メートルあたり4424万円で、2年連続で上昇した。

  ◆路線価= 全国の主要道路に面した1平方メートルあたりの土地評価額。今年の評価対象は約32万地点。金額は国土交通省が公表する公示地価の8割が目安となる。1月1日午前0時が基準となるため、今年の元日に発生した能登半島地震の影響は反映されていない。

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