Vチューバー「がうる・ぐら」所属のホロライブ運営会社、公取委が下請法違反で再発防止を勧告
インターネット上で活躍するバーチャルユーチューバー(Vチューバー)を巡り、デザインなどの修正作業をクリエイターに無償で行わせたとして、公正取引委員会は25日、東証グロース上場の動画配信会社「カバー」(東京都港区)に下請法違反(やり直しの禁止)で再発防止を勧告した。
発表によると、同社は2022年4月~昨年12月、Vチューバーのデザイン製作を委託する23事業者に対し、キャラクターの絵柄や動き方を変更するよう不当に要求した。事業者側は、発注書に従って製品を納入していたが、「もっと髪の動きを滑らかに」「体形のバランスが悪い」などと、計243回のやり直しを命じられたという。同社は追加の作業代を事業者側に一切支払っていなかった。
クリエイターの約8割に当たる19事業者が「フリーランス」として活動する個人事業主。発注時に定めた元々の下請け代金も、やり直しが全て終了するまで支払っておらず、公取委はこの点も下請法違反(支払い遅延の禁止)で指導した。
公取委の指摘を受け、同社は全ての事業者に支払い遅延分の利息約115万円を支払った。やり直し分の未払い代金も算出し、できるだけ早期に支払うという。
同社は16年の設立で、Vチューバーの大手事務所「ホロライブプロダクション」を運営。Vチューバーで世界最多とされる450万人超のユーチューブ登録者を持つ「がうる・ぐら」など人気キャラが多く所属し、24年3月期の年間売上高は約301億円に達した。
10/25 15:00
読売新聞