円相場、一時1ドル=161円台に下落…38年ぶりの円安水準

 28日の東京外国為替市場は円売り・ドル買いが一段と進み、対ドルの円相場は一時1ドル=161円台前半まで下落した。1986年12月以来、約38年ぶりの円安水準。日米の金利差を背景にした円安・ドル高が進行している。

日本銀行本店

 海外市場での円安・ドル高基調を引き継いだ。前日に米国で発表された1~3月期の実質国内総生産(GDP)確定値で個人消費が下方修正された。米長期金利がわずかに低下したものの、日米の金利差は依然として開いたままで、運用に有利なドルを買って円を売る動きは衰えていない。

 総務省が28日発表した6月の東京都区部の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合が前年同月比で2・1%上昇と伸びが拡大した。市場では当面、日本では低金利が続くとの観測が出ている。

 一方、政府・日銀による円買い・ドル売りの為替介入への警戒感も出ている。心理的節目の1ドル=160円台を超えていることから神経質な値動きが続いている。

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